ロシアのウクライナに対する侵攻はまだ先が見えません。先進国ではロシアが悪の帝国という見方が当たり前ですが、世界的にみるとそうでもないのです。2022年3月2日、141カ国がロシアのウクライナ侵攻に関する国連の決議に投票しました。
この投票結果をイギリスの雑誌「エコノミスト」の調査部署であるEIU(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が深掘りしました。それによると、人口比ではロシアを非難するのは世界のわずか36%で、世界全体ではロシアを支援する国のほうが圧倒的に多いことが発覚したのです。
発展途上国やロシアと関係が深い独裁国は人口が多いのですから、世界はロシアを支援しているか中立になってしまうのです。先進国は、実は少数派という事実がなんとも恐ろしいです。ようするに人口数による多数決で「ロシアは悪いか?」と決議をしたら「悪くない」が多数派になります。
これが国単位の多数決になると世界の60%がロシアを非難しているのです。つまり、お金持ちの国ほどロシアを非難しまくりなのです。世界のエネルギー価格がメチャクチャになり、経済が大変なことになっているので当たり前です。そんなロシアですが、お金持ち国から非難されてもまったくめげずに相変わらず我が道を歩んでいます。
それを示すのがロシアの教育です。ハンガリーのニュースサイト「G7」によれば、2023年に発表されたロシアの11年生、いわゆる日本では高校2〜3年生に相当する生徒向けの新しい歴史教科書は完全な「プーチンの視点全開のロシア愛国史感」に染まっているのです。
1956年に起きたソ連支配からの自由を求めて民衆が蜂起した動乱のハンガリー革命では、「フリーダムファイター」を「ファシスト」と呼び、「革命を起こしたのは西欧諸国の秘密警察」だと強く主張。さらにソ連はハンガリー当局を支援したとまで歴史的事実を改ざんしています。
チェコやその他の東欧諸国に関しても同じような調子で、ソ連はそれらの国々の人たちを攻撃しなかったとまで書いてあるのです。プーチンの顧問ウラジーミル・メジンスキーに執筆が委託されており、およそ100ページがプーチン政権時代を語り、1ページが「特別軍事作戦」、ようするにウクライナ侵攻を扱っています。
「1990年代以降、ウクライナの数世代は『ロシアとネオナチ』の思想に対する反感を持って育てられ、ウクライナ軍はNATO (北大西洋条約機構)の命令に従い、自国民を軍事利用している。人間の盾を持ち、居住地から出ることを許さない」とされているのです。
教科書によると、「世界史上、自国の領土でこれほど残忍な戦術を用いた軍隊はない」とのことです。また東欧諸国のソ連派は「歓迎された」と記され、「解放は間違いだった」とも書かれ、ここまで強烈な内容はロシア国内でも議論になっていて若者が驚いているのです。
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