「年も年だし無理に妊娠しようとは思わないんですけどね」と言っていた患者さんが
40歳目前で妊娠検査陽性が出た。
生理不順だの生理痛だのでもう10年以上みている患者さんだったので
手をとりあって喜んだ。
でも、いくら待っても子宮内に胎嚢(赤ちゃんがはいる袋)が見えない。
「念のために大きい病院で検査してもらおうよ」と言って紹介状を書いた。
すぐに本人から電話があった。やっぱり子宮外妊娠だった。
当日入院、翌日手術だという。
「せっかく妊娠できたのに、どうしていいかわからない」と泣いていた。
「あんたはその子のお母さんなんだからしっかりしなきゃ」と言った。
人間の寿命は誰にもわからない。
おなかの中で寿命がきてしまうこともある。
でもいったん授かった命ならそれは間違いなく命なんであって、
これ以上育つことができなくても、子でありその子の母になったのは間違いない。
その子もできたら生まれて母の顔を見たかっただろうけど、
そういう運命では仕方ない。
母親なら子の面倒をみて当たり前。
うろたえずしっかりして手術を受けるのがその子のためなのだ。
そういう意味のことを言った。
子宮外妊娠の手術が遅れて破裂して母が命を落とすことを
子供は望んでいないはず、と。
患者さんは「がんばります」と電話を切った。
手術は間に合って、患者さんの命は助かった。
「自分にはこどもがひとりいた、と思うだけでじゅうぶん」と
退院した患者さんが言っていた。
母は強し。
■「8日間でも親にしてくれてありがとう」 NICUと家族の物語
(AERA dot. - 05月05日 11:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=5098302
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