指導者の安倍氏の首相在任期間が2019年2月に吉田茂を抜き、6月に伊藤博文を抜いて、8月に佐藤栄作を抜き、11月には桂太郎―ニコポン宰相を抜いて憲政史上最長になりました。これは驚きです。
2010年代には、海外の総理や大統領は頻繁に変わって、政治情勢も外交情勢も大きく動いたのですが、安倍政権がそれでも生き延びているというのは、なぜなのかということです。安倍首相を見ていると、何かについてコミットメントすることがあまりありません。
そのうまさはあります。あれもやる、これもやると問題を見つけて、手は出すけれども結局やり遂げたのは3つくらいです。しかし国民のほうは、いろいろやってくれていると思ってしまいます。憲法改正についてはコミットしているという人がいますが、安倍首相は憲法改正条項を変えるといってみましたが、いまは9条3項に固執しています。
そもそも自民党の憲法改正案とは違うもので、いったいどうなっているのか。少し前であれば、言っていることがくらくら変わりすぎれば、首相の首がとびます。しかし誰もおかしいとは言わない。誰かが「安倍さんは多様でいい」といっていたけれども、憲法改正が多様だったら困るでしょう。首相の系譜でいえば、初代は伊藤博文です。
伊藤がいて西園寺がいて原敬。これが改正友会の1、2、3代です。一方で大久保の流れとして、牧野伸顕がいて、その女婿が吉田茂です。英米協調、リベラルの系譜として、伊藤、西園寺、原敬がいて、高橋是清はよくわかりませんが、吉田茂から、池田、佐藤につながります。
2つに分かれて、1つは太平、宮澤の系統があって、竹下から、橋本、小渕という流れです。こうした流れが絶えてしまっているような感じがします。あれほど国民から税金をとることがうまく人を育てるのがうまかった竹下さんが、「小渕さんばかりかわいがっているうちに、その後が見えなくなったという面もあります。
系譜という面でいうと、太平の流れは岸田さんにつながって、田中の系譜に連なるのは石破さんでしょうか。そういう残党的な感じはあるのですが、きちんとした系譜かというとだいぶずれています。一方で岸の流れは安倍首相につながっています。この筋は見えるわけです。一本で変わりませんからね。
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