文豪ハーディの名作を、ポランスキーが映像化したメロドラマ。19世紀末、ドーセット地方の貧農の娘テスは遠縁のダーバビル家に奉公に出される。その息子にかどわかされ私生児を孕んだ彼女だが、実家に戻って生んだ子はわずか数週間で死んでしまう。後に働きに出た農場で牧師の息子と美しい恋に落ち結婚するが、テスの過去を初夜に知った彼はそのまま外国に去っていく。流転の人生の果てに再び彼とめぐりあうテスだが、もはや新たな選択は破滅を意味した……。(allcinema ONLINEより)
やっと見た!それにしても長い映画だったなぁ。原作もよほど重厚なんでしょうね。主役のナスターシャ・キンスキーの美しさは噂通り。私はwowowかなんかではるか昔に見たドラマ(ギリシャ神話を思わせるような因縁のお話だったように思う。ナスターシャはまだ若くて美しく、マフィアだったかなんか、とにかく裕福なおうちの息子に気に入られ、結婚する女性だったと思う)と、少し後のウェズリー・スナイプスとの共演作「ワン・ナイト・スタンド」くらいしか知らなくて、実際、話題作というか出世作を見てみると、本当に噂通りの「はかなげな女性」。
こんなに美しくて薄幸そうではかなげだったら(形容詞羅列し過ぎ・笑)、大抵の男の人はヤラれてしまうんでしょうね。でもみなさん、この写真でもそうですが、彼女の視線を見てみてください。鋭いと思いませんか。どうしてこんなにはかなげな雰囲気を醸し出せるのかわかりませんが、案外表情はキツいですよね、キリっとしていて。そのギャップがたまらないのかもしれませんが。
彼女のおうちは貧しくてその日暮らしでした。しかし、町の牧師が父親に「君の先祖は名家ダーバヴィル家だ」などと余計な知恵を吹きこんだがために人生を狂わせてゆきます。人って、本当に弱い生き物ですね。実際にお金や財産を手にしたわけでもないし(そうなると人生はもっと狂ったのかもしれませんが)、そんな情報嘘か本当かもわからないのに、当主も妻もすっかりプライドが高くなり、大きなことを言うようになります。結果、一番美しい年頃であったナスターシャ演じるテスが、丘の向こうにあるダーバヴィル家に「親戚なんだから助けてくれて当然」とばかりに借金の申し込みに向かわされます。でも、誰がそんなこと信じますか(笑)。結論から言うと、お金で名前を買っただけで、その血筋ではなかった当主アレックは、美しいテスを下女として雇い入れ、手を出すのです。
お金持ちだから不誠実に見えますが、アレックは本当にテスに惚れていたようで、彼女もそうかたくなにならずに彼の誠意に甘えていれば多分幸せになれたでしょう。しかし、かたくなに彼を拒否したテスは、実家に帰り赤ちゃんを出産します。が、赤ちゃんは程なく亡くなってしまいます。一度は追ったアレックも、彼女の意志を尊重し、妊娠のことなど何も知らないまま帰ってゆきます。
その後酪農家に乳搾りの職を見つけたテス。しかし、美人ではかなげなテスはここでも目立ってしまい、牧師の息子エンジェルに惚れられることになります。でもね、彼女も、そのつもりはないかもしれませんが、結構積極的に出てるのです。食事の席で目立つことを発言してエンジェルの気を惹いたり、彼をこっそり眺めるために近づき、見つかると逃げようとしたり(当然エンジェルは追いかけます)。なかなかの手管です(笑)。
そうこうしているうちに、恋仲になった二人。無事に結婚することになります。過去を打ち明けた手紙が届いていると信じていたテスでしたが、それが読まれていないことを結婚式寸前に気付き、初夜に打ち明けます。敬虔なキリスト教信者だったエンジェルは、彼女を許せず、そうかと言って離婚もできず、旅に出てしまいます。
しばらくは彼を待っているテスでしたが、手紙の返事も来ず、希望を持てなくなった彼女は結局また流浪の旅に出ます。再び極貧の生活。しかし、そこでその昔かたくなに拒否したはずのアレックに会う運命となり、再び求愛されます。
しかし、アレックは余程にテスに惚れていたんですね。裕福な暮らし。女なんて望めばいくらでもあったはず。それなのに何年か越しにでも求愛するのですから。最初は「意地も過ぎれば愚かだ」などと言われつつも拒否していたテスでしたが、現実にあがらうことはできず、結局は妻として裕福な生活に収まります。
と、そんなある日、エンジェルが旅から戻り、「僕が間違っていた。やり直そう」と訪ねて来ます。遅い、遅すぎる・・・。うろたえるテス。凡人の私なら、どれだけエンジェルに未練があっても、もう今の生活を捨てないでしょう。でも、情熱家のテスは違ったのです。かわいそうなアレック・・・。この後は壮絶な展開となります。
しかしなぁ・・・。気持ち複雑。何が彼女をここまで壮絶にさせたのか。波乱万丈な人生と言ってしまえばそれまでですが、やっぱり罪深いですよね。
父親にいらぬ知恵を吹き込んだ牧師が元凶なのかもしれませんが、そういうことがなくても、持って生まれた美貌と気性の激しさを考えると、案外同じような人生だったかもしれません。
長い映画でしたが、いろいろと考えさせられる作品でした。
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