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投資のドリームフィールズコミュの【ミニコラム】EU成立50周年と今後の展望について

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 3月25日、EU(欧州連合)はその全身であるEEC(欧州経済共同体)の設立を定めたローマ条約の締結(1957年)から50周年を迎えました。この間、EUは発足当初の6カ国から計6回の拡大を経て27カ国まで増え、人口4億8800万人、GDP13兆6000億ドル(2005年実績)と、いずれも米国を上回る巨大な経済圏に成長しました。加盟国の拡大だけでなく、EUは市場統合に伴うヒト・モノ・カネの自由移動や通貨統合などによる統合の深化を進めるとともに、特定多数決制の導入によって意思決定の効率化を図ってきました。
 この50年間、EUはいろいろな紆余曲折こそありましたが、拡大と統合の深化により、世界の政治・経済の流れの中で多くの面で米国と対等に渡り合えるようになるまでプレゼンスを高めてきました。しかし、節目の50周年を迎えた今日、今後の展望という意味でEUの前途に大きな困難が横たわっていることも事実です。
 現在のEUの基本条約であるニース条約では、加盟国の数を最大で27までしか想定していません。よって、EUが今後クロアチア、セルビアといったバルカン諸国やトルコまで領域を広げるためには、凍結状態となっているEU憲法条約の成立が不可欠であると思います。統合の深化という面でも、特に2004年5月以降、西欧諸国との経済格差が大きい中・東欧諸国が加盟したことによる支障が目立ちます。例えば、EUがこれまで達成してきたはずの加盟国間におけるヒトの自由移動に関しても、多くの西欧の加盟国が(暫定的ですが)中・東欧といった新規加盟国からの労働者の受け入れを制限しています。また加盟国が多くなったということは、それだけ意見の集約が難しくなったということでもあります。特に、共通エネルギー政策など決定に全会一致が必要な重要案件では、加盟国間の意見の相違から合意が得られないケースも出ています。
 こうした中、EUは3月25日に開催した非公式首脳会議で統合の将来像を示す「ベルリン宣言」を採択し、政治・経済統合を一段深化させるための枠組みを2009年までに立ち上げることなどで合意しました。これは現在凍結状態にある憲法条約を2009年までに修正した上で成立させることを目指したものです。ただ、2005年の国民投票で憲法条約を否決したフランスとオランダにおけるその後の国民世論の動向に加え、憲法条約の内容を修正することによる新たな調整の難航も予想されています。仮に2009年までに新たな憲法条約が成立し、EUのさらなる拡大に展望が開けたとしても、加盟国間の経済格差の縮小や完全なる市場統合の実現、そして27カ国中13カ国の参加にとどまっているユーロ圏の拡大など、統合の深化に向けて残された課題は多いです。

コメント(1)

久しぶりに来ました!
いやー、勉強になります。
私の頭の中では、EC=ヨーロッパ共同体のまま時間が止まっています。30年くらいズレていますね。まずいです。。。

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