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半蔵門かきもの倶楽部コミュの第九十二回 かとう作「(タイトル未定)」自由課題

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 失恋するたびに髪を切る女性なんて、今日びなかなか存在しないだろう。そもそも、私は失恋したことがない。ちゃんとした恋愛なんて、したことがなんてないし。
 中村あさひは、美容室の鏡に映る自分とその後ろに座る美容師の姿を交互に認めながら、考えた。
しかしあさひには、失恋以外に髪を切るタイミングがある。仕事でなにか悪いことが起きたときだ。
 たとえば、とりあげた新生児が既に息をしていなかったときだとか、息はしていても重い障害を負っていたときだとか、その障害児を母親が受け入れなかったときだとか。
 だから、あさひの髪はいつも短い。
 しかし、今回はそのどちらでもなかった。その助産師の仕事を、退職の危機に追い込まれている。正確には今回は休職だが、あさひは「自分は助産師には向いていないのでは」と思い悩んでいた。
 それどころか、あのときは助産師の仕事を放棄してしまった。向いていないどころか失格なのではないだろうか。
 その思いは自然にため息となって漏れた。
「今回はどうしましょうか?」
 思考は、ため息を受けた美容師の苦笑とともに途切れた。
 あさひの答えは決まっている。
「いつもどおりで」
「はい」
 切るところがないですよ、とは言わずに、美容師はいつものように答えた。余計なことを言わないことが彼の美徳であるとあさひは考えていたが、今日に限って、今まで決して尋ねなかったことを尋ねた。
「のばさないんですか?」
「え?」
「髪。せっかくお綺麗なのに」
 お綺麗というのは髪のことだろう、とあさひは捉えた。髪の短さもあるのか、背が高く中性的な雰囲気を持つあさひは、綺麗だとか可愛いという賛辞を受けたことがない。学生時代も、陰でひそひそと「あの人かっこいい」と噂されていたことを冗談まじりに友人から伝えられるような、そういう存在の女子だった。
 「かっこいい」と同性から(そしてごく少ない異性からも)憧れられることに、悪い気はしなかった。しかし、自分は女性として扱われていない、つまり女性としての価値はないのだろうと自分を評価していた。だから、綺麗という言葉は自分に似合わない。
 それに、仮に「お綺麗」と言うのが容姿のことだとしたら、「美しい女性は長い髪であるべき」という価値観をこの美容師が抱いているとするなら、あさひとしては幻滅ものだった。
 いずれにしても長年通い続けた美容室で、何年も髪を切ってくれた美容師にそのようなことを問われるのは、あさひの心に不穏なものをもたらした。
 美容師としてはなにげなく投げた問いなのに、あさひにはそれすら、「お前は助産師を辞めるべきだ」という暗示に思えてしまう。
 神仏や占いの類を信じない彼女ではあったが、髪を切るというのは唯一の祈りのようなものだった。
乳児が母の顔も知らないうちに亡くなる、その悲劇の前で、自分ができることはなにもない。髪を切ったところで、なんの意味もないだろう。自己満足でしかない。
 わかっていても、あさひはどうしても、悲しいことがあるたびに美容室に来てしまう。助産師の仕事は多忙で、切りたいときに切れないことも多いが、それでも久しぶりの美容室ではらはらと落ちていく自分の髪を見ながら、あさひは心の中に一区切りをつける。
 もうどうか、これ以上、いや、少しでも、母親や子どもたちが悲しい思いをせずに済みますように。母親たちの悲しみが、少しでも穏やかに流れていきますように。天国に登った魂が、先に逝った赤ん坊たちと、楽しく遊んでいますように。すべての苦しみと悲しみが癒されますように。
 その祈りと髪を切ることになんの関係があるのか、あさひにもわからなかったが、それでも髪を切ることは、仕事を続ける上であさひに少しばかり心のバランスをもたらしていた。
 そのはずだったのに、目の前の美容師が、あさひにとって大切な仕事を任せていた彼が、言うのだ。
「ねえ、たまには伸ばしてみたらどうですか? きっと似合いますよ。僕、うまくサポートしますし」
 美容師は、今日あさひが大きなトランクを引いてきたことさえ、なにも尋ねなかった。職場で休職の手続きをしたあさひがその足で実家に帰るための、荷物が詰まったトランクだ。彼は「おや」という顔をしたのに、余計なことは聞かなかったのだ。それなのに、唐突に、髪を伸ばすようにあさひに薦める。
 美容師は、あさひがなにも答えないのに、いかに髪を伸ばしていくか検分をするかのように、あさひの髪をめくって覗き込んだりした。髪の量を確かめているらしい。彼の頭では、もうあさひが今後どのように髪を伸ばしていくか、計画や道筋ができているのかもしれない。
 そのことを考えたとき、病院でずっとこらえていた涙が、突然ここでこぼれた。そして涙は意志となって、言葉として噴き上がってきた。
「ぼうずにしてください」
 顔を抑え震える声で言ったあさひの背中に、美容師の困惑っぷりが染み込んで伝わった。彼の顔を見ることができないというのに。

