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セイヤーズ読書会コミュの「雲なす証言」について語ろう。

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「誰の死体?」事件後、コルシカで3ヶ月を過して文明世界に返ってきたピーター卿が手にした新聞には「デンヴァー公爵を逮捕、容疑は殺人」とあり、殺されたのは妹メアリの婚約者。当然の様にピーター卿が捜査に乗り出します。

アリバイを黙秘しつづける兄ジェラルド、誰かを庇っている風な妹メアリ、兄嫁から「誰もがあなたのように無神経なわけじゃありません」と評されながらも、「我が家の探偵」として嗅ぎ回り始めたピーター卿ですが、妹は自分が殺したと言い出し、ピーター卿にも危険が付きまといます。シリーズ中、屈指にピーター卿が命の危機にさらされる回数の多い作品ですが、その一方でウィムジイ家の3兄妹の距離が近づいていく事が眼に見える作品でもあります。

特に、先代公妃・ピーター・メアリ・パーカーの四人が病室で行った「めちゃくちゃな尋問」は白眉。切れて感情を剥き出しにするピーター卿、自分の恋人に対する意外な評価にうろたえるメアリ、相変わらずに的を得て辛辣な先代公妃と家族の会話に置き去りにされるパーカー。銃撃、荒野でホッグにはまる、飛行機で厳冬の大西洋横断と、ピーター卿も珍しくタフな一面を覗かせています。

そして衝撃的な事件の終結。少々御都合主義的に事件が収束するのはシリーズが長く続く為には必要だったのかも。

私が一番好きなシーンは先述のシーン。特に先代公妃によるゴイルズ評が最高。
「相続財産を信じてらっしゃらないお気の毒なゴイルズさんが、不労所得をお受け取りになるとは思えないけれど」
この言葉は名言です。いつでもそうですが、先代公妃が会話に加わることで会話に三分程の毒が混じって刺激的になります。

ウィムジイ家の人々の魅力が存分に発揮される作品だと思います。

コメント(24)

家のは箱に入って物置のどこかなので、図書館で借りてきて読み始めました。

初端の、ピーターが「兄は犯罪学には無関心だし」と言ったのに対するバンターの返事、「何かに興味を持つには、個人的に関わり合うのが一番と申しますから」

読者は「…いや、普通は犯罪には関わりを持ちたくないから」と突っ込みを入れつつ、引き込まれてゆくという算段ですね。

このシリーズに合うのは柿ピーではなく、紅茶とショートブレッドかな。
>8さん
どうもありがとうございます。
いま読んでいるところは、メアリが突然ロンドンへ出てきてパーカーに告白し、翌日、負傷したピーター卿と急遽やってきた先代公妃を交えて話合いの場(8さんの真ん中へんに書いていらっしゃるところ)。その真っ最中です。
読むのは何度目かになるのですが、今回も新しい発見があって楽しいです。発見と言ってもなにも新しいことではなく、インピィ・ビッグズ弁護士は最初こうだったのかと、改めてうなづいたり。

>ひろこさん
お宅の物置を開けたらどっと本が溢れ出すやろなぁ。こわ〜
今回はバンターがたくさん出てきて楽しい。メアリのスカートから血の跡や砂やら証拠を盗む(?)腕の確かさには笑わされます。

そりゃ、紅茶やね、もちろんフォートナム&メーソンの。ショートブレッドかスコーンもいいなぁ。
>ひろこさん
そうですね、寛ごうとしたピーター卿がバンターの早手回しでロンドンへと向かう所から、グイグイ引きつけられてます。

紅茶はpotで用意しておきたいですね。
貰い物のharrodsの紅茶缶を開けようかな…

>kumikoさん
ずさんな粗筋で申し訳ありません。

そこから事件と共に人間関係も急展開しますからね、
何べん読んでも面白いのは殺人事件の真相だけが軸ではなく、人間の造詣等に強く踏み込んだ作品だからだと思います。
判っていたようで見えていなかった部分が再読の度に見つかります。
ようやく「雲なす証言」を読み終わりました。
いちばん気に入った言葉をご紹介。
341ページの、サー・インピィがマーブルズ氏に言った、
「むだですよ、マーブルズさん。進歩的な若い女は時と苦労で飼い馴らせもするが、進歩的な年寄り女は人間の力で抑えられるものじゃありません」
その境地に早く達したい。
メアリにかかわる男達が悪すぎて、パーカーのいい人振りが際立っている。
メアリは善意の女性だけど、お金があるだけにそれを目当てに寄ってくる男性がいるからたいへんよね。よくも悪くもお嬢様なので、高潔なパーカーに出会えてよかったです。
やっと読み終えました。
これ1冊だけ読むと、メアリはちょっとアホな子に見えてしまう。
…最後でみんな(別の種類の)アホな子になってしまうけど。

