フラクタル　プランツコミュの植物との会話

この世界が誕生する以前から、その使命を後世に受け継いできた植物。

植物は、動くことが出来ないだけで、笑いもするし、悲しむこともある。

お酒を飲ませれば酔ったようにもなるし、音楽を聞かせればその音に反応して、生育も良くなる。

我々人間よりも長きを生きている樹木達は、その感情を常に我々へ向けて発信している。

しかし、現代社会に紛れ込んでしまった人間は、現在の科学力を持ってして証明されないものを信じようとはしないのだ。

現代の科学は、まだまだ未発達の学問である。

その証拠に、数分後の気象の動きさえもしっかりと予測することが不可能であるのだ。

大気の状態から、局地的な土地の形状、そこに存在する生物相の活動度合いや太陽黒点の動きなど、さまざまな因果が存在している多くの生命圏では、現代のテラクラスの高級コンピューターでさえも凌駕してしまっているからだ。

しかし、いにしえの時代を伝える森の民は、太古の植物の遺蹟から取り出した遺伝子によって、人知を超える能力を手にし、1000年以上も生きている巨木達と会話をしている。

アマゾン奥深くに今だその生を留めるヤノマミ族は、いにしえの植物が残した琥珀の一部を粉として、ウォッカのようなアルコール度数の強力なお酒に溶かし、それを口に含みある幻覚を創り出す。

それは、この地が何ゆえに存在しているのかを、知るために必要なことを教えてくれている。

やがて、木々の枝が目の前に伸びてきて、自分を包み込む。

木々のざわめきが、ある葉の振動による共振として伝わってくる。

そして、その懐に託した植物の声明を伝えてくる。

あらゆる植物達は、一度、自分を傷つけた者を、しっかりと記憶している。

そして、自らの種を守るために忌避物質を身体より発生させる。

植物は、人間のように脳を持ち、考え、対処する。

我々が、太古の生命より進化してきた過程を、植物はつぶさに見届けているのだ。

われわれが考えている以上に、植物は知的で高度な生き物なのである。

進化の過程で、われわれが失っていった能力を、植物達はしっかりと携え、その能力をいかんなく発揮して、生命の輪を繋いでいる。

我々が、現代の生活によって失われていった、無意識の能力は、その目の前にある植物達が引き継いでくれている。

多くの遺伝子の輪が、我々を創り出し、我々の体内に宿す60兆個の細胞の一つ一つが、かつて、経験してきた４６億年と言う地球の変化を身に刻んでいるのである。