クルマ依存が高すぎる宇都宮市。
郊外のバイパス沿いに市街地が拡散して渋滞が頻発。一方で街の中心街は急速に衰退しています。
このまま郊外化の進行を放置すると、社会インフラ整備・維持に莫大な税金を要することになり、将来的に市の財政を圧迫することになりかねません。
つまり、これまで続いてきたクルマ最優先の街作りは、大きく方向転換せざるを得ないところまで来ているといえます。
そこで、宇都宮でも「コンパクトシティ」の考え方を採り入れた新しい交通まちづくりを進めています。
言い換えれば、「郊外化の抑制」と「過度なクルマ依存からの脱却」です。
このため、公共交通ネットワークの利便性を抜本的に向上させて、移動の自由を確保し、住みたい街・行きたい街として再生しようという動きが加速してきました。
東西基幹交通としてLRT(軽量軌道交通)を整備し、バスのネットワークを再編して、既存の鉄道との連携を強化して、異なる交通モードとの乗り継ぎを円滑にしていこう。
公共交通による移動が容易になれば、人・物・お金の流れが容易になり、必然的に街の魅力が高まっていきます。
現在、2023年春の「優先整備区間」開業を目指して、宇都宮市と芳賀町では導入ルート全域で建設工事が進んでいます。
もちろん、単にLRTが通るだけでは意味がありませんし、LRT実現が「目的」なのではありません。
LRTは、魅力ある街作りには必要な利便性が高い公共交通ネットワーク実現のための「手段」の一つです。
解決すべき問題は少なからず存在しますが、それをふまえて宇都宮のLRTを含めた公共交通のあるべき姿を考えていければ……と思います。