仙人・仙女コミュの転倒防止の両手振り

肛門をしめ、足の親指に力がはいると転ばないのは、土ふまずで姿勢をコントロールしているからだ。土ふまずの力は肛門の力に比例する。

正しい歩き方は、土踏まずで歩くことである。足の指の力が偏ると、不安定になるので、無用の足音がする。しかも、加齢後に転倒しやすくなる。

転倒を防止するのが、両手振り体操である。

１、足を肩幅に開いて、線上に立った気持ちになり、リラックスし、
①、両手を肩の高さにあげて、腰を軸に体を左に捻りつつ、眼線を270度まわして右側の架空の線を見る。
②、両手と共に体を右に捻りつつ、眼線を270度まわして左側の架空の線をみる。

2、足を肩幅に開いて、線上に立った気持ちになり、リラックスし、
①、両手を肩の高さにあげ、腰を軸に体を左に捻りつつ、眼線を270度まわして右足のかかとをみる。
②、両手と共に体を右に捻りつつ、眼線を270度まわして左側のかかとをみる。

1、は上腹部を刺激し、2、は下腹部や下肢を刺激する。

いずれも、かかとを浮かさないのがコツ。腰（90度）、肩（180度）、頭（225度）、目線（270度）を左右にひねり、全身の筋肉や経絡（動脈と静脈）をねじりながらのばし、ゆるめながらちじめ、体のゆがみを矯正し・気血水リンパの流れを活性化する全身運動で、①～②を１回と数えて、ゆっくり呼吸しながら、50～100回繰り返します。

ペットボトルかダンベルをもってやると、効果的に体をひねることになるので、高い効果が期待できる。

人間の体は、筋肉も内臓も緊張しすぎてもいけないし、弛緩しすぎてもいけない。実でもなく・虚でもない、中間的な状態を保つことが大切です。

脊椎（腰椎・胸椎・頚椎）のねじれは、老化・精力減退・肝臓・腎臓・胃・腸など内臓の病気の原因となって、自律神経失調症・椎間板ヘルニアや腰痛などを発症し、転倒しやすく、高齢者の国民病と言われるほど、多くの方々が苦しんでいる。

中国古来の医療体操（気功など）の影響を受けている「仙人体操」は経絡体操で、とりわけ「両手ふり」は、ゆっくりと目線を動かしながら、足首から膝・腰・腹・椎骨（腰椎・胸椎・頚椎）・肩・首・目線と一緒に肘・手首・指までをひねる運動で、１４本ある経絡（東洋医学でいう気・血・水の通う道）を刺激しながら、足首・膝の裏・股関節・首・腕の付け根・肘・手首にあるリンパ節やグローミュー（動静脈吻合）を刺激し、自律神経を活性化し、気を静め、集中させ、筋肉に自然に力をいれ・自然に力を抜き、脊柱を矯正しながら、脳内モルヒネの分泌を促し、気血水の循環を促進する無理のない体操で、準備体操（ウオームアップ）をしながら、筋肉を鍛えて、終息体操（クールダウン）を兼ねている。

これは、因果倶時（いんがぐじ＝原因が生じた瞬間に結果も生じているという、蓮の華に象徴的に隠喩されている仏教用語）の経絡体操で、ゆるやかな呼吸をしながら、ねじる・ゆるめる、伸ばす・ちじめるを反復する。

人間の首（頚椎）や体（腰椎）は左右に90度づつ、合わせて180度ひねることができ、首と腰と一緒にひねると目線は270度を見ることができる。

腰骨は、中央に仙骨、左右に腸骨があり、わずかに開閉する仙腸関節でつながっており、左右の腸骨から、前後・左右に180度開脚できる、二本の脚が股関節で連係している。

仙骨の中心から、5つの腰椎、肋骨のついた12の胸椎、7つの頚椎の順に積み重なった、ブロック式の脊柱が美しいカーブを前後のバランスをとり、走ったり飛び降りたりした時の衝撃を吸収する緩衝の役を果しながら、立っています。

纏ふりの効果と影響力は次の通りです。

１、上部頚椎への刺激→目・耳・鼻・胸への血行を刺激し、内臓へも影響する。
２、下部頚椎への刺激→心臓・喉・両手・迷走神経・目・耳へ影響する。
３、胸椎1・2への刺激→気管・肺・心臓・両手へ影響する。
４、胸椎3～5への刺激→肺・心臓・胃・肝臓・目・耳へ影響する。
５、胸椎6～8への刺激→胃・肝臓・副腎・横隔膜へ影響する。
６、胸椎9～11への刺激→腎臓・膀胱・子宮へ影響する。
７、胸椎12・腰椎1～2への刺激→大腸・膀胱へ影響しながら、盲腸を刺激し、胃・肝臓の収縮に影響する。
８、腰椎3～4への刺激→生殖器・膝へ影響する。
９、腰椎4～5への刺激→両足・大腸・膀胱・前立腺へ影響する。
１０、仙骨への刺激→膀胱・生殖器・肛門へ影響する。
１１、骨盤への刺激→脊椎のゆがみを矯正する。
１２、膝への刺激→膀胱・脊柱・肩・首へ影響する。
１３、足首への刺激→全身の骨格のポイントで、足首に異常があると、下から上へジグザグに影響し、脊椎（体）をゆがませる。例えば、右の足先に故障があると、左足首が故障し、右膝が故障し、左脇腹に炎症をおこし、右の肝臓、左の肋間神経痛、右の結核、左の五十肩、右扁桃腺の異常、左の偏頭痛という具合に、悪の伝症が発生する。
１４、土踏まずへの刺激→偏平足が治る。　

