ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

がんばれ!!がんになった犬猫たちコミュのイヌの脾臓の血管肉腫について

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
私は、2頭の犬を血管肉腫で亡くしています。
でも、血管肉腫について、中々書いたりまとめたりができないでいました。

今回、ある件で、自分なりに整理したので、こちらにもアップしておきたいと思います。

間違いなどがありましたら、ご指摘下さい。


http://www.noah-vet.co.jp/jouhou/kekkanniku.htm
に、とても簡単な説明があります。
こちらにありますように、非常に残念なことですが、犬の脾臓の血管肉腫は、進行がとても早くて、あまり予後に期待できない病気です。

イヌにおいて脾臓は血管肉腫が最も原発する部位です。
急速な成長と広範囲な転移を特徴とします。
老齢のイヌ(平均9〜11歳)が多く罹患します。
脾臓の血管肉腫と右心房の血管肉腫が同時に発生することも25%近くみられます。
脾臓のマスの3分の1〜2は悪性腫瘍で、その大部分が血管肉腫です。

虚脱、腹腔内出血、食欲不振、無気力、腹部膨満、嘔吐、患部過敏、下痢、貧血、全身性虚弱などがみられます。
血管肉腫では有棘赤血球、分裂赤血球、有核赤血球などの赤血球の形態変化がよく認められます。
分裂赤血球に赤血球断片化、微小血管障害、DICが伴います。

早期に肝臓に転移し、腹腔内で大出血を起こしやすいですし、心臓への転移も多い病気です。

早期発見は非常に困難な病気です。
ステージ分けがされていて、
ステージlは、脾臓内のみ
ステージllは、脾臓の破裂(腹腔内への出血)局所リンパ節への転移が伴うこともある
ステージlllは、腫瘤は大きく遠隔転移あり
です。

術中もしくは、術前に亡くなるケースも多いがんですが、外科手術のみで尚、2週間以上生存しているイヌ(ステージl及びステージll)で、他の治療をしなかった場合、
32頭のデータ中、生存期間中央値は83日間(平均116日、範囲14日〜470日間)で、術後1年間生存したイヌは、わずか2頭でした。
全てのイヌで、転移性疾患が圧倒的な死因でした。
このデータのイヌでは、脾臓は裂の有無、貧血、術後不整脈の存在、輸血の有無などは、生存期間に影響しませんでした。

ですから、出血が多くなくても、脾臓だけに限局しているように見えても、それは関係なく、厳しいことが考えられるがんなのです。

このがんが脾臓に発見された場合、第一選択は脾臓摘出術になります。
右心房にも腫瘍がある場合が多いため、超音波で右心耳のマスの存在を確認します。
脾臓と右心耳の療法に血管肉腫が発生しているイヌでは脾臓だけの発生より、肺転移を起こしている可能性が高くなります。
右心耳が侵されていない脾臓血管肉腫のイヌ19頭の内、15頭(79%)で転移が認められ、肝臓、大網、腸間膜、又、腎臓、膀胱、小腸、横隔膜、副腎、腸間膜リンパ節にも発生していました。

血管肉腫の確定診断は外科手術後の組織検査になります。
吸引細胞診や、針生検は、ほとんど役に立ちません。しかも、このような検査をすることで出血する危険性が高くなります。

外科手術によって、腹部膨満を軽減し、原発性腫瘍からの出血を止めることによって緩和をもたらすことがあります。
しかし、転移病巣が急速に成長するため、生存期間の延長を望むことは、難しい病気です。
術中の出血によるショック死なども考えられますし、不整脈が見られる場合もあります。
生存期間は、術中の安楽死、術期の死亡が多いため正確ではありません。

化学療法について

★ドキソルビシン(アドリアマイシン)単剤
★VAC療法
などが行われていますが、抗がん剤治療は、あまり効果が期待できず、短期間の延命が得られる程度です。

VAC療法とは、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シクロホスファミドの組み合わせです。
血管肉腫に対し、VAC療法も、ドキソルビシン単剤も、又、ドキソルビシン用量強化も、いずれも、大きな治療効果の差は得られませんでした。

脾臓血管肉腫の化学療法は、米国でもいろいろな組合せでの併用が、現在、検討中のものが多いようなのですが、アドリアマイシン(=ドキソルビシン)単独での効果を上回るデータが出てきていない。

http://www.vin.com/proceedings/Proceedings.plx?CID=WSAVA2002&PID=2639

=====
Many studies evaluating the results of chemotherapy have been
published. Over the past years, recommendations on medical treatment
have shifted from combination chemotherapy to single-agent
chemotherapy, because the former had no strong survival advantage
compared to doxorubicin therapy alone (table 1).
=====

http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Lucky/4641/syuyou.htm
■イヌの血管肉腫で、用量強化ドキソルビシンプロトコールの効果と毒性
Efficacy and Toxicity of a Dose-Intensified Doxorubicin Protocol in Canine Hemangiosarcoma
J Vet Intern Med 18[2]:209-213 Mar-Apr'04 Original Study 25 Refs
Karin U. Sorenmo, Jennifer L. Baez, Craig A. Clifford, Elizabeth Mauldin, Beth Overley, Katherine Skorupski, Roxanne Bachman, Marisa Samluk, and Frances Shofer