 結局ぼうずにはならなかったな。
 あさひはふるさとに帰る特急列車の中で、鏡に映った自分の髪を眺めながら、そう結論づける。
 ぼうずにはならなかったが、また一つ恥を晒してしまったことを、あさひは激しく後悔した。どうしてあのとき泣いてしまったのだろう。どうしてあのときちゃんと仕事ができなかったのだろう。
 二十七歳のあさひには、少しずつ人生の中でアンコントローラブルなことが増えていくような気持ちだった。看護大学で在学中に助産師資格をとって総合病院に就職して五年、それなりに経験と技術を積み上げてきたはずだった。仕事はできるほうだという評価をもらっていたはずだ。それなのに、ここで躓くのか。あさひにはその理由がわからなかった。

「そのときには、あさひちゃんに、そばにいてほしい。なんだか心細いの」
 従姉妹の樹里はそう言った。それがあさひの休職の発端だった。
 樹里は妊娠四ヶ月を迎えていて、偶然あさひの働く総合病院の産科で出産することになっていた。もともとは自宅近くの個人病院で産むと決めていたが、妊婦健診の過程で、あさひの病院に転院することになった。
 公私混同かもしれない。そう思ったが、新卒から働いてもう五年になる職場で、あさひは中堅の域に入っていた。
 仕事をまわす立場の人間になって、すこしのわがままならきっと許される。
 そう思って、樹里の頼みを承諾した自分を、可能ならば今全力で殴りつけたい。

