カントは、我々の認識がどのようにして可能になるかを探求する「超越論的哲学」(transcendental philosophy)を展開しました。これは認識の条件や前提を明らかにする試みです。
2. 道徳哲学
カントの倫理学は『実践理性批判』(Kritik der praktischen Vernunft, 1788年)と『道徳形而上学の基礎づけ』(Grundlegung zur Metaphysik der Sitten, 1785年)で展開されます。ここで彼は、道徳の基礎として「定言命法(Categorical Imperative)」を提唱しました。