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2020年11月30日22:41

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THE CAVE サッカー少年救出までの18日間(原題:นางนอน(ナンノン)英題:The Cave)

 2018年、豪雨のため洞窟に取り残されたタイのサッカーチームの少年たちが奇跡的に助け出され、全世界でニュースになった救出劇を映画化。タイ・チェンライの洞窟に立ち寄った少年サッカーチームの12人とコーチが、豪雨による浸水で洞窟の奥深くに取り残された。彼らが洞窟の入口から4キロも離れた地点でようやく発見されたのは遭難から9日後のことだった。しかし、救出に向かうための洞窟内は数カ所が完全に水没し、穴の大きさも人がやっと1人通れる程度の狭さで、救出作業は困難を極める状況だった。やがて少年たちの命に危機が迫る状況の中、世界中から集まったケイブ・ダイバー(洞窟潜水士)たちによる救出劇が始まるが……。監督はタイ・バンコク出身のイギリス人監督トム・ウォーラー。(映画.comより)









 こんな小作品が、よくぞ田舎に降りて来てくれました。見れてよかった!この事件のことは、当時大きなニュースにもなりましたし、知っている人も多いでしょう。でも、こうやって現地の人が、ダイバーなど本人たちにも出演してもらって綿密に作り上げた映画を見ると、本当に知らないことも多かったんだなぁと反省させられます。

 救助隊員に一名の犠牲が出たことは、当時も大きく報じられました。無知な私は「現地の、経験少ないダイバーの勇み足だったんだろう」くらいに思っていました。ところが実際は、元特殊部隊員の男性だったのですね。これほどのプロが途中で気を失うって、どれほど過酷だったのだろうと冒頭からおののきました。アホな私は「なんでもっとさっさと助け出せないのだろう」などと少し思っていたわけですが、大変申し訳ない。これほど難しいとは。

 そもそもこの洞窟は立ち入り禁止でした。それが何らかの理由でコーチ共々子供たちが侵入し、予期せぬ大雨によって浸水。外に出られなくなってしまいました。外に止めてある自転車などで、ここに子供たちがいるとわかってすぐに普通のポンプなどで排水するも焼け石に水。地理に詳しい教授などの尽力で、業者が業務用大型ポンプを持ち込むころには、役人や警察・レスキュー隊、お坊さんまでが入り乱れて集まっていて、「ここに入るには役所へ行って許可を取ってこい」とたらい回しされる始末。第一歩からなかなか行き詰っています。このポンプが装着されてやっと大量の水が排出できたのは数日経ってから。しかし、水かさが減っても子供たちがいる場所まではかなりあり、所々に顔を出した空間に酸素ボンベを置きながら、また潜って奥へ進む、また空間で顔を出す、という具合に、所々でしか顔を出せない上、子供たちがいるのは”9番目の空間”なのです。まず各空間に酸素ボンベと交代のダイバーを配置しながら、徐々に奥へと進めます。しかしながら、子供たちを助けるためには、いくら呼吸装置をつけると言っても、彼らももぐったり上がったりさせなければなりません。しかもかなりの距離を。これでは、いつパニックを起こすかわからない。そこで、救助の時には鎮静剤を筋肉注射し、いったん眠らせることになりました。が、ドクターは潜れません。ダイバーが注射するしかない上、距離があるため途中で目覚めてしまう。現場の判断でダイバーが追加注射しなければならないわけです。決まった一回量はきちんとシリンジに入れられているとはいえ、これはかなりのプレッシャーです。でも、やるしかありません。手に汗握る展開でした。

 当時、ニュースを見ていたので、子供たち全員が助かることはわかっています。それでも、”今に誰かが力尽きるのではないか”とか、”鎮静剤が過量になって誰かの心臓が一時止まるのではないか”とか、終始ハラハラし通しでした。心臓に悪い。結果を知らなければ、見ていられなかったかもしれません。世の中はきれいごとばかりではないとは言え、よくぞ全員助かってくれました。

 ところで、この映画で初めて「洞窟ダイバー」という職種があることを知りました。また、子供たちを一人ずつ救出していくときに、ダイバーが「コーチ、誰から行く」と尋ねたら「〇(名前)と〇。一番遠くから来ている」と答えます。すると、辛い状況にもかかわらず子供たち、うんうんとうなずいて賛同するのです。なんて健気な。涙が出ました。

 大量の水を排水したことで下流の水田は水浸し。でも、農家さんたちは「補助金はいらない。子供たちの救出に使って」と申し出ます。また、ある神話に基づく女神を祀る洞窟だったため、由来のある僧侶が出て来てお祈りをしたり、女性たちが舞を奉納したり。お国柄を感じました。たくさんの人が集まっているからって、宝くじを売っている輩もいましたけどね(笑)。

 私は性善説の持ち主なのですが、今回の映画はそれを確信させられるものでありました。犠牲者が一人出たのはとても残念でしたが、彼が勇敢だったことは後々まで語り継がれることでしょう。また、世界中から集まった有志の人たち(ダイバーなど)の勇気には脱帽と共に感謝です。偉大な有志たちに乾杯!
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