かつて、デジタルオーディオが世に出たころ「技術オジン」という定義をした人物がいた。
「若い女の子を見ても心ときめかなくなったのを『オジン』と呼ぶのですよ。それと同じように新しい技術を見ても、なにも感じなくなったのを『技術オジン』と呼びます」と。
(私はスマートフォンを見てもまったく「ときめかない」が、あれがカッコいい・クール・欲しいものではないだけで、技術の進歩にはあきれ返っている)
さて、この医薬品(バルサルタン)だが、うぃきぺでぃあによれば1989年に合成され、2000年に医薬品として認可されている。
そして構造式を見るとわかるが、ふたつの「亀の甲(ベンゼン環)」がつながっている部分(ビフェニル結合)がある。この結合を作る手段として2010年のノーベル賞に輝いたのが「鈴木・宮浦カップリング反応」。
もちろん、研究はもっと前から行われ、論文などは出ていたが、医薬品製造の手法として定着してきたのは最近のことらしい。2010年以降もバルサルタン製造についての特許が数多く出願されているからだ。
化学合成の世界で「新しい技術」は
・反応段数(手順)を減らす
・不純物を減らす
・反応時間の短縮
・より高い生成率
などが主なもので、医薬品などの場合は副生成物に毒性がない、毒性のある試薬を使わない、なども新技術となる。
現在、法的な問題となっているのは「認可されたとおりの製造工程で作られていない」ということ。
つまり、不純物が多かろうが、時間がかかろうが、収率が低かろうが、毒性のある不純物が混じっていようが、昔の方法で作れ、というわけだ。
それが誰かの利益になるのか?というと、少なくとも高血圧を抱えた患者さんたちの利益にはまったくならない。医者にとっても、薬剤師にとっても利益になるとは思えない。
まさに「新しい技術を見ても旧態依然たる方法にこだわってまわりに害をなす」技術オジンがかかわっているように見える。
お役人様の虚栄心を満たすにはいいかもしれないが、それだけとも思えない。
注意:以下、思想的偏向性があります&意見には個人差があります。いひひ。
が・・・ジェネリック医薬品が出てきた場合はどうだろうか。
高血圧治療薬の市場は決して小さくないし、これからも高齢化に向かって増大するだろう。
自分たちが利益を得るためには、大きな競争相手のパイを奪うのがもっとも簡単。
などと考えていたらだんだん情けなくなってきた今日このごろ。
■化血研の刑事告発も検討 厚労相「薬務行政への裏切り」
(産経新聞 - 12月11日 23:29)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=3756087
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