渦にも生成の原因が色々ありますが,円柱や角柱などの(Bluffな)物体後流で背圧を作っているのは,カルマン渦です(中口,J. Japan Society of Aeronautical Eng. 16).
円柱でもReynolds数が40〜50程度以下ではカルマン渦が生成されないことにも見られるように,所謂「渦」の生成は剪断層の不安定性に起因します.カルマン渦は,2つの剪断層が合流する「後流よどみ点」が主流直角方向に振動することによって安定化するので,「2剪断層不安定性に起因する渦」等とも言われます.流れにある種の刺激を与えてやれば,片側の剥離剪断層も渦となって安定化する現象が見られます(1剪断層不安定性に起因する渦).
かいつまんで言うと,剪断層(速度勾配が極めて大きい層)は状況によって所謂(回転を伴ったように見える)渦という形をとった方が,「安定な状態」だということです.