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2023年04月07日14:37

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グレース・オブ・ゴッド 告発の時(Grace a Dieu)

 「8人の女たち」「2重螺旋の恋人」のフランソワ・オゾン監督がフランスで実際に起こった神父による児童への性的虐待事件を描き、第69回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞した作品。妻と子どもたちとともにリヨンに暮らすアレクサンドルは、幼少期にプレナ神父から性的虐待を受けた過去を抱えていた。アレクサンドルは、プレナ神父が現在も子どもたちに聖書を教えていることを知り、家族を守るために過去の出来事の告発を決意する。彼と同様に神父の被害に遭い、傷を抱えてきた男たちの輪が徐々に広がっていく中、教会側はプレナの罪を認めながらも、責任を巧みにかわそうとする。信仰と告発の狭間で葛藤するアレクサンドルたち。彼らは沈黙を破った代償として社会や家族との軋轢とも戦うこととなる。(映画.comより)





<2023年4月2日 録画鑑賞>

 見たいと思いながら、録画したままになっていた作品、ついに鑑賞。2時間半くらいあって、少し長かったです。聖職者による性的虐待は、実は早くから指摘されていたのに、教会側の隠ぺいや不適切な処理などで「みんな知ってるけど誰も言わない」存在だと思っていました。しかし、この映画の冒頭、勇気を出して子供の頃に受けた性的虐待を公表した中年男性に対して、神父がつらそうではありましたが「その通りだ」とすんなり認めたことに驚きました。まだ映画はこれから。本人が事実を認めている以上、どこに問題点があるのかと思ったのですが、ここからが本当に長かったです。

 ます、メルヴィル・プポー演じるアレクサンドルは、告発が遅すぎて時効とされてしまいました。そのため、神父を告発するためには、時効とならない若い被害者を探さなければならなかったのです。もちろん、被害者はいっぱいいます。その幼少期の性的虐待のせいで、性器が変形してしまった男性も。同じ方向に愛撫されたからとのことでした。その虐待のトラウマで、まっとうな人生を遅れていない男性も。それでも、今更掘り返されることに抵抗を感じる人もいます。また、アレクサンドルの両親は、息子がそんなことを言い出したことをむしろ恥ずかしいと思っていて、もともとスカウトに参加しているような子供は、裕福なおうちの子弟が多く、アレクサンドルの両親も裕福であることもあって、「いまさらあんな年輩の神父様をひどい目に遭わせるなんて」と、嫌味たらたらです。

 もちろん、当時、年少ながらも両親に被害を訴えた子供もいました。行動に出たご両親だっていたのです。でも、教会は神父の異動でなかったことにしたり、知らぬ顔を決め込んでいたりしたのです。神父は、異動しただけでは、また次の地で少年相手に布教活動を行います。同じことの繰り返しですね。大人になった被害者たちは、もうやめたんだろうと思っていた神父が、いまだに子供相手に布教活動をしていることに愕然とします。そこで立ち上がった人もいて、アレクサンドルの活動は、徐々に仲間を集めることができるようになります。

 それにしても、教皇さまもダメですね。否定はしないのです。しかし、「子供たちの幸せを一番に願っている」とか「そういう犯罪は嫌悪する」とか、抽象的な表現に終始してのらくらのらくら。教職をはく奪するとか、断固とした処置を避けるのですね。なんなのでしょうね。結論から言いうと、かなりの仲間が集まって果敢に戦ったものの、例の神父の裁判はまだ続いているらしいです。手間取っていますね。本人も認めているのに。細かいことを詰めるのかもしれませんが。

 しかしながら、加害者の神父も「私の小児性愛は病気だ。自分でもわかっていた。罰して欲しい、何とかして欲しいと上司に何度も掛け合ったが無視された」と述べていました。もちろん、彼のやったことは許されません。でも、ここまで来ると、彼も多少かわいそうには思います。でも、やっぱり子供は、守らなければ。
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