●兵庫県川西市の猪名川のほとりに鎮座する多田神社は清和源氏の祖廟とされる。
●しばしば「西国の平氏、東国の源氏」といわれるが、実際は有名な平将門の乱や平忠常の乱で知られるように関東は桓武平氏の流れを汲む坂東八平氏とも呼ばれる平氏武士団が早くから土着しており、源氏の本拠地は、摂津、大和、河内つまり現在の兵庫県、奈良県、大阪府にあり、「関東の平氏、近畿の源氏」といえる。
そのため当然のように源氏三社は次のように近畿(関西)にある。
・六孫王神社(旧山城国。京都府南区)
武家の清和源氏の祖の六孫王経基(源経基)を祀る。
・多田神社(旧摂津国。兵庫県川西市多田)
武家としての清和源氏すなわち源家の祖廟。祭神は源満仲、頼光、頼信、頼義、義家。
・壷井八幡宮(旧河内国。大阪府羽曳野市壷井)
武家棟梁の河内源氏氏神。源頼信、頼義、義家、義綱、義光を祭神とする壷井権現を併設。
●多田は、源経基の子の源満仲が源氏武士団を形成した地であり、武家としての清和源氏発祥の地とされる。そのため兵庫県川西市にある多田神社は、源氏の祖廟ともされ、一門や子孫からの崇敬も強く、さらに足利氏や徳川氏も多田神社を手厚く保護した。
●毎年4月に行われる「源氏まつり」では、源満仲や源頼光、源頼信、源義家から源実朝まで累代の源氏の鎧姿の馬上の武者行列が見られる。
●源氏の霊廟の性格から、源氏の個々の武士ではなく、清和源氏の武士がほぼ全員登場するところが特徴。
●『平家物語』では鹿ケ谷の密告者として評判のよくない多田行綱(源行綱)も、当社の源氏まつりでは、源頼光、源義家や源頼朝、源義経、木曽義仲などと同じく源氏の主要な武将の一人、多田行綱公として馬上の武者行列に登場する。
●人気があるのは公募で選ばれた美女が扮する巴御前などの女性陣。
●近隣には満願寺、小童寺、頼光寺をはじめ摂津源氏ゆかりの社寺が点在する。
●動画 源頼光と多田神社
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■源満仲・頼光と摂津源氏
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