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2025年03月17日21:30

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TRUE COLORS

1月から先日までNHK BS「プレミアムドラマ」として放送されていた源孝志原作・脚本・演出によるドラマ。全9回。

源孝志のドラマは、2年前の春ごろに放送された『グレースの履歴』以来で、この年(2023年)は民放にも『何曜日に生まれたの』と『ハヤブサ消防団』という名作があって、ベストを決められない状況でした。しかし今回の『TRUE COLORS』は、今年のベストワンはもうこれで決まりだろ!と思うくらいとても素晴らしかった。

物語のヒロインは、ファッション業界のトップまで駆け上がりながら、錐体ジストロフィーという難病のために仕事を失ってしまうフォトグラファー立花海咲。海咲は父親の海難事故をきっかけに家を出て、東京で活動していたのですが、妹からの結婚の知らせを受けて、18年ぶりに故郷の天草に戻ることになります。

『グレースの履歴』では、亡き妻の愛車に残された走行履歴を追って夫が旅するという、ロードムービー的な趣向が特徴でした。今回は里帰りですが、過去に失った人間関係を再構築していく点は似ています。主演は倉科カナ。彼女は『トクサツガガガ』で小芝風花と共演して以来、NHKのドラマでよく見るようになった気がします。今回は満を持しての主演起用? 実際、彼女をこんなに魅力的に描いた作品はこれまでなかったのじゃないかと思うほど(というほど見てないけどf^^;)。

源孝志のドラマに共通するのが、とにかく映像の美しさ。劇場映画かと思えるような上質な画面です。今回は色覚がストーリーの重要な要素でもあり、彩りが一段と意識されています。音楽もそうした絵にふさわしい、音は少ないけれど長調と短調の間を揺れ動く印象的なもの。同様に、登場シーンは多くなくても記憶に残る人物たち。例えば『グレースの履歴』で主演だった滝藤賢一も出ていますが、序盤だけで、あとは回想シーンで顔を出すくらい。

ストーリーも素晴らしい。細かいことは観てのお楽しみf^^;。だけどどうしても言っておきたいのがコーヒーへのこだわり。ヒロインがコーヒー好きという設定で、随所にコーヒーを飲むシーンがあります。それがネルドリップだったりサイフォンだったりマキネッタだったり、シチュエーションごとに淹れ方が違うんですよ。しかもその様子を時間をかけてじっくり見せてくれます。中煎りのホンジュラス、本当に天草で売ってるのかf^^; 『グレースの履歴』でも、ホンダのレーシングチームがイタリアで使っていたというエスプレッソマシンが登場するし、コーヒーに対する思い入れは大変に強いものがあるようです。

あとラスト(以下ネタバレ)。このドラマでは毎回エンディングロール後にエピローグのように追加シーンがあります。で、最終回でも大漁旗をなびかせた漁船団がヒロインを見送るという大掛かりなクライマックスを迎えるのですが、その先に2年後のシーンがあるんですよ。もうねー、ここで海外ロケ持ってくるから。そして海咲の笑顔ですよねー。「フランチェスカさん、こういうことですか」。そういうことだよ(爆)。
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