ピーターが凄く活躍するのに、美味しい所はバンターが持って行って、えらいチャーミングですなぁ。
メアリはいい子なんだけど、生まれと時代のせいでアカくなったり、ヤケになったり、しっかりせい!とどついてやりたいところもあるけど、案外しゃんとしているところもある、と思う。

バンター! 
ヴィクだってこんなときバンターがいたらって言ってたよね。
みなさんメアリの評価が高いんですね。
実は、私は「ピーター卿小伝」に出てくる一文がメアリの全てを現していると思っています。

曰、「姪のメアリの気まぐれと軽薄ぶりも、警官と結婚して腰が据わるまでは相当なものでした」

これが、深井訳だともっと辛辣です。「姪のメアリは軽はずみな馬鹿であったが、これは警官と結婚して腰が落着いた」
確かに、子供が出来てからは落着いた感じがしてますが、本作では「軽はずみ」は言いえて妙だと思います。
軽はずみとは伯父さんから見ての言葉ですから、別に気にせずに読んでました。
軽はずみな女の子、いいじゃありませんか。私自身が軽はずみな女の子だったので、メアリに甘いです(笑)。
軽はずみの中にも自尊心や思いやりがあったからこそ、パーカーが夢中になったんだと思います。
軽はずみだけど育ちが良い、っていう事ですかね。

ポール伯父は違うように感じているようですが(自分の作品としての欲目もありそうです)、ピーター卿の軽はずみもなかなかなものですけれど、それでも育ちの良さを感じますから。
ピーター、メアリ、先代公妃、パーカー、バンターと勢揃いの、ピーターがゴイルズに撃たれた翌朝のフラットの場面が好きです。
メロドラマそのものの、深夜のメアリ到着場面(パーカーとの対面場面)とうって変わって(そこでもバンターの「御前が秘蔵しておられるブランディですからそうぐいぐいお飲みにならないで下さい」という台詞が利いている)、それこそピーターが軽薄に浮かれ騒いでメアリを茶化し、公妃もてきぱきとメアリの衝動的振舞いを指摘するところが、メアリとパーカーが気の毒なんですけど、笑えます。
Madorenaさん
ほんま、あそこは読むたびに笑えます。
セイヤーズのユーモア感覚はすごい。
デンヴァー公妃のことは徹底的に嫌いという立場で書いているのがおもしろい。デンヴァー公爵のほうはこの後ピーター卿を認めるようになってよかったです。

そろそろ第3作「不自然な死」へまいりましょうか。
3年前に終わってるトピですが、こそっと書き加えさせていただきます・・・。

今ちょうど「CLOUDS OF WITNESS」の真ん中を過ぎたあたり。
メアリがゴイルズ氏に別れを言った場面です。
パーカーがうれしくないこともない様子なのに、にんまりしてしまいます。
この少し前、夜中にパーカーにメアリが告白するあたりからにやにやしっぱなし(笑)。

日本語の方を見てみたら、メアリの言葉遣いが上品でびっくり。浅羽さんすごいですねえ。
もしかしたらこの上品な翻訳でメアリの印象は「軽はずみ」からはずれているのかも。

弁護士のマーブルズ氏のしゃべり方は年配っぽくいい感じです。
マーブルズ氏の昼食にメアリを誘うピーター卿のセリフが、軽くて、それが優しくて好き。
>ジャムリさん

確かに深井訳のポール伯父による、
 「姪のメアリは軽はずみな馬鹿であったが」
という評価はきつ過ぎるのではないかと感じていましたが、
原書で読めばまた人柄が違うんですね。


あいにくと原典にあたる能力を欠いているのですが、
こうしてお話して下さると再読する時の楽しみになります。

そろそろピーターとバンターによる闇夜の冒険の頃でしょうか?



書いてから読み返したのですが、
自分のメアリ評が随分と優しくなっているのを感じましたw
>ジャムリさん
いまいっぱい読む本があるのですが、ジャムリさんの書き込みを読んだら、みんな放りだして「雲なす証言」を読みたくなりましたよ。


>8さん
お久しぶりです。
新しい方による書き込みうれしいですね。

私は「姪のメアリは軽はずみな馬鹿であったが」というのは、身内らしい表現だなと思って読んでました。言われていれば、たしかにきついですね。年取った男性の若い女性を見る目のきつさでしょうか。

私はメアリとパーカーのカップル好きです。
「殺人は広告する」でのふたりが良かったです。
>kumikoさん

お久しぶりです。


ポール伯父によるメアリ評のきつさは、
身内の愛情というよりは世代的な問題と、
(共産主義や女性の自立を受け入れ難い世代でしょう)
なにより“自分が育てた”ピーターへの身贔屓かとw

