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幻想生物 コミュの幻想生物のはなし

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取り扱っている書店は殆んど見かけませんが、空島出版という出版社の発行する書物は幻想生物を扱うものが殆んどです。
ここでは、自分の所有している空島出版社の書物のうちから、特に印象深かったものを抜粋して掲載したいと考えております。

管理人様へ:
コミュニティの趣旨にそぐわないようでしたら、お手数をお掛けしますが削除頂くようお願いします。

コメント(3)

「コケムシについて」

コケムシ(苔虫)とは濃い土色の、大きな瘡蓋のような背中を持つ全長3〜4cmほどのとても扁平な甲虫で、その体はよく肥えた土と似た成分で形成されている。

彼等は主に日陰で暮らし、土や枯葉、小さな虫を食べながら背中に本物の苔を生育させる。そして、背中に立派な苔を生やしたコケムシは、実際に苔が密生している場所へ赴いて屈み込み、殆ど身じろぎもせずに食事したり、排泄したりするのだ。

より巧妙に苔の中へ潜んで外敵から身を守れるよう、彼等の羽根は退化して無くなり、苔の中で動かなくても四方を見渡せるよう、彼等の青みがかった黒い小さな両目は離れて付いている。

6月〜9月にかけて彼等は繁殖期を迎えるので、その時期に木陰で密生した苔が動いているのを見ると、それが大群を成して生殖行動を行っているコケムシ達であると判別出来る。

ところで、私が幼い頃に両親と京都を旅行した際、ある古寺を訪れた。私がはしゃぎ回っていると、出し抜けに一面の苔の絨毯がざわざわと蠢きながらあちら側へ移動していくではないか。そのとき、私は肝を潰して泣き出してしまったが、今となってはそれが繁殖期のコケムシの大群であったと断定出来る(それにしても、稀に見る大規模な群れであった)。しかし、コケムシはあのとぼけた風貌にかかわらず意外と機敏に動くので、幼少の私が恐ろしく感じたのも無理はないように思う。


(空島出版『虫のはなし』より)
ありがとうございます。
確か、方舟さくら丸にも出てきたユープケッチャですね。
失念していましたが、ご指摘によって思い出しました。
あれは極めて細部に亘る、非常に面白い発想でした。

文章表現、これからも続けたいと考えます。こちらこそ宜しくお願い致します。

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