私は新潟県人、しかも中越という内陸部の豪雪地帯ですから、ニ十センチの積雪云々は、大したことではありません。
しかし、飲みに行って、シャッターが閉まっていたら空足ですし、雪の中を営業してもらったら店にもご迷惑なので、折角の休講に出歩かずに家でじっとしていました。
パソコンで映画を見ました。
『羅生門』黒澤明監督。
今から考えると、原作の『藪の中』よりも、筋立ては、スケールが小さくなっていると思います。
種明かしがあるという点が特にそうです。
しかし、この作品は、間違いなく名作です。
中身ではなく、形ですね。
半分焼け落ちた羅生門と、犯行が行われる窪地。太陽にまっすぐ向けられたカメラ。白い衣装を着た京マチ子がいれば、何もいらない。
形が心理を支配します。
といっても、
世間で言われる、
身なりを良くすれば、よく見えるなどというおかしな話ではありません。
恐らく、さまざまな物語を映画を見る人はすでに想像していて、映画の形がそれを引き出していくということでしょう。
『羅生門』が喚起するのは、『藪の中』の物語ではなく、
観る人が深層心理の中に持っている、貴人の美女、盗賊、夫婦間の秘密、殺し合い…という形象が織りなす物語、無意識の中で動き出し物語化している、映画を観る人の闇の物語だと思います。
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