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化学物質過敏症と栄養療法コミュの栄養療法のミネラルについての説明

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セレニウム


日本の栄養機能食品成分許容範囲:250mcg/day

1日あたりの推奨摂取量:RDA(米国データ-)

   70mcg

米国の栄養療法における最適な健康をつくるためのマグネシウムの男女必要摂取量(米国ODI)

    100−250mcg

      400mcg(栄養療法時の平均値)

ヒトにおけるセレンの生化学的役割は酵素グルタチオンペルオキシダーゼの必須成分としての役割が知られているだけである。セレンはタンパク質のシステイン残基と共有結合してセレノシステインとして、肝臓、赤血球、血小板、他の組織の細胞質およびミトコンドリアに存在している。セレン‐グルタチオンおよびビタミンEは強力な抗酸化薬で、細胞膜の脂質を過剰酸素により産生される過酸化水素(H2O2)の有害作用から守る。セレンの抗酸化作用はビタミンEに類似しているため、セレンの栄養必要量はビタミンEの食事摂取量と反比例している。セレン欠乏症はビタミンEによる治療が有効である。ヒト体内のセレン含有量は10〜15μgに達し、主に生殖腺、腎臓、甲状腺、血漿中にみられる。



病態生理学

 セレンは染色体損傷を予防し、細胞機能を守る。動物においてセレン欠乏は脳機能障害および循環器系、肝臓、筋肉の障害を生じ、胎児の発育に影響を及ぼすと考えられる。疫学的には、セレン欠乏は特定の癌に関連しており、実験症例では、セレン摂取量がRDA(1日所要量)より多く、毒性量より少ない場合に発癌が抑制されることが示されている。ラットを用いた動物試験では、セレンの十分な補給が腫瘍の形成を妨げるということが証明された。セレンを補充しなかったコントロール群のセレン欠乏動物では全例に癌が発症した。統計学的に、癌の発症は土壌のセレン含有量が低い地域において著しく多い Dr. Steven Levine(カリフォルニア州アレルギー研究グループ創始者)はセレンが化学物質に対するアレルギーおよび過敏反応に拮抗することを報告した。

慢性的なセレン欠乏は循環器系疾患、中国の特定田園地域でみられる風土病で克山病として知られている心筋症に関連している。この集団の血中濃度は相当に低く、17μg/Lである。

 通常、男性のセレン必要量は女性と比較して多い。また、米国では1年間の乳児死亡の4分の1がセレン欠乏とビタミンE低値の両方またはそのいずれかに直接関連している。臨床データは、乳児の大部分が男性で、ほとんどが母乳で育てられていなかったということを示している。母乳は牛乳の6倍を上回るセレンを含有している。オーストラリアの研究は、外見上説明がつかない乳児の死亡はセレン欠乏に関連している可能性が最も高いということを示唆した。

セレン欠乏症状

· 感染抵抗性低下

· 成長障害

· 筋組織へのカルシウム沈着(進行性筋ジストロフィー)

· コレステロール高値

· 組織中補酵素Q10低値

· カドミウムおよび水銀中毒感受性亢進

· 肝臓の壊死性変化

· 白内障

· 癌感受性亢進

供給源

 肝臓および腎臓に多く含まれている。セレン含有量の高い土壌で育てられた醸造酵母、ニンニク、玄米、全粒穀物、野菜にもセレンが多く含まれている。水中セレン濃度は土に存在するセレンの濃度によって大きく異なる。したがって、水中セレン濃度は1μg/L以下から50〜300μg/Lにわたると考えられる。セレン化合物は不安定で、ミネラルは調理および加熱中に失われる。


セレンの毒性

 ヒトにおけるセレン中毒はまれである。動物では、過剰摂取によりアルカリ病を発現する。この疾患は潜在的に致命的な肝 臓および神経筋障害を特徴とする。ヒトにおけるセレン過剰摂取(1日400μgを超える摂取量)による中毒症状には、脱毛 、爪喪失、歯牙喪失、皮膚炎、疲労、ニンニク臭の呼気、黄色の皮膚、被刺激性、まれに麻痺などがある。急性セレン中毒では、高熱、急速な呼吸、胃腸炎、脊髄炎、食欲不振を発現する。セレン中毒は極端な場合、致命的である可能性がある。

症状:

· 慢性関節炎

· 黄色の皮膚、斑状歯、歯の損傷

· 脱毛

· 被刺激性

· 皮疹

· 糖尿病

· 肝臓および腎臓障害

· 金属味

· 手指爪の喪失

治療方針

· 1日400μgを超える摂取は中毒症状を発現する可能性がある。長期にわたり治療する場合は1日200μgを超えてはならない。一般に50〜100μgで十分である。

· 小児:年齢および栄養必要量によると、1日50μgまでである。10歳までの小児ではセレン過剰摂取によりう歯が生じる。セレン療法は一時的だけにするべきである。セレン療法は最高4ヵ月間とし、その後は毛髪分析を繰り返すべきである。ビタミンEはセレンの吸収を促進する。

