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伊東の雑情報(^^♪コミュのハイビジョン放送

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今日のお話は「スーパー・ハイビジョン」日本というよりはNHKの関係者は全世界的に標準的な呼称と思われる高精細テレビ:HDTV(ハイ・デフィニッションTV)ではなく、「ハイビジョン」という呼称の普及にご熱心です。

歴史的にミューズ方式の「アナログ・ハイビジョン」、BSデジタル放送の「デジタル・ハイビジョン」そして、デジタルシネマの品質を達成する「スーパー・ハイビジョン」と最先端の技術を全世界に普及啓蒙するべく努力をされてきました。

その経緯は小説かドキュメンタリー番組にすれば、何本かの大作を上梓できそうな「血と汗と涙の物語」なのですが…過去の話はともかくとして、今回のNAB2006ショウにて展示された「スーパー・ハイビジョン」の映像展示は世界中の放送業界人にとっても驚愕に値する展示内容として印象に残ったことと思います。(英語のカタログ表記は、Ultra high-Definition TV Systemとなっていましたが…)

この展示は、2005年3月25日から9月25日まで開催された愛知万博にてお披露目されたものです。九州国立博物館には常設展示されているようです。 

昨今のデジタル・ハイビジョン放送を受信する市販のプザズマTVやLCDTVの画面は、1280x720、1366x786,1920x1080という画素数ですが、スーパー・ハイビジョンにおいては7680x4320という超高精細な画面を実現しています。
NAB2006のメイン会場には、このスーパー・ハイビジョンを撮影するカメラ、編集・録画装置、映像伝送装置、映写設備などが統合展示され、大きな話題を呼んでいました。その映像の迫力は、初めてフィルムベースの映画館で得られる映像品質を凌駕したとも言えるもので、今後の放送業界と映画業界の役割分担、ビジネス・ドメイン、映像表現そのもの可能性などの革新をもたらすものとなるでしょう。

この映像を自ら体感したい方は、2006年5月25日に予定されているNHK技術研究所(世田谷砧)の一般公開日に訪問されることを是非お勧めします。その技術の概要は、5月20日午後7:00に放映予定(5月23日にも再放送)のテレビ番組NHK教育TV: 「サイエンスZERO:最先端テレビが開く未来」でも紹介されるました。

7680x4320という画素数は、デジカメで言うところの33Mピクセル相当ですから、最高峰のデジカメ(Canon のEOSD1SやNikonのD2X)と比べても2倍から3倍の画素数で、なおかつ静止画ではなくビデオ映像として処理するにはいくつもの卓越した技術が必要となります。NHK放送技術研究所の発表通りにNAB2006会場で展示されたデモ構成を自分の眼で見て、お話を伺った内容を整理しますと…

まず映像を撮影する池上通信機製カメラは、フジノン?製高精細対応のレンズで受光する素子(MicronTechnology製CCDの前にRGBに分光するプリズム・ブロックがあります。昨今の家庭用ビデオカメラでもRGB3CCDという表現をたびたび見ることと思いますが、R:赤、G:緑、B:青を分光してそれぞれのCCDデバイスで受光する際に、G:緑は感度が弱いために2つのCCDを使って、RGB各1個にもうひとつG:緑を追加した4個のCCDで受光しています。それを分光するプリズムはフジフィルム殿の卓越した技術で2つのG:緑の受光素子はマイクロ・ナノ・メーターレベルの位置調整をしてプリズムで分光されます。