 そのとき。樹里の腹に、太さ約一ミリ、長さ二十センチメートルの針が、刺されようとする瞬間。
 それは、彼女の胎内から羊水を抜きとって、胎児の遺伝子検査にまわすための行為だった。それまでの検査で胎児にダウン症の疑いがあったので、それを確定するために、羊水検査をする必要があった。
 あさひは手術台に横たわる樹里のわきに立ち、彼女の手を握っていた。
 医師は中にいる胎児に針が刺さらないように、エコーを眺めながら、樹里の腹に針先を突き立てる。
 ぷすり。
 聞こえないはずの音が、あさひの耳には聞こえた気がした。
 その瞬間に、脳みそが鐘になってぐわんぐわんと揺れるような心地がした。
 ああ、針先を見てはいけない。
 そう直感的に思ったのに、あさひは目を離せない。
「痛くないですか?」
「大丈夫です」
 医師と樹里の会話が耳に届いたが
「あれ、ちょっと動いちゃうなぁ」
 それまで静かに眠っていた胎児は、母の温かい羊水の中に突如現れた太い針の存在に、身震いするように体をもぞもぞと動かした。
「やり直しは避けたいが……」
 医師は、誰に言うともなくつぶやいて、妊婦の腹を押さえた。そっと針を手前に引く。胎児に針を刺してしまうという事故だけは避けたいようだった。
 どうしてそこまでして?
 あさひの思考は、ゆるやかに膨らんだ妊婦の腹に穴をあけ、医師の逡巡に合わせて前後する針を前に、文字通り停止した。ぐつぐつと頭蓋骨が煮えるような感覚がして、なにも考えられなくなっていた。
 気がついたときには、足の力が抜けてしゃがみ込んだかと思えば、そのまま尻餅をついて後ろにごろんと倒れていた。すべてが、あさひの意志に反して起きたことだった。
「おおっ」
 医師の声は、その驚きの割に妙に間延びして響いた。一瞬倒れたあさひを見るが、すぐに視線を針先に戻す。
「あさひちゃん」
「動かないで!」
 樹里の声を遮って、医師が鋭く叫ぶ。同時に医師が白衣の胸ポケットからPHSを取り出し、応援を呼んだようだった。検査の補助に入っていた助産師が、急に倒れたと、そんなようなことを医師は早口で話した。
 こんなところで寝ていてはいけない。
 いや、私はいったいなぜ手術室の床なんかで寝ているのか。
 あさひは自身の職業意識と羞恥心に追い立てられるように、なんとか体を捻り、床を手について体を起こそうとした。仰向けから、床にしゃがみ込むような体勢にはなんとかなれたが、どうしても足に力が入らない。頭がくらくらして、腹からなにか込み上げるような感覚があった。ここで吐いてはいけない、そう思って口を押さえる。
「中村さん、大丈夫? どうした?」
 医師がそう問いながら、ゆっくりと妊婦の腹から針を抜くのが、横目に見えた。検査は中止することにしたらしい。
「あさひちゃん、大丈夫?」
「寝てなきゃ駄目だ」
 手術台ががたがた動く気配で、起きあがろうとする樹里を医師が静止しているのだろうと、あさひは察した。
 あとはただ、自分の身に何が起きたのか、なにか食べたものにあたったのだろうか、そう考えながら、自分の体を支えるので精一杯だった。
 そのうちに手術室にばたばたと足音が響き、二名の看護師が入ってきた。
 一人は樹里に駆け寄り、もう一人はあさひの体を支えて覗き込む。
「大丈夫? 気持ち悪くなっちゃった?」
「ちょっとくらくらしちゃって」
 あさひの母親ほどの年齢と思しき、そして何年も一緒に仕事をしているその産科の看護師は、あさひの顔を覗き込んでから、彼女の額に手を当てた。温かい手だった。
「熱はないみたい」
 そう言いながら、彼女は医師とあさひを交互に見て、「なるほど、そうか」とつぶやいた。
 そしてあさひの顔を見て、なぜか満面の笑みで行った。
「迷走神経反射じゃないかな」
「え?」
 声を上げたのは医師だった。
「しばらく寝てたら治るよ」
 迷走神経反射。
 あさひはただその言葉を反芻していたが、その様子を見て、看護師がふっと笑って言った。
「中村さん、おかしいね。助産師なのに、注射が苦手なんて」


「はああああ」
 羞恥心が、無意識のうちに声として口から漏れていたらしい。
 あさひの座る特急列車の座席の、通路を挟んだ席に座った乗客が、ちらりとこちらを見たのがわかった。
 あさひは恥をさらに重ねた気持ちになり、それを誤魔化すようにまた窓の外に目をやり、二本目の缶ビールを開ける。
 平日昼間の特急列車は空いていた。
 迷走神経反射じゃないかな。
 助産師なのに、注射が苦手なんて。
 あの日のあの言葉のリフレインが、今日の今日まで頭の中で止まなかった。
 つまり、注射が怖くてくらくらして倒れてしまったわけだ、私は。それなのに、産婦である樹理が自分の従姉妹であるという理由で、必要もないサポートを買って出たのだ。
 そう考えると、あさひは波が自分をさらっていって体を粉々にして、もう自分を無に帰してくれたらいいのにという気持ちになる。自分なんて魚の餌になればいいと思うほどに、自分が恥ずかしい。
 責任感があると言うのは職場のあさひへの評価であるが、その責任感がいきすぎると、仕事もろくに手がつかなくなるらしい。
 あさひはあの日、樹里の羊水検査のあと、医師から叱責を受けた。
 助産師のくせに、助産師だから言うまでもなく看護資格だって持っているくせに、どうして注射なんかで倒れたりするのか。しかも、注射が苦手ならなぜ本来必要ではなかった樹里のサポートを申し出たのか。樹里は動揺してお腹が張ってしまい、検査も中止だ。検査の立ち会いなんてしなければ、こんなことにはならなかったのではないか。今後はこのような公私混同は困る。
 医師の言葉の一つ一つに、あさひは反論する余地もなく、ただ頭を垂れるだけだった。全くもって、なにもかもが、彼の言うとおりだ。
 医師はあさひを激しく叱り飛ばすのではなく、あくまで冷静に、淡々と疑問を投げかけた。それがあさひの気持ちをよりかき乱した。
 私はどうしてあの日倒れてしまったのか。そして、産婦のサポートどころか検査の足を引っ張ることしかできないほど、無能な人間だったのか。
 なにより怖いのは、なぜあの日倒れたのか自分でもわからないことだった。あさひは患者に注射をするときも自身がされるときも、迷走神経反射を起こしたことはない。羊水検査に立ち会ったのは、あの日が初めてだった。なぜあの日だけ駄目だったのか。
 わからないなら、また急に倒れて同僚や患者に迷惑をかけることがあるのではないか。
 疑い出すと仕事が手につかなくなり、普段ならあり得ないミスを連発した。こんなことは、助産師として働き出してから初めてのことだった。新人のときでさえ、あさひは緊張感の中にも冷静さを保ち、「落ち着いている」「ミスをほとんどしない」と先輩に驚かれたほどだった。
 それなのに、なぜ。
 自分を疑い出すと止まらなくなった。
 あさひは上司に退職を申し出た。しかし話し合いの場で休職を勧められ、従うことにした。

