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2016年01月24日18:10

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アンジェリカの微笑み(O Estranho Caso de Angelica)


 2015年4月に106歳で亡くなるまで、精力的に映画を撮り続けたマノエル・ド・オリベイラ監督が101歳の時にメガホンをとった一作。若くして亡くなった娘の写真撮影を依頼されたイザクは、白い死に装束姿で花束を手に眠るように横たわるアンジェリカにカメラを向けた。イザクがピントを合わせた瞬間、ファインダー越しのアンジェリカがまぶたを開き、イザクにやさしく微笑んだ。驚きながらも撮影を終えたイザクが写真を現像すると、今度は写真の中からアンジェリカが微笑みかけた。連続する不思議な出来事から、すっかりアンジェリカに心を奪われてしまったイザク。そんな彼の思いに応えるかのように、アンジェリカの幻影がイザクの前に姿を現す。イザク役にオリベイラ作品の常連俳優で、監督の実の孫でもあるリカルド・トレパ。アンジェリカ役に「女王フアナ」「シルビアのいる街で」のピラール・ロペス・デ・アジャラ。(映画.comより)





マノエル・ド・オリベイラ監督とは、なぜか縁があって、それと認識せずに映画を見ていることが何度かあり、後から「あの監督の作品だったのかぁ」と思ったりしたものでした。はるか昔、ジョン・マルコビッチとカトリーヌ・ドヌーブが夫婦役(!)をやった映画を見たことがあって、50席越の小さな劇場で見たその作品がオリベイラ監督のものだった、とか。確かジョンが船長役をやって、やはりドヌーブが出ていた豪華客船のお話もあったように思います。キアラ・マストロヤンニ主演の静か〜な映画も見た記憶です。

ともかく、なにがし縁があって、それで今回も「101歳のときに撮った映画かぁ」と注目していました。結論から言うと、静かで時間がゆったりと流れ、少々退屈でした。しかし、その「生活のゆったりさ」が逆に新鮮で、誰もがイライラしている今の日本と比べ、うらやましかったことも確かです。

お話としては、「若くして亡くなった美しい女性の、記念の写真を頼まれた男性が、彼女の魅力に取りつかれてしまう」という、新しくもない題材です。本当にほほ笑むようにして横たわっている若い女性、アンジェリカ。夢かうつつか、彼がカメラを構えたときに一瞬目を開くのです。その現象は、現像した後も一度、現れます。冷静に考えるとあり得ない。アンジェリカのあまりの美しさに驚いた、若い男性の妄想にすぎないと思うのですが、そんな幻影を延々映し続けます。舞台は多分現在なのに、男性が見る窓からの景色は鍬を使う人々。彼が住まう下宿屋もなんだか古風です。今回、撮影はポルトガルで行われたようで、きらびやかな都会とは違った、静かな川沿いの都市が描かれています。若いフォトグラファーは、食事も喉を通らないなか、アンジェリカの幻を見続け、彼女と低空飛行したりします。気のせいか、幻想も地味(笑)。

そして徐々に正気を失ってゆく彼は・・・というお話です。これがオリベイラ監督の遺作じゃないところがまた渋いですね(笑)。あ、ついでに言うと、主人公のフォトグラファーは、彼のお孫さんでよく彼の作品に出ているリカルド・トレパです。興味のある方はどうぞ。

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