鳥獣戯画が、マンガの元祖だといわれています。
あの、腹を抱えて笑っているカエルなどは典型ですが、
毛筆の伝統があるから、いい日本画は、輪郭の微妙なニュアンスを見事に映し出しています。
遠近法(消失点図法)的な遠近感がなく、線がきれいですから、日本でマンガが発展したわけです。
若いころを含めて、
小島功さんのマンガをエロだと思ったことは、一度もないです。
小島功さんが描いた女性や、河童の女性は、
言葉で表すと、
優しそうな熟女、豊満な人妻風…などになるでしょうが、
言葉には決して回収されない、精神の豊かさを表していると思います。
この女性と関係を持ちたいというよりも、
この女性の赤ん坊になりたい、こんな姉がほしいと思わせるようなもの。
つまり、女ならだれでもいい…きれいな女なら誰でもいい…
という、男性のエロというものを、はるかに超越しています。
だから、エロとは思えなかったのだと思います。
その精神の豊かさは、
近代的な学問や思考能力ではない、奥深い身体的なものでしょう。
精神性というと、我々は、学問や芸術などを連想しますが、知識が豊富にちりばめられているだけで肝心なところが浅い論文や、テクニックだけで聞いていてつまらないピアノ曲もあります。いや、そういう類がほとんどでしょう。
ところが、普通の生活をする普通の人も、体系的なものに回収されない独自の豊かさを持っています。しばしば、忘れてしまうことですね。
小島功さんは、忘れかけている大切なものを教えてくれた人だと思います。
ご冥福を心からお祈りいたします。
■エロチックナンセンス、「現代の浮世絵師」 漫画家の小島功氏が死去
(産経新聞 - 04月17日 19:24)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=3376869
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