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公民館建築研究会コミュの日本最初の公民館:妻籠

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小林文人先生が発信しているメールマガジン「南の風」で以下のやりとりをしました。半分公開のメールマガジンなのでここに紹介させていただきます。


<妻籠、湯布院など−その公民館の水脈>
 先生の妻籠への関心の展開を楽しみに、「風」を心待ちにしております。私どもの建築学会が福岡であり、昨日帰宅しました。肥大化した学会では道筋を間違えているような細部研究の発表が相次ぎ、将来指針を考えるシンポジュウムでも、このグローバル化で日本文化が埋没していく勢いは止められない、という諦めが支配的で、公民館を掲げるわれらはシーラカンス状態です。
 そんな中、竹富の住民による地域管理の動向から妻籠に向かって吹く「南の風」の風向きに、なにやらじっとしておれない私がいます。
 私たち建築世界の人間にとって、妻籠は街並保存の聖地です。今年1月94歳で他界された建築史家、太田博太郎博士の関わりから、妻籠の街並復元保存運動がはじまり、現在全国に81ヵ所ある「重要伝統的建築物群保存地区」の先駆け(1976)と成ったことで知られているからです。(このような建築物を保存修復できる大工の育成を目的としているのが私のかかわっている大工育成塾です。)
 この保存運動「妻籠を愛する会」(昭46)に公民館活動がどのように関わっているかネット検索してみますと、岡山商科大学社会総合研究所報24号(2003)に「町並み型観光地の発展構造に関する研究」(捧 富雄)があり、第2章「妻籠の観光地づくりの歩み」で、終戦後東京から疎開してきた文化人十数家族(ドイツ語学者関口存男、社会学者米林富雄ほか)による公民館活動の指導が町並み復元運動の文化的背景にある、とされています。
 同じように開発か在来かということで揺れ動いた町に湯布院があります。全国に先駆け1971年に自然環境保護条例を制定し、リゾート観光開発を拒否しつづけた町です。在来系維持派のブレーンに地元出身の国際的建築家がいます。その町民啓蒙広報誌に「風の計画」があります。公民館を巻き込んで映画祭や音楽祭が毎年開催されています。毎年行う祭りで地域力が鍛えられているわけです。「由布院_湯布院_ゆふいん」記述の仕方で、その人のこの問題に対する立ち位置がわかります。琉球と沖縄のようなもので。
 このような事象に出会うと、まちづくりの文化的背景に公民館活動がある、ということを実証し、広義の公民館の文脈で関連施設を包括して、公民館の存在意義と価値を提唱することが今必要なのではないかと考えてしまいます。公民館で育った人たちが今、まちづくりに関わり次代を切り開いている現実に出会うことがあるからです。それを当人は自覚していないことの方が多のですが、記憶のなかに公民館を宿す人がたくさんいることを前提に、公民館の歴史を検証し、今ある居住環境整備計画に、それは公民館60年の歴史が歩んできた道筋だよ、と示唆を与える仕事が待たれているのではないかと感じています。

★<桐箱に収められた公民館史料−妻籠レポート4(ぶ)>
 ときに「風」が激しすぎると、顰蹙をかい、緩やかすぎると手応えがない。しかし、いつも誰かが読んでくれている、この一点だけに妙な確信をもって、10年ちかく風を吹いてきました。どこかで、誰かが、読んでいる・・・有り難いことです!
 妻籠の公民館と町並み保存の歩みに関わって、建築学者の浅野平八さん(日本大学)より刺激的なメールを頂きました。「…なにやらじっと
しておれない」など、冥利につきます。こちらこそ、いくつもの示唆をいただいて、じっとしておれず、また妻籠について書き始めました。風1897号「妻籠公民館の歩み」の続き、いくつか資料紹介的なことを。8月24日、わずか1泊だけの妻籠訪問でしたが、木曽谷と妻籠の公民館関係者との出会いがあり、資料についてもたくさんの収穫がありました。なによりもまずは南木曽(なぎそ)町博物館(1995年開館)の収蔵資料。戦後については「公民館運動の高まり」「町並み保存への昇華」「保存事業の推進」「全国町並み保存」等の諸テーマによる独自の展示。地下収蔵庫が圧巻! 学芸員・博物館長でもある遠山高志・教育長の並々ならぬ執念を感じました。戦後この地に疎開してきた故米林富男氏(東洋大学、社会学)の息子さん・時雄氏からの寄贈資料(36点)が桐箱に収められています。一枚ずつ見せていただきました。そのなかには、歴史的な「妻籠公民館々則」(1946年9月8日)も。初代公民館主事だった勝野時雄氏(風1897号に既報)から米林先生に渡されたもののようです。米林資料については遠山教育長の論文(「わが国第1号の公民館とは」月刊公民館、2004年4月号)があり、また初期公民館活動から町並み保存運動への展開についても貴重な労作がまとめられています。あわせて早稲田大学・大槻宏樹グ
ループによる妻籠調査報告も再発見しました。(次号へ)

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