労働基準法第35条第1項では、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。」とされており、これが法律で定める休日いわゆる法定休日とされています。昭和から平成初期にかけては、会社や学校を始め殆どの機関が週1回の休みしかないことが当たり前であり、会社の所定の休日は法定休日でした。
これが大きく変わったのが、平成6年の労働基準法の改正です。1週間の労働時間を48時間から40時間へと段階的に削減したことにより、労働時間数の減少に対応する必要がありました。毎週1回の休日を毎週2回の休日にすることで対応せざるを得なかったことにより、週休2日制が登場しました。
今では何らかの形で週休2日制を導入している企業の割合が約90%になっています。完全週休2日制を導入している企業も約60%の割合となっており、週に2日休みがあることが当たり前となってきました。では、週2日休みがある場合には、この2日とも法定休日となるのかというと、そうではありません。
あくまで法定休日は週1日で残りの1日は所定休日となります。この所定休日に対する割増賃金等の取扱いは時間外労働(25%割増)となり、法定休日に労働させた場合の休日労働(35%割増)には該当しません。どちらの日が休日労働に該当するのかは、平成21年5月29日基発0529001号に記載されています。
「法定休日と所定休日は就業規則等により具体的に定めることが望ましい」とされており、明確な定義はありません。従前では、休日労働に該当すると、割増賃金率35%が適用されることになるため、割増賃金25%ですむ所定休日に労働させる時間外労働を適用したほうが企業にとってメリットが大きいのです。
ですから4週4日の変動休日制や振替休日を活用して、休日労働ではなく時間外労働の適用を受けるような労務管理が主流でした。皆様ご承知の通り、平成31年4月1日より働き方改革関連法案が順次施行されることになり、その重点法案に時間外労働上限規制があります。人手不足もあり時間外労働の上限規制への対応に苦慮します。
中小企業においては1年の猶予が与えられ、平成31年4月1日以降に更新される36協定から適用されます。経過措置(平成31年3月31日迄に有効期間が更新された36協定)の適用を受けた場合でも最大2年の間で時間外労働の削減に取り組む必要があります。
時間外労働上限規制は1月45時間、年間360時間を原則として、特別な事情により延長した場合には、1月は時間外労働(1日8時間・1週40時間を超える時間)と休日労働(法定休日に労働した時間)を併せて100時間未満でかつ2〜6ヵ月を平均して80時間以内とし、年間時間外労働は720時間まで延長することが可能です。
1月の上限時間については、時間外労働のみであっても変わらない一方、年間上限時間は具体的には記載されていませんが、時間外労働と休日労働の合計時間は年間960時間となっています。休日労働を活用することで、年間240時間(月平均20時間)の時間数を確保することが可能となります。
時間外労働の多い企業では、年間平均的に時間外労働をせざる得ない事例が多く、1月45時間未満年間6回を確保することもかなりハードルの高い企業も多いと推察します。できる限りの時間外労働の削減努力を行って頂き、1年960時間、月100時間未満をクリアできれば、休日労働の活用で上限規制をクリアすることも視野に入ってきます。
法定休日の活用を最終手段として検討されている企業も多くあります。上記で紹介した通達に従い、就業規則に具体的な記載(例えば日曜日)をすることで法定休日が発生しやすくなるためです。時間外労働上限規制対応に苦慮されているのであれば対応手法の一つとして検討されては如何でしょうか。
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