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2022年04月21日18:28

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藤原不比等・・・

 僕はNHKBSの「英雄たちの選択」をよく観ています。
 昨夜は、藤原不比等を取り上げていました。
 不比等は、大化の改新を進めた藤原鎌足の二男です。
 飛鳥時代の日本では、極めて重要な人物だったと思っています。
 番組では、古代日本のプランナーとして、
 我が国初の体系的な法律と国の歴史書の制定に深く関わり、
 日本の「原型」を作り上げた人物として捉えていて、面白かったです。

 出演者は、磯田道史さん中山里奈さんの外に
 漫画家の里中満智子さん、奈良文化財研究所の馬場基さんでした。
 この番組の古代史には里中さんがよく出て来ますが、
 実際の研究者ではないですし、コメントなども平凡です。
 他にもっと相応しい人がいると思うのですが。
 不比等に相応しい人だと思うのが馳星周さんです。
 馳さんは、「不夜城」で鮮烈なデビューを果たし、
 暗黒小説と言われる作品が多かったですが、
 「少年と犬」で直木賞を得ています。
 その間に歴史小説も書いていて、「比ぶ者なき」で不比等を描いています。
 持統天皇から聖武天皇に繋がる天皇の擁立で、暗躍した様子を描いていて、
 僕は傑作だと思っています。
 不比等の後妻が橘三千代で、皇族である美努王の妻だった女性で橘諸兄の母です。
 磯田さんは、皇族の妃を後妻にするとは前代未聞だと言っていましたが、
 それだけ魅力のある女性だったのでしょうし、
 前代未聞を押し通してしまう不比等の力を示すものだと思います。
 「比ぶ者なき」では、不比等とのコンビもよく描かれていました。

 番組では、ビデオで京都産業大学の森博達名誉教授が出演していました。
 冒頭日本書紀を中国語で読むシーンがありましたが、
 日本書紀の一部は正確な漢文で書かれています。
 森さんは、『日本書紀』に用いられている万葉仮名の用法から、
 α群(巻14-21、24-27)とβ群(巻1-13、22・23、28・29)に区分し、
 α群の万葉仮名が当時の中国語の発音を反映していることを立証しています。
 α群の本文が概ね正確な漢文で書かれているのに対し、
 β群は高麗や日本語的特徴を持っていて、
 森さんが著した『日本書紀の謎を解く 述作者は誰か』で、
 α群を中国からの渡来人である続守言と薩弘恪の執筆、
 β群を新羅に留学した学僧山田史御方が書いたものと推定しています。
 この本のあとがきで、
 「私はこの本を書くために生まれてきた。」と言い切っています。
 森さんの説に対しては、馬場さんが、別の見解もあると、
 やんわりと批判していましたが。

 高千穂の峰に降り立った瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は、
 天照大神の孫であるから天孫降臨と言う訳ですが、
 これは持統天皇の孫である文武天皇の擁立のために、
 作った話であると述べています。
 天照大神は持統天皇が投影されているとの説がありますが、
 日本書紀にこのような書き換えを命じられるのは、不比等以外いないでしょう。
 更に文武天皇が夭逝し、その子の聖武天皇が幼少であったため、
 文武天皇の母親である元明天皇が初めて皇后を経ない異例の形で即位します。
 この時、初めて天皇の継承については、不改常典で定まっていると宣言しますが、
 そのような定めはなく、これも不比等の創作だろうと言っていました。
 磯田さんが、
 当時の貴族たちは文字も読めないし、意味など分からなかっただろうと
 言っていましたが、納得してしまいました。
 この不改常典は江戸時代まで使われていました。
 因みに、元明天皇の後を元正天皇が継ぎますが、
 これは母親から娘への女系承継になりますので、
 よく言われる男系継承のみとするのは正しくはありません。

 僕は歴史が好きなので、ツボに嵌ってしまい、少し長くなってしまいましたが、
 とにかく藤原不比等は面白い人物だったと思います。
 4月27日の午前8時から再放送がある予定です。
 時間的に視聴が難しいかも知れませんが、
 オンデマンドでご覧になれる方もいるかも知れませんね。
 

【今日の一句】
 載せてくれ 投書すれども ボツばかり


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