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2015年07月05日16:51

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国際市場で逢いましょう(국제시장)

 


 釜山港を見下ろす高台に、老いたドクス(ファン・ジョンミン)と、妻のヨンジャ(キム・ユンジン)がいる。ドクスは港に停泊する大きな船を見て、船長になりたかった夢を妻に語る。そして、自らの過酷だった人生を振り返る。
 1950年、朝鮮戦争のさなか、興南撤収作戦のあおりで、まだ幼い少年のドクスは、父親(チョン・ジニョン)と幼い妹と離ればなれになる。ドクスは、母親(チョン・ヨンナム)と弟、もうひとりの妹と四人で、なんとか釜山の国際市場で露店を開いている叔母のコップン(ラ・ミラン)の家にたどり着く。朝鮮半島は北と南に分断され、故郷の興南(北朝鮮)に戻れないままになる。ドクスは父親から別れる寸前に聞いた言葉を忘れていない。「これからはお前が家長だ、家族を守れ」と。ドクスは靴磨きや肉体労働をしながら、貧困のなか家族を守り、生き抜いていく。ドイツでは炭坑夫として、ベトナム戦争では技術者として、ドクスはひたすら家族のために働き続ける。(日本文教出版ウェブサイトより)









 韓国と日本はちょうど今、難しい局面を迎えていますが、映画だけを取ってみると、今までにも名作は多々ありました。人間の深層心理を突いたような怖い怖い映画や、目を覆うような虐待を扱ったもの、十八番の恋愛映画まで、やっぱり日本映画にないような味があるのも事実です。

そして今回の映画は、歴史を扱ったもの。歴史と言っても古い時代ではなく、1950年代の朝鮮戦争から始まる近代史です。すぐお隣の国でありながら、いかに自分が歴史を知らないかを思い知らされました。

冒頭は人々が逃げ惑うシーン。舞台は興南、時は朝鮮戦争の真っ只中。一時は北進していた韓国軍・国連軍でしたが、1950年に中国義勇軍が北朝鮮側として参戦したため南進。アメリカ軍を始めとする国連軍の撤退が始まり、一般市民と共に興南の港から脱出します。これが「興南撤収作戦」です。港は押し寄せる市民で大混乱となり、海に落ちるもの、家族と生き別れるものが続出します。そんななか、主人公のドクスは父と妹とはぐれ、命からがら母親・弟・もう一人の妹と共に国際市場の叔母を頼って生き延びます。

国際市場で商店を営む叔母とて生活は苦しく、また夫である叔父は飲んだくれの怠け者で、まだ小学生だったドクスは辛酸をなめることになりますが、幼いながらも靴みがきをしたりして母を支え、頭が良かった弟にしっかり勉強させます。心には、別れ際に父が言った「これからの家長はおまえだ。家族をしっかり頼む」の言葉があったのです。

やがて青年となったドクス(ファン・ジョンミン)は、優秀な大学に受かった弟の学費を稼ぐため、ドイツの炭鉱員募集広告に応募。親友と共に腕力と愛国心で面接にパスし、出稼ぎに行くことになります。そこで看護婦見習いの美しい女性ヨンジャ(キム・ユンジン)と出会うなど、いいこともありますが、労働環境は劣悪で、落盤事故にも遭うなど過酷を極めます。それでも一生懸命働いたドスク。やがて迎えた就労ビザの期限切れで母国へと帰ることになります。

働き者のドスクは叔母さんにも気に入られますが、その叔母が亡くなると飲んだくれの叔父はさっさと店を売ってしまおうとします。ちょうど「そろそろ自分のやりたい勉強でもしよう」と海洋大学を受験した矢先であり、結論から言うと合格していたのでした。しかし、理由あって(どうしてもその店を手放したくなかった理由は後に明かされる)その店を買い取るため、また妹の結婚資金の必要もあって、またまたドスクはベトナムへと出稼ぎに行きます。時はちょうどベトナム戦争のさなか。兵隊と違って技術者の仕事とは言え、危険が伴うため報酬が良かったのです。

しかしやっぱり危険な任務でした。ドスクは命こそ助かりましたが、足を撃ち抜かれ、一生の怪我を負うこととなります。

やがて韓国では、大規模な「人探し」が企画され、戦争で離ればなれになった人々のための情報を広く公開し、またテレビでも放映したりします。そんななか、父と妹を探すドスク。果たして・・・。

少し長い映画でしたが、本当に見応えがありました。また、真面目一徹ではなく、大笑いするようなユーモアもそこここに散りばめられ、そのセンスのよさに感嘆します。「激動の時代」とはよく言いますが、本当にその通りです。父との約束を守るため、幼い男の子は強い意志を持ち、家族を守り抜きます。しかし、年輩となった主人公が、ラスト近くで写真の父親と会話し「父さん、僕がんばっただろ。会いたかったよ、傍にいて欲しかったよ」と泣き崩れるところは号泣でした。本当によくがんばりましたね。長男に生まれたばっかりに、荷を背負いましたね。でも、みんなわかってると思いますよ。お父さんだって、きっと見てらっしゃる。大丈夫ですよ・・・そんなこと、思いました。平和な時代に生まれておいて、僭越ですけど。

この映画では、いわゆる「悪人」は登場しません。強いて言えば叔父さんがそうかもしれませんが、彼だって無一文だったのです。親友はつねに親友でそばにいるし、兄妹だけではなく、ドクスの子供たちもまた結婚し、たくさんの孫たちがいて賑やかです。年輩となったドクスは超がつくほどのガンコじじいですが、それでもやっぱり、幸せなんでしょうね。

あと、後に有名人となる人がチラッ、チラッと登場します。夢を語る後の「現代」の創始者チョン・ジュヨン、韓国第一号のファッションデザイナーとなるアンドレ・キム、人気歌手のナム・ジンなど。すごい時代だったのですね。戦後復興って、やっぱり人々がアグレッシブだったってことなんでしょうね。

個人的には、少し近代史を勉強しなきゃな、と思いました。

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