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2022年11月27日08:49

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人工知能VS人間

将棋やチェス・囲碁などの対戦では人間より人工知能の方が勝率を上回るようになりました。「政府は就学前教育に助成金を交付すべきであろうか。」IBMの人工知能が人間のディベート・チャンピオンであるハリシュ・ナタラジャンと行ったディベートのテーマです。

人工知能システムは、過去8年間に出版された約4億件もの新聞や雑誌等により自分の主張を組み立て、相手の反論も予測しつつ、一貫して筋の通った主張を行ったのです。さらに、貧困家庭のためにプリスクールに助成金を出すことは有益だと主張しました。

その中で「まあ、私自身は貧困を直接体験できる立場にありませんし、自分の状況について文句はありませんが、それでも貧困については意見があるのですよ」と冗談までも言ったのには驚きました。技術の進歩の速さを確信するニュースでした。

ディベートのルールは、開始15分前にテーマを発表します。各人が4分間の基本主張を行い、その後4分ずつ反論を展開します。最後に2分ずつ結論を主張して、聴衆がどちらの立場を受け入れるかを、ディベート前後に投票するというものです。

人工知能システムが、助成金賛成派、人間のハリシュ・ナタラジャンが助成金反対派として議論を戦わせました。投票結果は、討論開始前の助成金支給賛成79%、反対13%です。討論終了後の助成金支給賛成62%、反対30%となりました。

勝者は、多くの人を説得し意見を変えさせることができたとして、助成金支給反対の立場で主張を展開したナタラジャン氏となりました。一方で、別の見方もあります。「主張を聞いて知識が豊かになった」と答えた聴衆は、人工知能58%、ナタラジャン氏20%だったのです。インプットされた膨大な情報をもとに議論を展開した人工知能の主張の方が、知識が豊かになったと聴衆が感じるのは納得です。

では、知識としては劣っていたはずのナタラジャン氏が、17%の聴衆を賛成から反対に変えることができたのは何故なのでしょうか。この問いに、アダム・グラント氏の著書の中で、ナタラジャン氏の相手を圧倒しない慎重なアプローチを以下のように述べています。

「同意できる点を指摘し、相手の主張にも一理あることを認める。そうすれば、こちらは自信と謙虚さのバランスを取ることができ、相手も同様の態度をとるようになるだろう。こちらの主張を支えるのは、理路整然として説得力のあるごく少数の根拠だけでいい。」

「そうすると、相手はこちらの主張に耳を傾け、自分の見解を疑問視するようにもなる。そして、こちらがシンプルな問いを投げかければ、相手は興味をそそられ、答えを探ろうとする。こちらの正当性を相手に納得させる必要はない。肝心なのは、相手の心を開かせること。」

そして、ディベート・チャンピオンであるナタラジャン氏は、傾聴の重要性について、こうも語っています。「議論はたいてい、必要以上に闘争的、敵対的に交わされています。相手が何を言っているのか、きちんと聞こうとする姿勢が必要ですし、相手の意見を正当に評価すべきです。そうすると、あなたはすべての事柄を考慮に入れる、理性的な人と相手に思ってもらえるでしょう」

議論を深めることで、さらに良くする。対立する考え方から、より高い次元の答えを導き出す。これらができるのは、人間だからこそ出来るのです。これをSNSの書き込みやホームページの掲示板でも活用できればと日々精進致します。(笑)

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