· 硫酸塩はセレンの吸収を減少させ、セレン中毒の可能性を減らす。

· メチオニンは過剰セレンによる毒性を除く。

相乗拮抗作用

大量継続摂取(>2,000mcg/日)によって脱毛、爪の形状障害、嘔吐、下痢、胃痛、ニンニク体臭
ビタミンEの吸収を促進(ビタミンEはセレニウムの吸収も促進する)
空腹時にアスコルビン酸とナトリウムセレンの併用によってセレンの吸収は抑制される可能性がある
治療で金を服用させる場合、セレンの機能に影響を及ぼす可能性がある
グルココルチコイドは血漿中のセレン値を低下させる
疾患への応用

老化
免疫不全
アレルギー
ぜんそく
動脈硬化
前立腺肥大
気管支炎
がん予防
カンジダ症
白内障(予防)
慢性疲労症候群
クローン病
湿疹
不妊症
嚢胞性乳腺症
繊維筋痛症
痛風

肝炎
黄斑変性
乳腺炎
多発性硬化症
骨関節炎
中耳炎
パーキンソン病
消化性潰瘍
月経前症候群(PMS)
乾癬
乾癬性関節炎
リウマチ
統合失調症
全身性エリテマトーデス
子宮筋腫
ニキビ
アトピー性皮膚炎
臨床検査

 血中および尿中セレンの測定値は栄養欠乏症および毒性を検出するために利用される。

血中濃度

 全血中セレン濃度の正常値は100〜190μg/Lである。正常値は環境 の曝露により決まり、低セレン地域ではセレン低値が予測される。静脈栄養法を受けている患者および大部分の癌患者では、血中セレン低値が予測される。肝臓はセレンの代謝において重要であるため、肝硬変および肝炎患者も血中セレン低値を示すことが知られている。生理的調節のため、血中セレンの測定値はセレンの毒性を評価するのに有用ではない。

尿中濃度

 尿中セレンの測定値はセレン中毒の指標としては血中測定値より望ましい。体液で見られた最高セレン濃度は4900μg/Lで 、セレン粉塵を吸入した作業者で見られた。尿中セレン濃度は100μg/L未満であるべきであるということが示唆されている。

毛髪、爪中セレン高値の意義

 セレン含有フケ防止シャンプーにより毛髪中濃度は間違って高値を示すことがあるので、尿検査で毛髪中セレン高値を確認する必要がある。セレンが無毒性から毒性になる濃度は確立されていないが、最小量の100〜300倍でセレン中毒が発現する可能性があることが示唆されている。

毛髪、爪中セレン低値の意義

 欠乏の指標となるセレン濃度は不明であるが、組織中セレン低値は食事摂取量が慢性的に低いことを示している。誘導結合プラズマ原子発光分光分析法は感度があまり高くなく、検出限界は正確な診断ができるほど低くない。質量分光鏡検査法はより適切で感度の高い検査法である。

·水:EPAは飲料水中セレン濃度を0.05PPM以下にするよう勧告している。

研究

 学童120例から得られた毛髪ミネラル分析の結果は、行動障害のある児童において毛髪中セレン高値が認められることを示していた。

 1981年のEPAの研究では健常児童および知能障害のある学童400例の毛髪中セレン濃度が調べられた。知能障害のある児童ではセレン濃度の有意な上昇が認められるという結果が得られた。また、その研究は、特別な学校に通う知能障害のある児童は通常の学校に通う児童と比較してセレン濃度が著しく高いということを示した。

 Dr. Brad M. DworkinらはAIDS患者12例の血漿および赤血球中セレン濃度を検査し、栄養障害と合併したセレン欠乏症が多いことを見出した。検査した患者12例の59%において、極端な血漿セレン低値が観察された。また、患者の約24%には極端な 赤血球中セレン低値も認められた。著者らは、一般に栄養障害、とりわけセレン欠乏症はAIDS患者において多く見られ、セレン補充などの特殊栄養療法がAIDS治療の重要な一部でなければならないということ示唆している。

 これらの患者の毛髪中セレン濃度は著しく低値を示すため、AIDSのリスクが高い被験者の組織中濃度のモニターが現実に感染する前の予防策として勧められている。G. Ohrndahlらにより行われた研究は特に興味深い。セレンおよびビタミンEを補充した筋ジストロフィー患者では著しい身体的機能の亢進および精神的疲労の減少を認めたことが示されている。1例で毛髪の成長が改善され、2例で下垂症が軽減された。セレンを補充されなかったコントロール2例は何の変化も示さなかった。

膵炎と亜セレン酸ナトリウム

患者330例をCF走査法で急性膵炎と診断した。診断直後、セレン200μgを投与し、24時間後さらに800μgを投与した。2日目からはセレン500μg/日を投与した。時宜を得たセレン療法で、死亡率、合併症発生率、手術施行率は劇的に低下した。ある病院では死亡患者はなく、また別の病院では患者85例中8例が死亡した。治療開始が遅れた場合や胆石症がある場合に合併症が発症した。

文献

Chen, X, Chen, X, Yang, GQ, et. Al: Relation of selenium to the occurrence of Keshan

disease. In Spallholz, JE, Martin, JL, and Ganther, HE, editors: Selenium in biology

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Glover, JR: Selenium in human urine: a tentative maximum allowable concentration for

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Lane, HW, Barroso, AO, Englert, D, et al: Selenium status of seven chronic intravenous

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Schrauzer, GN, White, DA, and Schneider, CJ: Cancer mortality studies. 11.

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