「小さなベニス」とも呼ばれるイタリアの港町キオッジャを舞台に、異国の地で出会った年齢も育った環境も違う2人の男女が交流していく姿を、詩情溢れる映像とともに描くヒューマンドラマ。運河と漁師の町キオッジャの酒場で働きながら、いつか中国に残した息子を呼び寄せようと願っている女性シュン・リーは、スラブ系移民の年配男性で「詩人」と呼ばれているベーピと知り合う。2人は互いの故郷や家族の話を通して孤独を分かち合い、打ち解けていくが、古くからの人々が住む小さな町では、2人の関係はたちまち良くない噂として広まってしまう。主演はジャ・ジャンクー作品のミューズとして知られるチャン・タオと、ベネチア映画祭男優賞受賞作「ビフォア・ザ・レイン」のほか、「バットマン ビギンズ」「96時間 リベンジ」などで国際的にも活躍する旧ユーゴスラビア出身のラデ・シェルベッシア。(映画.comより)
<2019年4月29日録画鑑賞>
小粒な作品でしたが、良作でした。中国の人って、本当に世界の至る所にいるのだなぁ、と感心すると同時に、渡航費からすべて借金で、必死に働いて、いつまでという明瞭な当てがなくても、それでも言いなりに働いて返して、そんなにしてまで外国に来るのだなぁと思ったり。小さな息子をいつか呼び寄せるということは、出稼ぎではなくて移住。外国って、住みづらいことないのかな。中国で生きるよりマシなのかな。生きてゆくって、本当に大変。
そんな心の底の”異国人感”は、やっぱりいくつになっても、長く住んでもぬぐえなくて、だから旧ユーゴスラビア出身のベーピと中国人のシュン・リーは詩を通じて心通わせます。でも、みんな邪推するんです。「女なんて、中国マフィアの手先じゃないのか」とか、「地元の人たちとごたごたを起こしたら、国に送還するぞ」とか。なんてことのない一介の女と年寄りなのに。
で、急に遠いところに飛ばされるシュン・リー。仲良しだったルームメイトとも離れて。でも、働くしかないんです。借金返さなきゃ、息子呼べないですから。
<ここからネタバレ>
飛ばされた先に息子が訪ねて来ます。えっ!と思っていると、誰かが借金を払ってくれたんだそうです。そっか・・・。そして、落ち着いてから久しぶりに漁師町を訪ねるシュン・リー。でも、ベーピの姿はありません。彼もまた、そこから逃れていたのです。その後、二人が会うことは多分ないのでしょう。でも、わかってますよね、たぶんあれはベーピがやってくれたことだと。彼もずっと二人で詠んだ詩を覚えているのだろうと。
ログインしてコメントを確認・投稿する