家族としてはあまり付き合いがないみたいですし。


メアリはシリーズの中で一番変わりましたから、
本作中の若いメアリにも好感が持てるようになりました。
>8さん

>メアリはシリーズの中で一番変わりましたから、

ほんとにメアリが一番変わりましたね。伯父さんが嫌ってたのも無理ないです。
跳ねっ返り娘さんだったけど、根は真面目だった。いかにも貴族の娘さん故の跳ねっ返りって感じでした。私はわりとこういう娘さんが好きです。
やっと「ピーターとバンターによる闇夜の冒険」を過ぎ、
ピーター卿が手がかりをつかんでパリに急いだところまで読みました。

グライムソープ氏も雇い人もみんな訛っているのですが、
グライムソープ夫人だけは、英語でもやっぱり訛っていませんでした。
読みながら浮かんだイメージはペネロペ・クルスっぽいかな。
ピーターが彼女と話すところは、
そっけない最小限の受け答えではあるけれど、
それが余計に緊張感も感じさせて、日本語より好きでした。
こういうシンプルな会話ほど日本語にするのは大変かもしれないですねえ。
「私」か「あたし」で人物像が変わるし、そっけなさを強調し過ぎると蓮っ葉になるし。
彼女はどういうわけか奇跡的に混じりこんだスペイン系の血で、
デンヴァーが抵抗できなかったばかりか、ピーター卿までも驚くような、
黒い豊かな髪に美しい目、カーブした赤い唇、きれいな肌に生まれた田舎娘なわけですが、
翻訳文のしゃべり方よりは、もうちょっと品があるタイプなのではないかと想像しました。
でも訛ってない上に上品な日本語になってしまうと、農家のおかみさんとして不自然すぎるんでしょうね。
それにしてもいったいどうしてグライムソープなんかと結婚することになったんだか。

ピーター卿とパーカーがメアリについて言い争うあたりは、もうクスクス笑いっぱなし。
メアリの援護に関しては、やっぱりパーカーが一番ですね。
この時点で、伯父さんと、恋するパーカーを対決させてみたい(笑)。

吸い取り紙の謎を解明するところは、
フランス語がまったくわからないせいでちんぷんかんぷんでした・・・。
やっと読み終わりました。

グライムソープ夫人がピーター卿を訪ねてきたところ、メアリのセリフの中に
Bunter's always right, you know.
というのがあって、にやりとさせられました。
「バンターはいつも正しい」とそのまま理解したのですが、翻訳文で読んだ記憶がなく、
文庫を探したら
「あの人の言うことはいつも当っていますし」になっていました。
最初、ここはあえて直訳の方がおもしろかったのではないかと思いましたが、
ピーター卿とバンターを知らない人には、言葉が強すぎて変に感じられるかもしれませんね。
ファンとしては、にやりとできる方が楽しいのですが(笑)。

同じ章の最後、kumikoさんのお気に入りのセリフの原文は
Time and trouble will tame an advanced young woman,
but an advanced old woman is uncontrollable by any earthly force.
でした。
大げさでユーモアがありますね!

ストレートなラブレターを日本語で読むと、照れくさいせいか、日本人の体質に合わないせいか、
どうも身を引いてしまうような感じだったのですが(私だけ?)、
キャスカートの最後の手紙も、英語で読むとシモーヌをひたすら愛していたことが伝わりやすく、
彼への同情がわいてきました。この被害者のことも、前よりいくらか好きになったかもしれません。

原書2冊目もおもしろかったです!
3冊目を何にするか、まだ迷っているところですが、
今のところはハリエットとクリンプスンさんの登場する「毒を食らわば」が第一候補です。
>ジャムリさん
私は原書をよう読まないので憶測でしかありませんが、浅羽さんの訳は全体を理解した上で、発言した人の雰囲気に合わせてあるのでしょうね。

Time and trouble will tame an advanced young woman,
but an advanced old woman is uncontrollable by any earthly force.

むだですよ、マーブルズさん。進歩的な若い女は時と苦労で飼い馴らせもするが、進歩的な年寄り女は人間の力で抑えられるものじゃありません。

これもうまいです。私もそうなったると思いましたもん。

「毒を食らわば」の感想を楽しみにしています。
>kumikoさん

個人的にはこの話のメアリーの、
七転八倒してもがいてる姿が好きになってきました。

母や兄や権威なんかに反発して、
自分でイロイロ考えてみて、
実際にイロイロ行動してみて、
母や兄を見てイロイロ考えさせられて、、、、

 “若い時ってそういうものかも”
って考えられるようになってきました。



>ジャムリさん

お疲れ様でした。

英語のニュアンスが解る人には、
訳文と原文の違いを考えるという、
そんな楽しみ方もあるんですね。

少し羨ましいです。
>8さん
「雲なす証言」をもう一度読んで返信を書こうと思ってから1カ月以上経ってしまいました。ようやく読み終えました。おもしろかったです。
メアリーいいですよね。

やんちゃなお姫様が事件に遭遇して、8さんのおっしゃるとおり七転八倒してもがき、そしてピーター卿や先代公妃の導きもあって、終わりのほうではとてもちゃんとした女性になりました。
「妹」をかたちにしたらこうなる(笑)。

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