この研究の目的は、イヌ血管肉腫(HSA)の単剤用量強化ドキソルビシンプロトコールの効果と毒性を評価することである。イヌ血管肉腫は悪性度の高い腫瘍で、ほとんどの罹患犬は診断から6ヶ月以内に死亡する。ドキソルビシンは、この悪性腫瘍に対し、おそらく唯一最も効果的な化学療法剤であるが、生存率を中程度改善するだけである。単剤、ドキソルビシンベースの多剤化学療法、累積投与量強化の概念としてドキソルビシンで治療したイヌで、同じような生存期間を報告している過去の研究をもとに、投与量強化単剤ドキソルビシンプロトコールを開始した。血管肉腫のイヌ20頭を研究した。精密検査とステージングを標準診療に従い実施した。ドキソルビシンの投与計画を、2週間毎の30mg/?IV合計5回の治療とした。化学療法中とその後規則的な間隔で、毒性と再発の症状をモニターした。そのプロトコールによく許容した。副作用や、ドキソルビシン誘発心筋症の臨床症状を起こして入院したイヌはいなかった。ステージIII(107日)の血管肉腫のイヌに比べ、ステージI(257日)、II(210日)のイヌの生存期間に有意差が認められた。それらの結果は、毒性と効果に関して従来コントロールされたものよりわずかに良いが、標準治療のものと有意差はなかった。用量強化と結果に相関性はなかった。(Sato訳)

尚、ドキソルビシンには、心毒性があるのですが、サイクロフォスファマイドとの併用で、より増悪するなど、単剤使用より副作用の心配はより大きくなります。

ドキソルビシンの副作用は、
・血管外への漏出による組織壊死
・不可逆的な累積的な用量依存性の心筋毒性(遅延的なうっ血性心不全も含み治療に反応しないことが多い)
・急性な生命に危険のある不整脈
・骨髄抑制
・悪心、嘔吐、下痢、大腸炎 など

ドキソルビシンは尿中に排出されるので、その管理には注意が必要です。

血管肉腫は、転移率が大変高いため、化学療法を行うことが考慮されますが、化学療法の強い副作用と、がんによる腫瘍随伴症候群とのかねあいが、とても大事になります。

血管肉腫の治療効果が低いため、色んな治療方法が検討されています。

★アバスチン
アバスチンが、獣医学でも、血管肉腫の治療に有効ではないかと考えられていますが、実際の使用段階にありません。
http://2nd-opinion.jp/jouhou/mishonin_setumei_avastin.htm

★サリドマイド
多発性骨髄腫のサリドマイドも、実験的治療ですが、使用されている先生がいらっしゃいます。

★免疫療法
大学では治験レベルですが、杉並犬猫病院http://www.sah.cc/ では、積極的に治療に取り入れられています。

他の治療法の選択肢が少なく、化学療法が有効でなく悪性度の高い腫瘍が、治療の対象となります。
完治を目的にした治療方法ではありませんが、QOLの向上が期待できる可能性があり、転移の予防や寛解期間の延長が期待できるかもしれません。

私が、くっくの際主治医にご相談した時、先生は、

「アドリアマイシン単独療法、VAC療法、インターフェロン、そして、サリドマイドや、免疫療法、肝臓から出血した場合の再手術などの積極的治療、姑息的治療も含めて、今後の治療に何を選択されるのかは、それぞれの方の治療への考え方や、求めるものや、倫理観や色んなことによって、違ってくるものなので、よく考えられて下さい」
と、言われました。
その上で、私の希望にそえる形で対応したいっという風でした。
「色んな治療についてや、それを行っている病院も、ご存知だと思うので、セカンドオピニオンが必要とお考えなら、そうして下さい。」
「もしもし、自分の犬が、と考えた場合、他のガンと違って、血管肉腫の場合は、もしかしたら、私は何も治療をしないことを選ぶのではと思います。」
・・・ともおっしゃっていました。
又、
「専門の先生は、新しい治療をチャレンジしていくお立場にある先生で、その治療に協力される飼い主さんがあってこそですが、ご自身は、一介の一般動物病院なので、データがあり、治療効果が確かな治療以外は、チャレンジ的な治療はできない。ただ、ご希望される場合はセカンドオピニオンをなさって下さい」
・・・ともおっしゃっていました。

先生のご推奨される治療方法は、それぞれの先生によって違うことが考えられます。
同じ抗がん剤でも、その量や回数も変わるかも知れません。
それぞれの先生が治療方針が違っても、それぞれの先生のどれもが間違ってはいないのです。
御家族の決断が正しい治療方法になるのだと思います。

その治療方法の希望がどの程度なのか、リスクはどうなのか。他にもっと希望できる治療はないのか。他の先生なら、どんな診断をするのか。
こういったことを、セカンドオピニオンなさったり、調べられ、考えられて、決断なさることが一番と思います。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

がんばれ!!がんになった犬猫たち 更新情報

がんばれ!!がんになった犬猫たちのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。