mixiユーザー(id:8729247)

2021年04月19日08:37

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そう思っていたんだねぇ

この奥さんが言ったことは、全部彼女がそう思っていたことなんだわ。

こどものないご夫婦をみて「人類のサークルの輪に入れないやつら」と思っていた。
低能でも子を持っている同級生をみて「こいつらにできること自分には簡単」と思っていた。

不妊治療を専門にしてた経験のあるワシにとっては
実は「よくある思い込み」なんだけどね。
つまり「今は子がいないけどそれは自分たちが選択したから」であって
「子がほしいと思ったらすぐにでもできる」というやつ。

で、できないから一回ちょっと錯乱して、その後冷静になって
「不妊治療とかいうちょっとしたアドバイス」を受けにやってくる。
最近はかなり一般的になってきたけど、ワシが不妊治療やってた時代は
「不妊治療を受ける」と他人に知られるのは恥だったので、
不妊治療病院はわざわざ他の診療もやってた。
高度な専門性のある分野なので今はほとんどが「専門クリニック」だけれど、
前は「専門クリニック」は嫌われたんですよ、ええ。

まあそれはいいとして。
で、ひととおりの基礎検査をして「別に問題なし」なのか
「夫の精子に問題あり」「妻の排卵などに問題あり」なのかに分かれる。
ただし「問題なし」は「今の医学ではわからない問題がある」可能性もあるので、
一応、妻の排卵周期にあわせた人工授精など行うのが普通。
でもまあ、「問題はないって言われたんですけどね一応」と余裕ができる。
ココロの中では「問題ないのになんでこれまでできなかった?」が渦巻くけど見せない。
人工授精の段階で妊娠できたら(もしくは治療休みのときたまたま妊娠したら)終了。
ココロの渦巻きも自然消滅する。

もし「人工授精程度(7,8回かな)では妊娠できない」とすると
「問題なし」ではない可能性が高くなるので対外受精(顕微授精含め)の段階に上がる。
この段階だと「卵子に精子が侵入できない」とかいろいろ、新たにわかることもある。
問題がわかれば解決できることもある…できないこともある。

初期検査で、精子卵子排卵周期などに明らかに問題がある場合、
その解決をまずやる。
排卵してないなら誘発剤、精子の質が悪ければ遠心分離、
妊娠できないと体外受精、顕微授精に進む手順はほぼ同じだが、
初期に「特に問題なし」と言われた場合よりも粛々とこちらの説明を聞いてくれる気がする。
「こどもできないのは病気があったから、病気を直せば妊娠できるんだ!」
みたいな熱い期待を感じることも多い。

でも病気は、治らないこともある。
不妊症が他の病気と違うのは「悪化しても命にかかわらない」ことだけ。
むしろ、妊娠すれば女性の命はかなりの危険にさらされる。
生き延びても身体的に犠牲にされる部分が大きい。
それでも妊娠したがる、女という生き物はすごい!と自分は思うけど。

もう一度書く。
病気は治らないこともある。
不妊症に関しては、全体平均で全患者の30%しか妊娠できない。
つまり70%の方々は時間とお金を使った上に子も得られず病院を去っていく。
…そのイメージに耐えられなくてワシは不妊症専門医をあきらめたが、
専門医をやっている先輩、同級生、後輩は、その30%だって
自分たちがいなければ子が持てなかった、という誇りを持って治療にあたっている。
偉い。

不妊症治療に100%効果がある薬がもしあるとしたらそれは
「こどもがほしくなくなる薬」だと思う。
こどもがほしくない人は、たとえ不妊原因になる疾患を持っていても
不妊症患者には分類されない。
こどもをほしいと思うのは本能なので、「ほしがらなくなる」のはとても難しい。
だけど、「誰でも妊娠できる」というのは思い込みで事実じゃない、と知ってほしい。
妊娠できるのは当たり前でもなんでもない、妊娠できるという能力なのだ。
スーパーマンじゃないんだから、誰でも何の能力でもある、わけじゃないでしょ。



■不妊治療に300万円。心が壊れた妻は「これは何の罰?」と号泣した
(女子SPA! - 04月18日 16:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=156&from=diary&id=6488445
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