・フォーレ:ヴァイオリンソナタ第1番 作品13
・メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 作品49
・シューマン:ピアノ五重奏曲 作品44
Vn. リチャード・リン、中村太地、Va. 松隈聡子、Vc. 宇野健太、Pf. 佐藤卓志
2025年3月14日(金)、北九州芸術劇場小劇場
もう一週間前のことですが、とても感動的な演奏会でした。北九州出身のヴァイオリニスト中村太地が地元で取り組んでいるラーク国際音楽祭、「国際」と銘打ちながら、これまでは国内の演奏家しかいなかった気がしますが、今回はアメリカ生まれ、台湾育ちというリチャード・リンが加わりました。
フォーレのソナタはそのリンが担当しました。太地くんのフォーレを楽しみにしていたので、えーっという感じでしたが、リンの演奏が素晴らしかった。太地くんのヴァイオリンと比べるとフレージングにくっきりとした押し出し感があり、第3楽章などはピアノとの掛け合いがぴたりと決まって小気味いい。小劇場で演奏者と客席が近いこともあり、リンの深い息遣いがよく聞こえてきて、そうやって弾くものなのかと感心しました。演奏後に太地くんのMCにより、二人がコンクールで知り合ったこと、いつも太地くんが負けていたことなどが明かされましたが、それは優劣ではなくて音楽性の違いだろうなあ。
メンデルスゾーンは昨年も聴いており、メンバー中ピアノは佐藤卓志が継続、チェロはNHK交響楽団の辻本玲に代わって大分出身の宇野健太が参加しました。前回は音量バランスに配慮が必要ではと思ったのですが、今回はちょうどいい感じでした。宇野健太は弾いているときのアクションがなかなか激しく、ちょっとマネしたいですが、そのためには相当な訓練が必要そう(爆)。でも昨年がベートーヴェン、メンデルスゾーン、そしてクララだったので、今年は三重奏もシューマンでやってほしかったというのが正直なところ。
休憩後はシューマンのピアノ五重奏曲。ヴァイオリンは1stリン、2nd中村太地で、続いてチェロ、そしてヴィオラが右端という配置でした。この曲を実演で聴いたのは初めてかも。編成的にピアノ五重奏って、なかなか機会がないですから。
第1楽章はこれだよ、といいたくなるようないいテンポ。ピアノと弦が理想的な音量バランスで、フォーレでも感じましたがピアノのセンスの良さが伺い知れます。第2主題のチェロとヴィオラの掛け合いは、1回目チェロがとても上手かったのに比べるとヴィオラはちょっと固く、鳴り切れてなかったですが、繰り返しではリカバリーしました。第2楽章は、リンのヴァイオリンが積極的に引っ張り、起伏の大きい長い曲をメリハリつけて一気に聴かせました。第3楽章もよく合っていて、フィナーレどうなるのかという期待が高まります。フィナーレがもう圧巻。ぐいぐい進んで高揚します。コーダのこれでもかというフーガで泣けました。ブラボー叫びたい衝動に駆られましたが、小ホールだし思いとどまりましたf^^;。アンコールは、ヴァイオリン2人でショスタコーヴィチの小曲を演奏してくれました。大満足。
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