1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行する。一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)は、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。(「ソウルの春」オフィシャルサイトより)
<2024年8月24日 劇場鑑賞>
韓国の今の大統領は尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏、前大統領は文在寅(ムン・ジェイン)氏、その前が女性の大統領でしたね。朴槿恵(パク・クネ)さんです。あのセウォル号沈没事故があったときの大統領です。修学旅行生が大勢亡くなりましたね。彼女のお父さん朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が部下に暗殺された事件から、この物語は始まります。独裁者とも言われた人物の暗殺で、かの国は民主化が進むかと思われましたが、新たな独裁者が現れて来るのです。この辺を描いた映画です。
イ・ビョンホン主演の「KCIA 南山の部長たち」もこの事件を描いた映画でしたね。しかし、時の捜査責任者チョン・ドグァン(ファン・ジョンミン)は、この事件の真犯人に対する取り調べが荒っぽかったことを批判され、そのまま田舎に左遷されそうになり「一生冷や飯を食うくらいなら」と謀反を決意。権力を掌握しようとクーデターを起こします。陸軍内のハナ会という組織を牛耳り、陸軍トップの参謀総長を拉致するなど、徐々に足場を固めていきます。片や、危機を察した参謀総長は、拉致される前に、信頼できる軍人イ・テシン(チョン・ウソン)をソウルの警備長に据えます。この二人(チョン・ドグァンとイ・テシン)の攻防がお話のメインです。
多分、誰もがイ・テシン側が正義だとわかっていたのです。しかし、あまりに強い態度のチョン・ドグァンに誰もが逆らえなかった。というか、今逆らって、後にこの男が本当に実権を握ったら、自分は冷や飯か?と現実的な怯えで、追従した輩も多かったと思われます。そして肝心な権力者(国防長官とか)は、逃げ回るばかりで何の役にも立ちません。アメリカ合衆国の大使館にまで逃げ込んで「なんなのですか。ここへ来てもなんの解決にもなりません」とはっきり言われても愛想笑いを浮かべてのらりくらりと時間を稼ぐ姿は、みっともないことこの上ない。よくのうのうと生きてるわ、と思いました。そのくせ、形勢が逆転しそうになると突然現れ「国防長官は俺だ!俺が決めるんだ!」と声高にのたまい、不利になると見て取るや階段の下にまた身をひそめる。なんでこんな奴が出世しているのか。まったくもって不思議でした。
ともかく、そんなこんなで政変が起きるのです。歴史は広く知られているので書いてしまいますが、民主化の夢は破れ、イ・テシンは拘束されます。チョン・ドグァンは独裁者として君臨。のちに有力政治家を軟禁したり、市民のデモを弾圧したりします。この辺を描いた映画が「光州事件」「タクシー運転手 約束は海を越えて」ですね。そして彼は1980年、全斗煥(チョン・ドファン)大統領となるのです。民主化を求める市民デモは散発的にはずっと起きていたようですが、1987年の6月の民主抗争でピークを迎え、ついに1987年6月29日、民主化宣言が出されます。この辺を描いたのが、若作りぱっつん前髪のカン・ドンウォンが出ていた「1987、ある闘いの真実」ですね。韓国って、けっこう真正面から歴史を描いた映画、作ってます。「1987〜」では、靴屋のおばさんが印象に残ってます。学生運動しているカン・ドンウォンらを支援するふりして「この靴を持って行きな。○○に負けとくよ」って、きっちり商売するんです。がめつい(笑)。思わず苦笑したのを覚えています。
韓国の大統領って、いつも退陣後に訴追され拘束されてるイメージです。チョン・ドファン大統領も、少し前に90歳くらいで亡くなられたのを覚えています。盧泰愚さんと共に起訴されたんじゃなかったかな。細かいことは覚えてないけど。
いっぱい韓国映画見て来たけど、今回の映画のおかげで少し整理がつきました。勉強になりました。
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