1970年代半ば、韓国の漁村クンチョン。海が化学工場の廃棄物で汚され、地元の海女さんチームが失職の危機に直面する。
リーダーのジンスクは仲間の生活を守るため、海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負うことに。
ところが作業中に税関の摘発に遭い、ジンスクは刑務所送りとなり、彼女の親友チュンジャだけが現場から逃亡した。
その2年後、ソウルからクンチョンに舞い戻ってきたチュンジャは、
出所したジンスクに新たな密輸のもうけ話を持ちかけるが、ジンスクはチュンジャへの不信感を拭えない。
密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンの思惑が絡むなか、
苦境に陥った海女さんチームは人生の再起を懸けた大勝負に身を投じていくのだった……。(公式ウェブサイトより)
<2024年7月14日 劇場鑑賞>
おもしろかったです。海女さんたちが潜って作業しているその傍に、バーンと大きな化学工場が建ってて、まぁ汚染水を垂れ流すことったら。かわいそうな貝や海藻たち。みんな死んじゃってます。なんで規制がないの、と単純に思ったのですが、経営者側が権力者たちに賄賂を渡してあるわけですね、もちろん。一庶民の力ではなんともなりません。こんな田舎でいまさら他の仕事があるわけでなし、海女さんたちは、その特技を生かして密輸に加担することになります。手筈はこうです。いけないものを密輸するグループは、海上で売買が成立した時点ですべてのブツを海に沈めてしまいます。そして「怪しい」と捜索に入る当局には「いえいえ、なにも積んでませんよ」と、当たり障りのないものを見せます。何も発見できなかった当局はすごすご帰る。そしてのちに海女さんたちが船でやって来て素潜りし、引き上げる・・・そんな感じです。
しかし、最初は「今回だけ」と思っていても、他に仕事もないし、やっぱり続けてしまいます。すると、ブツはどんどんエスカレートして危険なものに。よくある話ですが、「これが最後」と挑んだ大博打で、捕まってしまうのです。海女さんたちと他に荷物積み下ろしや交渉などを請け負う男ら、皆が捕まる中、一人だけ隠れおおせた女性がいます。チュンジャです。捕まった女性たちが服役している間に「あいつがチクったに違いない」「今頃ガッポリお金を手にしているはず」とか、憎悪が憎悪を呼んで妄想が増幅し、出所するころにはみんな何の証拠もなく犯人はチュンジャだと確信していました。
出所した後も厳しい生活が待っています。海女さんの仕事なんて減る一方。危険を冒してサメがいるとされる沖まで出て、獲物を取って来る女性も。しかし、やはりある日サメに襲われ、足を片方失ってしまいます。もうみんな八方塞がりです。そんなところに、派手な格好をしたチュンジャが儲け話を持って帰って来ます。しかし、彼女もなんだかヤバそうだし、そもそも憎悪一辺倒の海女さんたちは彼女を受け入れられません。
しかし、これは書いても差し支えないかと思うので書きますが、チュンジャは若い頃身を守るために犯した犯罪歴を持っていて、そのため海女さんとしてこんな田舎に潜んでいたのであって、警察に捕まるわけにはいかなかったのです。決してみんなを裏切ったわけではなく、彼女たちの苦境を知っているからこそ、何とかしようと戻ってきたのです。
仲間は海女さんだけではなく、常日頃から権力を笠に着た男たちに踏みつけられている水商売の”かわいい女”や、他のおばさんもいます。もちろん、一筋縄ではいかない密輸王(これが無駄にイケメン)もやって来るし、チュンジャに対する憎悪の払拭にも時間がかかり、なかなか一つになれずに苦戦する彼女たちなんですが、最終的には”世紀の大博打”に一丸となって臨みます。私も同じおばさんとして「それ行け!やれ行け。失敗するな」と心から応援しました(笑)。
まさに痛快エンターテイメントでした。少し長いですが、楽しみたいときにいいかもです。ただ、人がわりと死にます。そこは笑えないわけですが、映画だと割り切って。
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