 そういえば、最後の勤務の日も、とりあげた嬰児はすでに息をしていなかった。
「ああ……」
 肌が青紫の、ぐったりとしてなんの反応も示さない、それ以外は寝ている新生児と変わらない、ぐんにゃりとした体を抱いた瞬間。つい声が漏れた。
 例の、羊水検査事件の医師がたまたまその場にいて、あさひを制するように腕にそっと手を触れた。医師の顔を見返したら、マスクと帽子にほとんど隠された顔から、眼差しだけが光って、その目があさひを責めていた。
 泣くな。
 そう言いたげに、医師は自分の目元を指してあさひの注意を向ける。
 それで初めて、自分が泣いていることに気がつく。亡くなった子を抱いていて、手が塞がって涙が拭けない。産婦が気が付かないといいが。
 そこに立ち会っていた先輩助産師が、なんでもない顔をして、あさひの涙をさっと拭ってくれた。
 そのとき、あさひは思った。
 もうとっくに限界だったのかもしれない。
 この総合病院の、ハイリスクな妊婦がたくさん訪れる産科で、毎日気を張って働くのは。
 数えきれないくらい、産声をあげない新生児を抱き上げてきた。今まで泣かないようにしていたのに、どうして。そして、どうしてこの子は息をしないのか。それならどうしてこの子は生を授かったのか。なによりも悲しいのは母親のはずなのに、どうして私が泣けるというのか。
 この仕事は、疑問が消化しきれなくなったら潮時なのかもしれない。
 あさひはなんとなく、自分の今回の休職について無理矢理そう結論づけた。

