香港で高い人気を誇るミリアム・ヨンとルイス・クーの共演作で、1人の女性が閉園の危機に瀕した幼稚園を立て直す姿を、実話をベースに描いたドラマ。エリート教育に疲れ、有名幼稚園の園長の職を退職したルイは、ある日、幼稚園の園長募集のニュースを目にする。資金不足で先生が1人もいなくなり、5人の園児だけが残されたその幼稚園は、新園長が来ないと園が閉鎖されると言う。給料はわずか4500HKドル(約6万円)。ルイは夫に反対されることを承知の上で、園長に応募する決意をする。ヨンが主人公ルイ役を演じ、クーが彼女を支える生真面目な夫役を演じる。製作は「香港国際警察 NEW POLICE STORY」などを手がけたベニー・チャン。(映画.comより)
いやはや、本当に感動しました。観客は半分くらいでしたが、みなハンカチを握ってグズグズ言ってました。中国って、世界情勢においてはいろんなことをするけれど、映画は本当にいい物を作る。たいしたものです。
お話は上にあるとおりで、ちょっと聞くと「よくある話」と思われるかもしれません。いや、本当にそうなんですけど(笑)。しかしながら、今回、(多分)エリート教育を受けて一流幼稚園の園長にまでなったと思われる主人公は、実は学者バカな夫がいて、似たもの夫婦なところがあるんですね。博物館の主任研究員をやっている夫も、あるお城(?)の模型の予算が出ず、「お客には、プロジェクトマッピングで見せて、お安くあげるんだ」と居場所がないような言い方をされ、辞職する決心をしています。また、主人公の女性ルイも、子供のことを顧みず一流教育ばかりを施そうとする親たちと、寄付額の多さにより、親たちのどんな要求ものんでしまう経営体質に嫌気がさして、偶然にも同じ時期に辞職する決心をします。
比較的裕福なふたりは、退職後は一緒に世界の博物館巡りをしようと約束しています。このへんで、ルイには手術歴があり、体が丈夫でないことが示されます。そんな矢先、地方のさびれた幼稚園が閉園の危機にあることが報道されます。今は代理教員一人とギリギリ5人の子供たち。来年には一人の卒園が決まっているため、5人を切った時点で閉園です。生徒たちは、貧しい家庭の子供たちであるため、有料の幼稚園に移ることができずにいるのです。子供が好きで先生をやっていたルイは、居ても立ってもいられなくなります。ここからルイ先生の奮闘が始まります。
まず下見。マスクをして人を見ると逃げ隠れてしまう子供たち。「あそこの園は閉園だよ」と笑う地元の人たち。ぼろぼろの建物。でも、ルイは逃げません。いざ勤めてみると、送迎の車がないからリヤカーを押してくる家族、かなりの距離なのに歩いてくるから遅刻する家族、本当に悲惨な状況を目の当たりにします。でも、ルイはめげません。欠席した生徒の家を訪ね、立ち退きの脅迫に遭っている家族のために役場に掛け合い、遠い家の子は出勤する時に拾います。「笑ったときに貧乏人であることがバレるから、マスクをしている」という子供たちに自信を与え、母親と離れて暮らしながら家事全般をこなす子供の家を訪ね、(年配の)お父さんの仕事を都合します。
子供たちに「保護者の(若い頃の)夢を聞いてくる」という宿題を出し、保護者もみんな巻き込んで、幼稚園を存続させるため奮闘。子供たちに勉強は不可欠なのです。
片や、夫の方は、城の模型は作れなかったけれど、ギロチンの等身大模型の展示に心血を注いでいます。
そんなこんなで、失敗してへこんだり、幼稚園の「オープンキャンパス」をやったのに誰も来なかったり、そのうちルイが倒れてしまったりと、いろんなことが起きるのですが、あまりにけなげな子供たちや、経済性の理不尽などに、涙なしでは見れないわけです。
私も普段は「お金さえあればなんでもできるなぁ」などと考えている小市民なわけですが、久しぶりに心洗われました。誠実に生きないといかんなぁ、と思ったわけです。でも、ルイがこんなチャレンジできたのも、生活の心配がないからだよなぁ、ともちょっと思ったんですけどね(ごめんなさい)。
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