心電図を読むのが好き！コミュの少ない誘導から推測するホルター心電図、交々

ホルター心電図は2～３誘導しかないので困ります、こんな波形の時特にね
悪いことに、12誘導心電図が見れないので推測に次ぐ推測で進めるしかないようです
1枚目の心電図がそれです
QRS幅は0.12sでCM5、NASA誘導とも電気軸はマイナス側で北西軸、T波はR波と逆極性
とすると、だったら上方軸の心室性？
いやいやP波が明瞭で洞リズムで伝導障害によるQRS変化と推測します
電気軸が北西軸なので、他の誘導がどうなってるかわからないので一見不定軸に見えるけど
R波の各時相でベクトルを使って解釈してみたら以下のように考えることができました

2枚目の図がそれです
ｒ波ピークを①、最初のS波を②、次のS'波を④、その間に変曲する点を③として、各時相の起電力ベクトルを求めます
これを実際に心筋の興奮過程に当てはめてみると、図のベクトルのようになりました
最初のｒ波①は心室の中隔に沿って現れたベクトルで、次のＳ波②は北西軸に大きなベクトルなので心室の興奮と考えるとここまでは左脚前肢のブロックかなと思います
次の変曲点③は右軸に偏位し、次のS'波④は明らかに右室側に大きなベクトルがあります
③～④の幅が大きいのは刺激がゆっくり伝導してるということなので、これは右脚ブロックによるものと考えられます
このことから、この波形は「左脚前肢ブロックと右室ブロック」の2枝ブロックではなかろうか？
と言うことになりました
3枚目の図は、伏臥位になった時のもので、ｒSｒ’波形がはっきり出てきてます
1枚目は、立位、座位の時のものです

特に知りたいのがこの波形の臨床的意義です
分かる方、その発生要因、病態、治療などで、教えて下さい