■高安が取り戻したパワフルボディー 稀勢の里がいなくても
(朝日新聞デジタル - 03月20日 21:46)
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大相撲三月場所九日目、全勝で賜杯レースの先頭を走る元大関の東前頭七枚目の高安は西前頭十枚目碧山との押しと往なしの応酬の激しい攻防から左差し、右で押し出しに退け初日から負けなしの9連勝。一敗で追走する新大関の御嶽海は西前頭二枚目玉鷲を寄り切り、新関脇の若隆景は東前頭二枚目の巨漢逸ノ城を粘った末に寄り切りに仕留め、西前頭六枚目の琴ノ若も東前頭九枚目の翔猿を押し出して星一つ差を守った一方、二敗グループにいた角番の大関貴景勝は西前頭四枚目遠藤の寄り倒しに屈し、関脇阿炎も東前頭五枚目の宝富士を喉輪で起こしながら左差しに不用意に引いて呼び込み押し出しに屈してそれぞれ三敗に後退、一敗グループの3人の後に星二つの差がつく展開となりました。
さて、全勝の高安ですが、今日の対戦相手は過去10勝12敗とやや苦手とする西前頭十枚目の碧山。立ち合い、押しと往なしの応酬の激しい攻防から左差しとし、碧山に蹴返しを仕掛けられながら右で一押し、勝負あり。38秒8を要する長い相撲となりましたが、碧山を叩いて呼び込み、土俵際に追い込まれる場面もあり、NHKテレビ向正面解説の錣山親方(元関脇寺尾)は「余計だったから今後忘れるべし」と指摘、八角理事長(第61代横綱北勝海)は「お互いに辛抱していい相撲だった。今場所はあきらめない気持ちが強い。叩いたのは危なかったけど、よく残しましたね」と評価はしながらも「危なかった」としていました。明日は小結の豊昇龍と顔が合い、このまま星を伸ばせば三大関とも対戦が組まれるのではと思います。「気を引き締めて、対戦相手に関わらずしっかり研究して相撲を取りたい」と決意も新たにしているようですが、終盤に迷走して賜杯を逸したこともあるだけに、引き締めて残り六番に臨みたいところでしょう。
一方、一敗の3人は、それぞれの持ち味を生かした土俵を見せ、勝ち越しを決めました。琴ノ若は東前頭九枚目の翔猿を相手に差せない立ち合いも慌てずに突き離して正面に出て、土俵際で翔猿に両差しを許すも左小手で振り、集中力を切らさず押し出し。取組後のコメントは「しっかり相手に対応しながら前に進む相撲を取れている」だそうです。
また、新関脇の若隆景は体重200kg超えの巨漢である東前頭二枚目の逸ノ城が今日の相手。逸ノ城の差し手を嫌って回り込み、右を深く差して廻しを与えず、左で相手の右差しを阻みながら頭をつける展開。逸ノ城に差した右を抱えられて苦しい体勢となって動きが止まりましたが、逸ノ城に攻め手がない中で攻め急がず、左を巻きかえ両差しとなって一気に出て、寄り切りで勝負あり。2分を超える長い相撲については「よく我慢できたと思います。しっかり自分の相撲に集中できた」とのことですが、八角理事長は「立ち合いは考えていた。逸ノ城の張り差しを少しズレて食らい付いた。作戦通りだったろう」とその立ち合いに注目した一方、動きが止まった場面について「今場所は調子がいいから最後まで集中力があったけど、あそこでもう少し早く攻めたい。そうすれば上が見えてくる」と、攻めの遅さには苦言を呈していました。また、玉ノ井親方(元大関栃東)からは「元々相撲がうまい力士だが、最近は力強さが出てきた。押されても押し返せるようになったし、回り込むのもうまい。ただ、気になるのは土俵際で残そうとしたときに体を反り気味にして取る癖があることだ。怪我につながりやすいから注意した方がいいだろう。」との指摘もあり、期待が大きいゆえに苦言や提言も大きくなっているのではと思います。
そして、新大関の御嶽海は過去26勝3敗ながら横綱照ノ富士と大関正代に土をつけている西前頭二枚目のベテラン玉鷲が相手。低い立ち合いの大関は玉鷲の突き押しを何発も食らい、下からあてがいながら廻しを探る土俵際に追い込まれる展開に。ここで咄嗟に左に往なした御嶽海は漸く前褌に手が届き、左差しから一気の寄り切りで勝負あり。八角理事長は九日目の勝ち越しについて「立派だ。ほっとしないで、一敗だからこのままいってほしい。」とコメントしていました。
その他。大関貴景勝は西前頭四枚目の遠藤相手に右差しを許して左から小手に振って呼び込んだところを呼び込んでしまい寄り倒しに屈して三敗目。八角理事長「貴景勝は焦っていたし、下がっては駄目だ。」とのこと。貴景勝と並んで角番の大関正代はこれまで対戦成績0勝4敗の小結豊昇龍に右差しを許し土俵際に攻め込まれながら左巻き替えで踏みとどまり、豊昇龍の投げに乗じて差し手から逆襲、寄り切りで三連勝、四勝目を挙げました。
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