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2019年10月12日06:43

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TPPは日本にとって良かったのか

安倍政権ではTPP(環太平洋経済連携協定)も成長戦略と位置付けています。しかし、2013年の暮れに交渉がまとまるはずが越年し、協議は長期化しました。TPP交渉の焦点となっていたのが重要5品目です。これを「聖域」と呼び、日本政府はなんとしても関税撤廃を避けたい考えでした。

5品目とは、�‐�麦(関税252%)、��牛肉(38・5%)・豚肉(136%)、�F�製品(218〜360%)、�な�(778%)、�ゴ徒�資源作物(=砂糖など。328%)です。つまり小麦粉でいえば、100円のものが352円になっているということです。小麦粉の値段が下がれば、パンも麺類も安くなるのですが農薬などの問題が出てきます。

TPPとは、加盟した国が関税を全てやめましょうという取り決めです。確かに関税がゼロになれば、消費者はうれしいかもしれませんが、生産農家は大打撃を受けます。とくに米農業は大変です。現在、1000円の輸入米は8780円と高い関税で守られているからです。農業を守り、食料を安定的に供給しようというのが、高い関税の理由です。

かつて、こんな事がりました。2007年から2008年にかけ、天候不良で世界的な食糧危機に見舞われたのです。小麦などを生産している国で、「自国分だけで精一杯。とても外国へは輸出できません」という国が15カ国もありました。それまで輸入に頼っていた国は大慌てでした。さらに1976年には、アメリカが大豆の輸出を全面禁止にしました。

その結果、世界の穀物相場が4〜5倍に跳ね上がりました。日本人は味噌や醤油など、大豆製品が大好きなので困りました。食料は国民の生命線です。ヨーロッパではこの経験から、その後、食料自給率向上に励みました。現在、各国の食料自給率(2012年)は、イギリス65%、ドイツ93%、フランス121%です。

100%を越えているということは、食料を全て自国で賄って、さらに輸出しているということです。ちなみに日本の食料自給率は39%に留まっています。石原莞爾が一番心配していたことです。ほかにも危惧されているのが、日本の食品安全基準が崩れてしまうのではないかという点です。

たとえば、日本が許可している食品添加物は650種ですが、アメリカは約1600種です。「日本の基準は厳しすぎるから日本で売ることができない。これは関税みたいなものだ」というのがアメリカの言い分です。関税ではないが、輸入を阻止することにつながる規制です。これを「非関税障壁」といいます。

TPPに入れば、基準は統一です。TPPは、全ての加盟国で新しいルールを決めましょうということなのです。日本でTPPを歓迎する業界もあります。自動車業界です。日本の乗用車の関税は0%ですが、アメリカは2・5%、マレーシアは15%、ベトナムは83%です。関税が撤廃されれば、日本の車の割安感が出てきます。

どの国も、産業によって利益が増えるところと減るところがあるということです。それぞれの国に、それぞれの事情があります。日本に有利なルールがつくられればいいのですが、そう簡単にはいきません。そこで、2014年4月に、日本はオーストラリアとのEPA(経済連携協定)交渉で合意しました。これを受けてアメリカと今後の交渉に注目です。

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