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幻想生物 コミュのパマ‐マパ

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パマ‐マパ(pama-mapa)とは南インド諸島最西端のとても小さな島、ロズモレ島にのみ生息する甲虫である。
この島は他の陸地や島と遠く隔たっているため、固有種が動植物を問わず比較的多く見られるのであるが、パマ‐マパは元々この島に古くから存在したロズモレビワ、島の言葉でpamaと呼ばれる植物に付随して発生したと言える。

ロズモレビワは我々がよく知るビワの仲間で、その成木にはグァバのような紅色の果実が一年中たわわになる。しかし、その実は大変強い毒性を持っており、島の生物はそれを知っているため、果実を口にすることはない。

パマ‐マパは天敵から身を守るために、pamaの果実にmapa(擬態)するので、そのような名前で呼ばれている。
その方法は少し変わっている。二匹のつがいが向かい合い、互いに足を絡め合って密着し、一つの果実を模すのだ。
パマ‐マパは蛹から成虫になると、真っ先に一匹の異性を見初めてつがいになり、二匹は仲良く寄り添いながらロズモレビワの樹に登っていく。そしてそれぞれに二本ずつある、がっしりとした褐色の前脚を束ねるようにして果柄を模し、先に記した体勢をとって枝からぶら下がるのだ。

二つの丸っこい半球形の背中を全面に露出し、遠くから見れば天敵の目を欺けるであろうその擬態も、近くで見れば不完全であることが分かる。つまり、二匹の体の境界に隙間が出来てしまうためである。
それでも、恋人たちは可能な限りぴったりと密着して擬態を続ける。時折周りにあるロズモレビワの葉をちぎりとって折り畳んでは二人の体の間に抱きこんで隠し、それを少しずつ食しながら、彼らは文字通り寝食を共にする。
先にも記したが、パマ‐マパは成虫になってすぐにつがいをつくるため、それぞれの体は成長過程にある。そして、共同生活を続けていくうちにそれぞれがそれぞれの不足部分を補って成長し、見紛うことなきロズモレビワへの擬態を完成させるのだ。

そうして、恋人たちは巧妙精緻に互いの境界を埋め合って成長を終えるため、他の異性と同様の関係を育むことはない。最後まで身を寄せ合って、抱き合ったまま、死んでいく。そして息絶えると、彼らは二匹揃って地面に落ちるのだ。

しかし極稀に、枝にぶら下がった状態のまま死に絶え、時間の経過と共に二匹の体が癒着し、完全に一つのものになることがあるという。

ところで、島民はロズモレビワの果実をそのまま食することはないが、火を加えて毒素を飛ばし、大変美味な、甘酸っぱいジャムを作る。そのため、ロズモレビワ狩りを定期的に慣行しているのであるが、その際にそういったつがいの死骸が誤って収穫されることがある。
島民はそれを村に持ち帰り、乾燥させて標本にし、大切に保管する。彼らはそれをラバ‐パマ‐マパ(loba-pama-mapa※完全なパマ‐マパ)と呼び、婚礼の儀式の際は祭壇に捧げ、夫婦の永遠の愛を願うという。

コメント(5)

宿る…、とても心地のいい言葉に思えます。意味も、響きも。

この作品の題名は何というんですか?何とも柔らかい絵です。
一つ目のコメントのような経緯を知ると、やはり「宿」がふさわしいと思えます。
作品名というものは面白いもので、一度名付けてしまうと、それ以外の名称が付くなどとは考えられなくなるものではないでしょうか(特に名付けた当人にとっては)。のみならず、名前というもの全般において、そういえるかも知れません。

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