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2022年04月03日15:58

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クレッシェンド 音楽の架け橋(Crescendo - #makemusicnotwar)

 世界的指揮者のスポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くという企画を引き受ける。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスを掴んだ20余人の若者たち。しかし、戦車やテロの攻撃にさらされ憎み合う両陣営は激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合い…少しずつ心の壁を溶かしていく若者たち。だがコンサートの前日、ようやく心が一つになった彼らに、想像もしなかった事件が起きる――。(公式ウェブサイトより)





<2022年3月27日 劇場鑑賞>

 数日前に「ベルファスト」という映画を見て、「どうして同郷の人たちでこんなに争うのだろう」と悲しくなりました。もちろん、朝鮮半島を例に出すまでもなく、そういう事例はたくさんあるとは思いますが、やっぱり心が痛くなります。今回の映画も、イスラエルとパレスチナの根深い歴史により、みなが素晴らしい才能を持ちながら、そして同じように惹かれあいながらも、やっぱり上手くいかない現状を浮き彫りにします。なんて悲しいのでしょう。もちろん、今までの争いの中で親族が殺されたりと、許せない記憶をそれぞれが持っているわけで、一朝一夕には改善されるはずがないのはわかるのですけど。そしてそれは「いつから、どちらが、なぜ」とか言う根源論になってしまうので、ますます不毛なんでしょうけれど。

 どこの争いでもそうなんでしょうけれど、一個人はみんないい人。今、争っているロシアとウクライナでも、たぶんどちらに知り合いがいてもいい人なんです。それでも、人類は争う。なぜか、争う。この映画も、素晴らしい音楽が心の壁を溶かすか、と思いきや、コトはそんなに簡単には運びません。また、今回の企画に乗ったマエストロだって、自分の両親が戦時中に行ったことについて、深い深い心の傷を持っているのです。歴史を消すことはできません。でも、人は人生を後戻りすることはできないのだから、とにかく前向きに進むしかないと思うのです。それが難しいのでしょうけれど。

 一つ、個人的に少し驚いたのは、パレスチナ側から参加する女性レイラの母親の表情のきつさ。なんであんなに怖い顔立ちになるのだろうと思いました。何もしていなくても吊り上がった眉と目。常に怒ったような口調。自分の母親もそういう人だったので、驚くことはないのでしょうけれど、もう離れて長いので、今更ながらに見ていて辛かったです。今の私なら、こんな顔立ちの人に話しかけない。避ける。それだけ過酷と言ってしまえばそうなんでしょうけれど、他の人はそんなでもなかったから、やっぱり人となりだと思う。話も辛かったけれど、ここが一番しんどかったかな。

 ラストは、あるいは希望と言えるのかもしれません。まだわからないですけど。
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