手足の骨は、パイプ（中空）だから、外傷による出血多量になると死ぬ。しかし、折れても・切断しても命に別状はない。

ところが、脊柱は、異常に湾曲させると、内臓の機能が衰え、生活習慣病や老化の原因になる。また、脊髄中枢神経が流れているから、折れると一巻の終わりになる。

それで、脊柱は折れないように、また、後ろを振り返り見ることができるように、ブロック積みで、椎骨の間に軟骨性のパッキングをはさみ、棘突起や横突起という付属品で接続している、柔軟構造になっている。

椎骨や椎間板の中央には椎体があり、その中を脊椎を老化させないための細い血管や、内臓を動かす脊髄神経が貫流している。椎骨には、椎間孔という穴があって、そこから自立神経が分留して抹消神経となっている。

そこで、椎骨を正常に配列しておれば、貫流する血液も神経も勢いよく流れたり伝導する。不正常に湾曲していると、これらを圧迫するので流通を最悪にする。腕を強く圧迫すると、血管が圧迫され、感覚がしびれ、血の気がなくなる。

最近は、若い人でも椎間板ヘルニアとか腰痛や、ギックリ腰、脊椎分離症になる人が多いようだ。それは、腰椎を逆に湾曲させたり、脊椎を湾曲させる姿勢の悪さや、行儀の悪さが、パッキングの役割を果している椎間板を変形させたり、飛び出させたりするからだ。

仙人体操の「両手ふり」は、ゆっくり呼吸しながら、両足を基点に、ゆるやかに両手を振り回しながら、その遠心力を利用し、腰・肩・首を目線と共に、左右に螺旋条にひねり、首や背中と腰の曲がり（脊椎の湾曲）や手足のこわばりをただしたり、各種の筋肉や関節を刺激しながら、体を温め、気・血液（栄養）・水・リンパの循環を促進し、腸内の蠕動運動を活性化し、腹部（身体全体のリンパ節の70%がある）の筋肉を強化してウエストラインを整えながら、腸間膜に蓄積された脂肪を燃焼させる。

また、両手ふりは、東洋医学でいう、六臓六腑を正常に機能させるために必要なエネルギーを供給する道＝14本の経絡（動脈と静脈）を、螺旋状にねじり・ゆるめ、反対方向にねじり・ゆるめるのを繰り返すことにより、緩やかに刺激しながら、それぞれの働きを活性化しますので、整体・鍼・灸・指圧をするのと同じ効果がある。

総じて、両手振りは、1、足・脚・腰椎・肩・首・腕・手の気・血・水・リンパの流れを良くし、2、消化器系の機能を高め、3、生殖器や泌尿器系の機能を高め、4、便秘を予防し、5、細胞再生を活性化し、6、免疫力・抵抗力・自然治癒力を高め、7、偏平足を改善し、転倒を予防したり、「病気にならない体」をつくる。

3、両手振りのバリエーション：

１、足を肩幅に開いて、線上に立った気持ちになり、リラックスし、ゆっくりと呼吸しながら、
①、両手をあげて、腰を軸に体を左に捻りつつ、眼線を270度まわして右側の架空の線を見ながら、腕は体に自然にまといつくように大きくふりまわし、軽く握った右手内側のこぶしで鼠経部を、軽く握った左手の甲で腰の右後ろの命門穴（ツボ）のあたり又は右の脇腹（腎臓）を軽く打つ。
②、両手と共に体を右に捻りつつ、眼線を270度まわして左の架空の線をみながら、腕を体に自然にまといつくように大きくふりまわし、軽く握った左手内側のこぶしで鼠経部を、軽く握った右手の甲で腰の左後ろの命門穴（ツボ）のあたり又は左脇腹（腎臓）を軽く打つ。

かかとを浮かさないのがコツ。左右に、目線は頭・首・腰をあわせて270度ひねり、頭は首と腰の90度を合わせて180度、腰を90度ひねり、全身の筋肉や経絡をねじりながら引っ張り、ゆるめながらちじめ、気血水の流れを活性化する優れた全身運動になる。①～②を一回と数えて、ゆっくり50～100回繰り返す。

足幅を狭く・前屈すると上半身を刺激し、足幅を広く・体を反らすと下半身を刺激し・偏平足を改善する。