街を見渡せば巨大看板広告、TVのスイッチをつければコマーシャル、消費社会の象徴でもある広告に生活は汚染されている。
そんな社会や差別、権力に対抗する手段としてグラフィティは生まれた。その後グラフィティカルチ ャーは、バスキアやキース・へリングなどの著名なアーティストを生み出し、瞬く間に世界中の都市に拡がった。
だが、アートとして認知される一方で(公共物破壊)軽犯罪法に抵触するという社会問題のジレンマに、常に悩まされてきた。
グラフィティが問題なのか。それともこの社会が問題なのか。
「人々は誇大広告のもたらす潜在的な影響力に気づいていないんだ。
僕は赤いスプレーで広告モデルたちの額に点を打って“殺す”ことで、広告の力を剥奪するんだ」パリのゼウスは語る。
またニューヨークの女性アーティスト・スウーンは、危険を侵しながらもストリートで活動することについてこう語る。
「セキュリティを与えてくれるあら ゆるものは居心地が良いかもしれないが、結果的には自分たちを束縛するものでもある」「ストリートは学校や官僚的な価値観が問われない自由な場所。
街の壁は誰もが表現できる掲示板のようなもの。
現実とは程遠い誇大広告が 溢れるこの街で、私は等身大の一般庶民たちの姿を描きたい」。
デンマークのアダムス&イッツォは、住居を建設することで消費社会へ対する強烈なメッセージを発信する。
クリンクというオリジナルインクを開発し街中に大量のドリップを垂らし続けるKR、警察とのいたちごっこを続ける典型的な悪ガキのイアスノットらニューヨーク勢。
“都会の山岳部隊”と名乗り、ビルの頂上にタグを残し続けるサンパウロのピグメウス、世界的にも注目を集めるブラジルを代表するアーティスト、オス・ジェメオス。ほか世界中で活躍するさまざまなタイプのストリートアーティストたちをカメラは追いかける。
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