「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。
連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストは、14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。
出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のキルステン・ダンスト、テレビドラマ「ナルコス」のワグネル・モウラ、「DUNE デューン 砂の惑星」のスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、「プリシラ」のケイリー・スピーニー。
<2024年10月6日 劇場鑑賞>
怖い映画でした。一つの国が分裂して、ついさっきまで”アメリカ人”として同じだったはずなのに、一転して殺し合いを繰り広げるなんて、怖すぎます。なんの理由でこれほどの分裂が生じたのかわかりませんが、宗教に基づく争いのほうがまだ納得できる気がします(いや、争いはもちろん避けるべきですが)。
とにかく、なんの威厳も亡くなってしまった傀儡大統領が、どれだけ力んだところで、ウソはバレます。ジャーナリストやカメラマンが、なんとか大統領に直接意見を聞きたいと思うのはむべなるかな。そこで、ジャーナリスト一行は首都を目指して走ることになるのです。
が、その道中で、あまりに過酷な現実を目の当たりにします。一番怖かったのは、何と言っても赤いサングラスの兵士に止められた時。彼は「何かの誤解だ。我々は同じアメリカ人だ」と言ったジャーナリストに対して「どんな種類のアメリカ人だ」と問うのです。え?どんな種類って・・・。そしてアジア出身の助手が、出身を聞かれて「香港人だ」と言った途端に撃たれて死んでしまいます。彼らは兵士ではない。いくら戦時下でも、これはない、はず。そして、ここでのキルスティン・ダンストは、有名な戦場カメラマン。若い女性カメラマンが志願してついてくる存在です。キルスティンは、本当は若い人を危険にさらしたくなかったけれど、男性スタッフが乗せてしまった以上仕方がありません。本当に男の人って・・・。結論から言うと、彼女はこれをきっかけに大きく成長するわけですが、それでもこれは危険だったと私も思いますね。
これほど混乱してしまった国家アメリカは、どこへいくのか。映画で明確な結論は描かれませんが、強い意志を持ったジャーナリストたちが最後まで描かれるので、やはり正義や民意はある、ということでしょうね。あまりにリアルな映画で、日本はこんな怖い国家にならないで欲しいと強く思いました。
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