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2022年10月17日09:08

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「うつし世は夢、夢こそまこと」乱歩の池袋

■池袋サンシャイン乱闘騒ぎ、「チャイニーズドラゴン」が出所祝いか
(朝日新聞デジタル - 10月17日 07:32)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7150880

巣鴨プリズンのことは、みなさん、ご存じでしょう。
ここから、かろうじて徒歩圏内の護国寺に住んでわかったのですが、

池袋一帯は、
時折、乱歩の小説の舞台になることがあります。
乱歩は、立教大学の隣に住んでいましたから、当然といえば当然でしょうが、乱歩が池袋を舞台として選ぶとき、その小説が特別のものとなったと考えるのは、私だけでしょうか。

たとえば、西口には、『孤島の鬼』の諸戸道雄(帝大医学部を出ているが研究職にもつかず開業もせず、動物実験による世にも不気味な研究をしている医学者)の研究室があります。

【 …もう七月の中旬に入っていて、変にむし暑い夜であった。当時の池袋は今の様に賑かではなく、師範学校の裏に出ると、もう人家もまばらになり、細い田舎道を歩くのに骨が折れる程、まっ暗であったが、私は、その一方は脊せの高い生垣いけがき、一方は広っぱといった様な、淋しい所を、闇の中に僅わずかにほの白く浮き上っている道路を、目を据えて見つめながら、遠くの方にポッツリ、ポッツリと見えて居る燈火をたよりに、心元こころもとなく歩いていた。まだ暮たばかりであったが、人通りは殆どなく、たまさかすれ違う人があったりすると、却って、何かもののけの様で、不気味な感じがした程であった。
 先に記した通り、諸戸の邸は仲々遠く、駅から半里はんみちもあったが、私は丁度その中程までたどりついた頃、行手に当って、… 】

また、東口方面では、『防空壕』という小説があります。
これまた、とても素晴らしい小説ですが、筋を言うとネタバレもいいところなので、言えません。

ともに、古層と新層が反転して作り上げる「夢」がテーマです。
そしてその二つが入れ子状に屈折するという物語ですが、池袋に現れる登場人J物は、善悪の彼岸にあります(『防空壕』の舞台は、厳密には、大塚辻町ですが)

乱歩が神楽坂付近の筑土八幡町、戸塚などを経て、立教の近く住むのは昭和九年からです。ということはサンシャインのまだ監獄と死刑の設備があり、有名なところでは、ゾルゲや尾崎秀美が死刑に処されています。しかし、
おそらく、乱歩にとって刑場が存在するなど、表層のことでしょう。
それ以上に深いものを見たからこそ、舞台として選んだのだと思います。

半ぐれ、それも中国系が宴会を開いて乱闘とは、乱歩が聞いたら、さぞや嘆くことでしょう。『孤島の鬼』『防空壕』のような情念ではなく、金で離合集散を繰り返しているグループだからですし、日本の若者が覇気を失った象徴でもあるからです。

『孤島の鬼』
https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/card57849.html

『防空壕』
は、青空文庫ではまだ作業中でしたが、
https://w.atwiki.jp/amizako/pages/579.html
にあります。比較的短いです。

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