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2015年07月26日13:57

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雪の轍(Kis Uykusu)


  第67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した、現代トルコ映画界をけん引するヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督による人間ドラマ。世界遺産カッパドキアを舞台に、ホテルのオーナーで元舞台俳優の主人公と美しい若妻との生活、出戻りの妹との愛憎、家賃を滞納する聖職者一家とのいざこざを描く。『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』などのハルク・ビルギナーらが出演。雪に閉ざされたホテルの中で、次第に明らかになっていく登場人物たちの感情が観る者を作品の世界に引き込む。(シネマトゥディより)







3時間16分の超大作。個人的にはこのトルコの名匠の作品は初めてでした。前作「昔々、アナトリアで」は、聞き覚えがあるのですが、果たしてどこでいつごろ上映されていたのかは記憶になくて、やっぱり全然見てこなかったってことなんでしょうね。

舞台はトルコの有名観光地、カッパドキア。無知な私はカッパドキアをよく知らなかったです。今回は雪の季節だったからか、随分寒そうでしたね。上に掲げた写真は、そのホテルに宿泊していた観光客の一人なんですが、彼は日本人と言う設定でした。「ワサビ」がオーナーとのたわいない話題に上がってました。

主人公は、元俳優で親からカッパドキアのホテルを相続した、裕福な男性。穏やかな表情を浮かべ、若くて美しい妻もいます。時々地元紙に寄稿したりして時を過ごし、地元に借家も持っていて間借り人もいます。

なにかと雑用をやってくれてる秘書のような男性もいて、細かいことはあまり知らずに過ごしていたのですが、ある日車に石を投げられ、運転していた秘書はあやうくハンドルを取られそうになります。犯人は小学生くらいの子供。秘書が追いかけると、逃げようとして川に。ずぶ濡れの子供を放置するわけにもいかず、家まで送り届けますが、その子が家賃滞納の間借り人の子供だったことから問題が表面化。

どうしてこう言うことをするのか、と秘書が問うただけなのに、父親は息子を叩き、秘書と主人公に悪態を憑き続けます。どうやら財産差し押さえにあったのを逆恨みしているようです。しかし、何カ月も待ったうえ、何度も話し合いも持ったはずなのです。それでも「子供の前で侮辱された」とまるで主人公が悪いかのようです。

また、若妻は自立して稼いだこともないのに、いや、ないからか、「福祉活動」と称して夫の知らない人々と交流を深め、本人は大まじめに取り組んでいるのかもしれませんが、どうにも集まって来ている人々は怪しげです。夫が関わろうとすると、目くじらを立てて怒り始めます。社会に出た経験がない(あるいは少ない)人は困りものですね。お金を稼ぐ、あるいは集めるということはどういうことか、よくわかってないのに正義感だけを振りかざしているのですから。

それでも主人公は、この若くて美しい妻にぞっこんなところが悲しいですね。こんな生活力のない女に「離婚」と言われて折れ続けるのですから。

この家にはまた、「離婚」して帰って来ている妹もいて、主人公は妻と妹、二人の難しい女に囲まれて生活していることになります。またこの妹が理屈っぽい!あまりに口が立つので、主人公に「夫も大変だったろうよ。離婚も納得の結果だな」と言われるシーンがあるのですが、本当にそうです。見ていてほとほと疲れました。

家に二人も女がいて(使用人もいるのに)、何してるんだろうと思いました。かの国には、まだまだ女の働き口が少ないのかもしれませんね。

お金持ちは大変です。遠くからも「施設建立のための寄付のお願い」など、言葉巧みなメールが来るし、ほとんどを秘書にまかせきりにしてある主人公も悪いのかもしれませんが、本当に大変だと思いました。

もちろん、気心の知れた友人も登場するし、楽しい時間を過ごしていることもあるのですが、まぁでも大変です。

その国の文化的な背景もあるのでしょうが、基本的に「孤独」を描いているのでしょうね。どの人も深刻な顔をして、自分の理屈(正義と言い換えてもいいかもしれない)を主張してました。

ラスト近くで、主人公が妻に大金を預け(彼女の福祉活動に寄付ということで)、いったんイスタンブールに旅立つシーンがあります。その後、妻がそのお金を手にして起こした行動が、衝撃の展開を迎えるというシーンを経て、主人公は我が家に戻ります。これでよかったのかどうか。よくわかりません。ただ、難しいなぁ・・・と思うばかりです。

映画は長い上にスローな展開、また理屈っぽいところもあるので、疲れていたり睡眠不足だったりすると、眠ってしまうかと思います。現実にも、前半でさっさと出て行ってしまった人が周りにいました。でも、やっぱり名作だと思います。私、個人的には楽しめました。

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