日本では、台湾のトップを「総統」と呼びます。英語にするとプレジデントです。要は大統領です。蒋介石総統はカリスマ的な独裁者でした。独裁政権を続けていましたが、亡くなった後は副総統が後継となり、その後は蒋介石の息子の蒋経国が3代目の総統となりました。
この蒋経国は、父親のような独裁的なやり方ではなく「民主化をすべきだ」と考え、野党の存在を認めます。これにより民主進歩党(民進党)が結成されるのです。蒋経国が1988年に死去すると、その後、総統に就任したのが李登輝です。この人は知っている人も多いでしょう。日本にとってもなじみ深い存在です。
日本統治下の台湾で日本人として生き、京都帝国大学(現・京都大学)で学びました。4代目で初めて、もともとの台湾住民である本省人のリーダーが誕生したのです。 直接選挙で選ばれた最初の総統でもありました。李登輝のもと、台湾ではますます民主化が進みました。李登輝総統は台湾に民主化を根付かせた人物といっていいでしょう。
住民が台湾の総統を直接選挙で選ぶようになり、その後は、国民党が政権を失うこともありました。もともと国民党は本土から来た政党ですし、そもそも「中国は1つだ」という立場ですから、台湾にいても本土の中国と仲良くやっていきたいという思いがあります。
一方、民進党は本省人によってつくられた政党ですから、「われわれは本土とは別」「独立したっていいじゃないか」という思いがあります。しかし「独立」と言ってしまうと中国が怒って軍事衝突になりかねないため、「独立は望まない。 現状維持でいい」という言い方をしています。2024年は、台湾で4年に1度の総統選挙がありました。
過去7回行われた選挙では、国民党と民進党による政権交代が起きています。中国との関係改善を重視する国民党が政権奪取を目指す中、台湾情勢の緊迫に注目が集まっていました。投票が行われた台湾の総統選挙で、与党・民進党の頼清徳氏が550万票を超える票を獲得し、野党の2人の候補者を破って当選しました。
台湾で1996年に総統の直接選挙が始まってから初めて、同じ政党が3期続けて政権を担うことになります。一方、同時に行われた議会・立法院の選挙では民進党が過半数を維持できず、5月に就任する予定の頼氏は難しい政権運営を強いられることになりそうです。
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