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川崎〜ひかりのさすころ

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詳細 2010年7月16日 14:06更新

あの日のこと…覚えてる?



なつみがそう言ったのは確かにひかりが二十歳になったその瞬間だった

夜も吸い込まれていきそうな黒くて…しかしどこか柔らかい空からパラパラと雨が落っこちてくる

温かいといえばひかりの心は温かかったと…今思えば そうかもしれなかった

ただ
言い切れないのは ひかりの頭の中は電気が錯綜しているようでくらくらで…1つのことでいっぱいだったから



うん


ひかりがそう言えたのは

沈黙が気まずくなる前の心地よい世界がまだ二人を包んでいる時だったのだが、ひかりにはずいぶんながいこと返事ができなかったように感じていた


壊れてしまいそうなブリキのおもちゃのようにぎこちなかった


そっか


なつみはひかりを見て返事をした
しかし
ひかりはなつみを見ることはできなかった

焦るひまがあったら 頭をフル回転させたかったのかもしれない

なかなか
状態が変わらないことにも苛立ちを感じていたし、知らないことがわるいとはおもってなかったら

ひかりは喉になにかがつまっていてどうしても切り出せなかった


私が…―!
私が言いたいこと

私が言いたいこと!!!!

わかる!?


まるで
人のために人のエゴで作られた

大量の水がためられた

ダムから

すべての水滴が一気に溢れだしたように

感情も

なにもかもすべてさらけだした

なつみがいた。


彼女の声が痛かった

ひかりは狂いそうになりながらも言葉という言葉が、まさにそこに不似合いに感じてどうしてもどうしても…どうしても音という音をだせなかった

例えるならば
高校で初めてできた付き合ったばかりの彼氏の鼻から怒濤のように毛が、社会不適合者が論理的でないとわかっていながらも社会を非難してしまうように、毛がはみだしていた時のような心持ちだった








沈黙がある種の音であるかのように2人の間を通り抜ける

ひかりは
川崎ひかりは

女である

人の心をよくよみ 気を使うあまり自分の不利益が起ころうともそのてをやすめることができない女だ

その場の空気に合わせて自分を変えることも容易であった

人によく好かれ 大学も人が羨むような有名なところに入学した

友達もできた

サークルにも入り

肉体的にも精神的にも満たされた

ただ

彼女の存在だけがひかりを苦しめた


田崎なつみ

不思議な二人の関係はひかりの今までの人生においても きっとこれからの人生においても お互いただ一人の存在と感じる関係は このときだけであろう


そのときだった

ひかりは気づいたのだ


自転車の自動灯のように なつみの暗闇を認識してひかりは 気づいた



今日が蒸し暑いことではない―…

いつの間にか口内炎が治っていたことではない―…



隣にいるなつみがうんこだったことではない―…!!!



そもそも自分が全裸だったことではない―……!!!!



口からまさにその言葉がでそうになったとき

なつみが口を再び開いた



川崎のコミュニティーをつくろう―…


なつみは平生より
愛は時に激しく感情を煮えたぎらせ、時に切なくさせるものであると感じていた

わかっていた

わかっていた

わかっていたのだ
理解はしていた


川崎との間の愛になつみは可能性を見いだせずに、蜘蛛の巣にかかった蝶のようにもがき 命の灯火の消えるまで、その混沌とした希望のない未来への恐怖に苦しめられるのではないかと危惧していた

危惧していたという言葉は適切ではないかもしれない

そういった理性的な感覚はいまひかりに対峙しているなつみには欠如していて
本能的に示唆された感情を心とよばれる器官があるかのように享受しただけといえる


つまり


川崎のコミュニティーをつくるということでなつみは安寧となれるといえるのだ

コミュニティーという ひかりとの間に感情の灯らない繋がりを渡すことで愚鈍だと信じてやまない感じる情念を避難させようと考えていた



そんな
気持ちのわかる 人 ぼちゅ〜

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開設日
2010年7月16日

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カテゴリ
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