「富嶽三十六景」など生涯を通して3万点以上の作品を描き残したといわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を、柳楽優弥と田中泯の主演で映画化。町人文化が華やぐ江戸の町の片隅で、食うこともままならない生活を送っていた貧乏絵師の勝川春朗。後の葛飾北斎となるこの男の才能を見いだしたのが、喜多川歌麿、東洲斎写楽を世に出した希代の版元・蔦屋重三郎だった。重三郎の後押しにより、その才能を開花させた北斎は、彼独自の革新的な絵を次々と生み出し、一躍、当代随一の人気絵師となる。その奇想天外な世界観は江戸中を席巻し、町人文化を押し上げることとなるが、次第に幕府の反感を招くこととなってしまう。青年期の北斎を柳楽、老年期の北斎を田中が演じ、重三郎役を阿部寛、人気戯作者・柳亭種彦役を永山瑛太、歌麿役を玉木宏をそれぞれ演じる。監督は「探偵はBARにいる」シリーズ、「相棒」シリーズの橋本一。(映画.comより)
<2021年6月1日劇場鑑賞>
予告を見て興味を持ちました。かつて緒形拳バージョンとか、いくつか予告を見た記憶はあるのですが、今回のはとてもインパクトがあって「見よう」と思いました。個人的に田中泯が好きだった、というのもあるのですが(なんといっても「メゾン・ド・ヒミコ」)。
迫力のある映画でした。才能のある絵師たちだけではなく、画商の阿部ちゃんも気骨のある男で。印象的だったのは、江戸のとある料理屋で、阿部ちゃんが催した宴会。彗星のように現れた東洲斎写楽先生をもてなす場だったのですが、いちばん末席には貧乏絵師の北斎。すると、突然歌麿が現れます。呼ばれてなかったのですが、どこかで聞きつけたのでしょうね。画商たちが必死に取り繕うなか、上座に座っていた写楽がサッと席を譲り腰をかがめて歌麿先生に酌をします。その身のこなしの早さ。ひねくれのなさ。もちろん、写楽のほうが若いし歌麿はすでに名声を得ていた先生だったわけですが。写楽は謎に包まれた人物だったらしいですが、やや攻撃的だった北斎に比べて”育ちがいいのかなぁ”と思わせる描写でした。
どの役者もすごい上手で、演技合戦のようでした。ただ、映画自体はやや冗長な感じがしました。もう少しタイトで見やすい尺にできたのではないかなぁ、というのが正直なところです。それにしても北斎は90歳近くまで生きたのですね。あの時代にすごい生命力。やっぱり違うなぁ。そういうことも含め、上に挙げた3人が江戸で一堂に会していたことなど、知らないことてんこ盛りで、大変勉強になりました。時期的に新しい日傘が欲しいと思っているのですが、北斎の日傘がないかなぁ、と少し考えた私でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する