4つのCCDで受光されたデータは、16本のHD-SDI信号で非圧縮でデジタル信号が送出されます。個々のHD-SDI信号は1.485Gbpsですので、16本まとめるとその伝送速度は24Gbpsとなります。
16本ものケーブルSDIケーブルを引き回すのは大変なので、この信号を16波の光信号に変換し、高密度波長多重方式を実現するのが写真2の池上通信機製カメラに接続されたアストロデザイン製のボックス(VP-8411)の役割です。このボックスは聞くところによると、それぞれのCCDから送り出される16本のSDI信号を1本の光ファイバに多重変調するだけではなく、いくら精密なプリズム分光と受光素子の位置を調整しても避けることのできない撮影レンズの色収差(レンズの中心では光は真っ直ぐ届くのでRGB各色同じ点にフォーカスされますが、画面の端に集光する映像はレンズを斜めに通るので当然プリズム効果で7色に分光します。その各色の分光を最小限にする技術が色収差を補正するレンズ設計技術で1枚のレンズではなく、複数の凸レンズ、凹レンズを組み合わせて色収差を補正します。
一般に静止画を撮影するデジタルカメラの場合は、人間の目線が中心もしくは人の顔などの興味のある場所に意識が集中しますが、スーパーハイビジョンによる300インチや400インチの巨大ディスプレイでは自分の座った正面が画面の端にあるとか、映像の表現上が面の端に人間の視線が集中するなどということもあります。その時に、画面の端に移っている映像は7色に分光して多重に見えると興ざめなわけで..それを修正する補正回路…を光学的処理だけではなく、デジタル処理の伝送を画面周辺で遅延させることにより色収差を補正するという卓越した技術(イメージプロセッサ、VP-8400)が活かされています。
光に変換された信号は200Kmを超える伝送を可能にし、2005年11月に千葉県鴨川からNHK技研に伝送実験をするということも達成されたそうです。NAB2006の会場では、展示ブースに展示された4Kカメラ(7680x4320)だけではなく、展示会場の屋根に設営したカメラで撮影したラスベガスの映像を会場内で中継するという実演もされていました。伝送途中で、4Kビデオを2Kビデオ(3840x2160)にダウンコンバートするマシンとしてとしてエレテックス殿のAVマルチプロセッサ等が活用されています。エレテックス殿の関連製品は他に、音声と映像のそれぞれの遅延を修正するタイムラグアジャスターでも有名です。

カメラで撮影された映像を、光ファイバにて伝送される映像23Gbpsの映像を非圧縮のまま録画するという、とてつもない装置の展示がありました。この録画装置は、日本の計測技術研究所製のUDR-20E/20SでHD-SDI信号から4096x2160、さらに最大レートでは、7680x4320レベルの非圧縮映像信号をハードディスクに録画します。

23Gbpsの非圧縮光伝送と、音声(22+2マルチチャンネル音響、各チャンネルごとに48KHzサンプリング、24bit相当)をIP伝送するための、「スーパーハイビジョン符号化装置」の発表が2006年3月2日にNHK殿よりレリースされ、NAB2006で公開されていました。テレビ番組をIP伝送する技術は、現行のデジタルHD(18Mbpsから24Mbps)でも難しいと思い込んでいる多くの人にとって、非圧縮で23から24Gbpsの映像が180から640MbpsのMPEG-2にエンコードされIP伝送されるということは、まさに夢が現実になったような驚愕を持ってNAB2006の来場者には受け止められたことと思います。

これを実現したボックスはNTT殿の4チャンネルHDTV CODEC(SHR)のES8000(エンコーダ)、(トランスミッタ)とDS8000(デコーダ)です。この製品を含めたNTT殿の総合展示は次回にでも詳細をアップしますが、このカタログにあるように次世代の映像伝送技術の中でNTTおよびNTTエレクトロニクス殿が果たしている放送業界への貢献度合いを垣間見ることができる展示でありました。

映像がIP伝送され複合装置にかけられた後は、会場内で映写するためにJVC製の4Kシネマプロジェクタ。こちらは、愛知万博以外にCEATEC2005の特設会場の特設会場でその迫力を体感された方もおられることでしょう。DLA-X1というD-ILAデバイスを使用した2Kプロジェクタ(4096x2160)を0.5画素ずつずらして4K出力(4320本)にしたものです。単純に0.5画素ずらすと表現しましたが、会場で2台設置されたプロジェクターを正確に0.5画素ずらすというのは大変な作業だそうです。

そして映写するスクリーンは、キクチ科学研究所のモノ、この分野では海外製品としてステュワート、日本から大日本印刷なども名乗りを挙げていますが、玄人好みのキクチの映写幕、スーパーハイビジョンにおいても健在なり、という感でありました。
このように、世界に誇る日本の次世代放送技術は、沢山の日本メーカーの努力の結晶から成り立っている総合技術であります。
ご興味のある方は、今晩放送予定のNHK教育TVサイエンスZERO(再放送も予定あり)を是非ご覧になり、5月25日のNHK技研一般公開日に足を運ばれては如何でしょう? 5年後10年後のテレビの姿を自ら体感することができるかもしれませんよ!!

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