孤独死した人を弔う仕事をする民生係の男が、故人の人生を紐解き、新たな人々との出会いから、生きることとは何かを見つめ直していく姿を描いたイギリス製ヒューマンドラマ。「フル・モンティ」「パルーカヴィル」などのプロデューサーとして知られるウベルト・パゾリーニが監督・脚本を手がけ、「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」「戦火の馬」のエディ・マーサンが主演。人気ドラマ「ダウントン・アビー」のジョアンヌ・フロガットらが共演した。ロンドンに暮らすジョン・メイは、孤独死した人を弔う民生係として働いてきが、人員整理で解雇を言い渡され、自宅の真向かいに住むビリーの弔いが最後の案件になる。これまでも誠実に故人と向き合い、弔いをしてきたジョンだったが、最後の仕事にはいつも以上に熱心になり、故人を知る人を訪ね、葬儀に招く旅を経て、心の中に変化が生じていく。(映画.comより)
この作品だけは絶対に見たいと思ってました。それは、自分がもう若くないからかもしれませんし、エディ・マーサンに注目していたからかもしれません。イギリス映画が好きだからかもしれません。とにかく、自分でも理由はよくわからないまま、「絶対に見たい」と思ってました。
例によって、田舎では上映していないので都会まで遠征。しかし、結論から言うと、本当に見てよかった。入ってる人数はそこそこだったけど、名作でしたね。
主人公のジョン・メイは生真面目が服を着て歩いているような、真面目一辺倒な男性。口数も少なく、一人暮らし。地区の民生係として、22年間、身寄りのない死者をきちんと見送って来ました。写真などの情報収集から、なるべく親族・知り合いが葬儀に参加してくれるよう、連絡もします。本人の宗派がわかれば、その宗派に乗っ取った葬儀が行われるよう手配し、音楽も、本人に会ったことはなくとも、好みと思われる曲を選択してきました。そして、誰も列席者がいなくても、ジョンだけは葬儀に必ず顔を出していました。
そんなジョンですから、仕事の効率が良いとは言えず、このたびやってきた若いやり手上司にクビを言い渡されてしまいます。後釜に収まる女性はもちろん効率重視で、無縁仏などは火葬の後、まとめて埋葬するなど、お金もかけません。
さて、ジョンの最後の案件となった孤独死の男性ビリー・ストークは、なんと死後40日も経って発見されたのですが、ジョンの向かいのアパートの住人だったのです。ジョンにもあるいは見えていたかもしれないし、彼のことを知っていてもおかしくなかったのですね。少しショックを受けたジョンは、この最後の案件だけは、いつもより時間をかけて調べ上げます。やり手上司に「あと2日ください」と懇願して。
この辺までは、まぁある展開なんです。真面目な人間がコケにされ、何事にも効率重視でお金になることだけが重宝され、若手上司は高級車に乗ってたりする。
そして判で押したような生活をしているジョン・メイは、独身で食事もいつも同じ。そんな彼が一発奮起してイギリス中を移動して訪ね歩いたビリーは、予想外に波乱万丈な人生を送っていたり、彼のおかげで絶対に巡りあわないだろう人々と巡り合い、ジョンの人生が変わって行ったり。
そうやって、退職を機(?)に、少しづつ生真面目な人生が変わろうとしてゆくのは、まぁ見たことのある展開だし、それらしいビリーの娘と巡り合うに至っては「安易だなぁ」と思ってしまうほど。
しかし!違うのです。後半1/4(1/5?)くらいの展開に息を呑みます。そして、想像もしなかったエンディングを迎えるのです。映画が終わる頃は、感動と涙でしばらく立てなくなるほどでした。
このラストシーンは、ネタバレの文章で読むのではなく、絶対に「画」で見て欲しいシーンです。
名作です。
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