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2020年11月05日16:21

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ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン(House of Cardin)

 モードを民主化した天才ファッションデザイナー、ピエール・カルダンの波乱万丈な人生に迫ったドキュメンタリー。業界で初めて大衆向けプレタポルテに本格参入し、未来的なコスモコール・ルックで若者たちを熱狂させた革命児ピエール・カルダン。ファシズムが台頭する祖国イタリアからフランスへの脱出、先鋭的すぎるためにファッション界から敬遠された苦悩と反撃、女優ジャンヌ・モローとの運命的な恋、劇場運営や高級レストラン「マキシム・ド・パリ」の買収など、波乱に満ちた97年間の記憶を、今なお現役で活躍するカルダン本人が語る。さらにジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、森英恵ら豪華ゲストたちの証言や秘蔵映像を通し、カルダンの輝かしい軌跡とチャーミングな素顔を浮かび上がらせていく。(映画.comより)









 ピエール・カルダン氏、御年98歳、まだまだご健在です。映画の最後「今度は塔を建てたい」とおっしゃられてました。すごすぎる意欲。私はトランプ大統領でも「すごいなぁ、いつもエネルギッシュだなぁ」と感心していましたが、まだひと世代上。やっぱり長生きする人って、それだけのことはあるのですね。

 私が子供の頃、周りには「ピエール・カルダン」の文字があふれていました。私は貧乏な育ちなので、本来ブランド物には縁がないのですが、それでも「どこかでもらった」とか「だれかが持ってた」とか何かしらの理由で目にすることは多く、母が「これはピエール・カルダンなのよ!」と最初に力んでいたので、子供ながらに「高価なものなのだろう」と思ってました。まぁ自分で買ったことはないわけですが(笑)。でも確かにカラフルだった記憶です。

 映画を見る限り、彼は才能と運を持っていただけではなく、並々ならぬ意欲があったようです、何に対しても。例えば、美男子に生まれてきたことは運以外の何物でもありません。でも、前向きに貪欲に生きる人には運も味方するのでしょう、何も知らずにパリまで出た彼は、道に迷った末、これから紹介されるべきだった相手にばったり会い、「どこへ行くんだ」と声をかけられるのです。「○○さんを訪ねます」「それは私だ」みたいな感じです。思いっきり間違った道を歩いているのに、です。そして、一つのことに目途がつくと、すぐにまた新しいことにチャレンジ、どんどん前のめりで、一つ成功すればまた次の目標、また次の目標です。凡人な私なんかは、見ているだけで疲れるほど。これだけのことをやってのける、それは才能もあったのでしょうが、かなりの気力・体力も必要だったはず。すごいなぁ、と思います。

 映画を見ていて驚いたのは(って私が知らなかっただけですが)、ジャンヌ・モローといっとき一緒だったこと。劇中のモローがインタビューに答えてました。「彼の子供を産みたいと願ったわ。でも叶わなかったのよ、それだけのこと」って。少し前に亡くなってしまったジャンヌ・モロー。個人的には大好きでした。決して美形ではないのに、得も言われぬ色気を醸し出す少し厚めの唇。どこまでも自立していて男になんか媚びてないのに、尽きないかわいらしさ。歳を取っても失わなかった貴婦人のような高貴さ。「死刑台のエレベーター」の色っぽい人妻から、孫ほどの男性(ゲイ)と同居する作家マルグリット・デュラス役、最晩年のクロワッサン好きの金持ち夫人まで、どの役も本当に好きでした。最後までかっこいい女性だったと思います。特に「デュラス 愛の最終章」を劇場で見た時は、あまりに映画に没頭しすぎて上映が終わったのがわからなかった。私は完全にそこにいるつもりだった。現実に戻るまで少し時間が必要だった。たくさん、たくさん映画を見ている私だけれど、あんな経験はその一度だけ。普段はクールなのです(笑)。

 ともかく、成功すべくして成功した人。何にでも手を出し過ぎたきらいはあるかもしれませんが”ブランド物”の分野を一般人にまで広げた、その功績は大きいかったのではないでしょうか。カルダン氏、まだもう一発くらい、何かしでかしてくれるかもです。


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