アメリカのバイデン大統領が、公式日程になかったウクライナのキエフ訪問を電撃的に行ないました。バイデン大統領はポーランド国境から10時間かけてキエフを訪問し、5時間滞在した後、再び10時間かけてポーランドに戻ったと言うことです。
アメリカ側のマスメディアは、バイデン大統領が飛行機を使うこともできたのに、列車の旅を選んだかのように報道されていますが、間違いでしょう。バイデン大統領は列車で行くしかなかったのです。それは、何度も書きましたが、ウクライナ全土の上空は開戦直後からずっとロシアが制空権を握って飛行禁止区域に設定しているのです。
バイデン大統領が飛行機で移動したらロシアのミサイルに撃ち落とされる可能性があったのです。開戦後キエフを訪れたEU諸国などアメリカ側の要人たちは、全員が片道10時間かけて入国しているのです。加えてアメリカ政府は、バイデン大統領のウクライナ訪問を事前にロシア政府に通告することで安全度を高めました。
ロシアがウクライナ滞在中のバイデン大統領を攻撃しなかったことは、この戦争におけるロシアの余裕を表していることでしょう。ロシアは、ウクライナとの戦争が長引くほど、欧米が経済的に自滅して相対的・地政学的にロシアが優勢になるので、この戦争が延々と続くことを望んでいると田中宇先生は指摘しています。
欧米は軍事費の多くを使ってウクライナに送る兵器を増産していますが、ロシア軍に壊されるので追いつきません。軍事費が浪費され、欧米の国家財政は疲弊しています。EU諸国はロシアからの石油ガス輸入を止めたので燃料費が高騰し、国民生活が悪化しています。
その分の経済支援を政府財政から拠出したいのですが、軍事費にまわってしまい政府はお金がありません。燃料費の高騰で不況がひどくなっているので、アメリカ経済が好景気だという報道がありますが間違いで経済統計も歪曲されていると言います。
アメリカでも、もうウクライナを支援すべきでないという世論が強まり、その世論を支持する共和党が強くなっています。バイデン政権や民主党は方向転換を余儀なくされています。この流れの中で、バイデン大統領がキエフを訪問しました。
今後のウクライナ侵攻が、数か月で終わるかどうかは疑問です。ウクライナ分割の容認による停戦和平は、ロシアの勝利と、アメリカやNATOの敗北を認めることであり、欧州エリートの信用失墜・権力と覇権の崩壊を引き起こすので、欧米の支配層は、自分たちの政治的な死につながる停戦和平を認められないことでしょう。
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