 特急電車を降りた瞬間、潮の匂いがする気がする。
 あさひは帰郷のたびにそう感じるのだが、気のせいかもしれない、とも思った。
 実家は海のすぐ近くにあるが、駅から歩くと二十分以上はかかる。バスを使うこともできるが、いつも歩いていくことにしている。
「連絡くれたら、駅まで迎えに行ったのに」
 玄関のドアを開けた瞬間、あさひの父親は「おかえり」でもなく、そう言った。
「あれ? お父さん、仕事は?」
「今日は土曜日じゃないか」
 父親は眼鏡の奥の目を少し困惑させて、上り框の上で答えた。あさひは今回の帰省をメッセージアプリで、母親に伝えていた。
 休職することになったから、しばらく家に置いてくれる?
 母親はただ、「わかった」とだけ返した。
 それを、当然父親にも伝えているものだと思っていたが、六十を手前にしてまだまだ忙しい母親のことだ。もしかして今回の帰郷を、夫に伝えていないのかもしれない。いや、事情は知っているが、どうして休職になったかを聞いてもいいのか、そもそもどうして休職することになったのか、父親は考えあぐねているのかもしれない。
 あさひは、そのことを伺うように、父親の目を見つめた。父親も、なにも言わずあさひの顔を見つめ返してきた。しばらく沈黙が続いた。
 思えば、あまり会話の多い父娘ではなかったかもしれない。
 帰省のたびに、そういうことにあさひは思い至った。出ていってから初めて気がつくことも多いのだと。
 そのことを父親も思ったのかどうかはわからないが、彼は思い出したかのように呟いた。
「そういえば、さとちゃんがきてる」
「え、暁が」
 あさひがすべて言い終わる前に、玄関から続く廊下の奥にある、トイレのドアが大きな音を立てて開き、そして大きな音を立てて閉まり、どんどんという足音が家を揺らした。
「あさひちゃーん!」
 叫びながら、こっちに走ってくる男がいる、と思ったころには、あさひはもう抱きすくめられていた。
 これが、六年ぶりに会う暁なのか。
 そう意識に上がってくる前に、まずあさひはたじろいだ。
 ぎゅうぎゅうとしめつけてくる腕の強さ、胸に押し付けられる筋肉のかたさ、頬に当たる髪の感触、体温、シャンプーの奥から主張してくる知らない男の臭い。
 男に抱かれるというのはまずあさひの日常にあり得ない出来事だったし、そもそもあさひは、乳幼児以外の他人との触れ合いが苦手だった。たとえ同姓でもこんなに密着することはない。
 嫌悪ともくすぐったさともつかないなんともいえない感触があさひの体を駆け巡った。この中から出なくては。しかし、その腕の中から出るどころか、体が硬直してしまう。やっと体を少し動かそうとも、腕はさらに締め付けてきて、再会を堪能するようにあさひの体を軽く揺らしている。
「暁?」
「おかえり」
 やっと声が出たと思ったら、声の主は間髪入れずに答えた。
「あさひ、おかえり」
 続いたのは父親だった。
 父はいつもワンテンポ遅い。そういえば、暁が産まれたときもそうだった。
 そのことを思い出すと、あさひの顔がゆるんだ。
 そうだ、これは暁だ。産まれたときから可愛くて、激しくて、成長してもその二つの性質をずっと貫いていた、あの暁なのだ。
 あさひの硬直した体から力が抜け、腹の底から身体中に、温かい喜びが広がるようだった。
「ねえ暁」
「なに?」
「あんた、手洗ってないでしょ」
 暁はさっき、トイレのドアから出てきたのだ。洗面所にも向かわずに、あさひの姿を認めるなりこっちに突進してきた。
 まったく暁らしい。
 懐かしさがさらにあさひの体を温めた。
 暁はやっとあさひを解放し、あさひは六年ぶりに暁の顔を見ることができた。

コメント(14)

ご無沙汰しております。
以前書いて文芸部にもアップした話を、その後「ああでもない」「こうでもない」とぐにぐに捏ねて、引き続き執筆しております……
まだ未完なんですが、アップさせていただきます。
人間の命に価値の違いがあるかをテーマにされているようにお見受けしましたが、このあさひの「迷走神経反射」の謎は、その導入でしょうか?その重いテーマより、男の読者が読むとあさひの悩む姿が女として魅力的です。守り抱きしめたくなります。そこに暁の登場。彼とのこれからの展開が楽しみです。
>>[3]
読んでくださりありがとうございます!
あさひが魅力的な女性に書けてよかったです。今まであさひのキャラを書くのが難しくて何度も書き直していましたが、JONYさんのお墨付きなら大丈夫!と思えました。一生懸命書いた甲斐がありました。
迷走神経反射の謎は、また他の要素が絡んできます!その謎が明かされるシーンまで書いて読んでいただけるよう、頑張ります。
温かいご感想、励みになりますスマイルありがとうございました
 とても読みやすく情景や主人公の心理がよく伝わってきて書き手として優れているなと思いました。
 女性にとって大切な髪と小さい生命のリンクも素晴らしいです。
 主人公の心や状況が、髪というものに象徴されて読者に伝わってくると思います。
 お話の途中のようですのでこの先の展開がすごく気になります。
 個人的には「美容師」さん、あさひに気があるのでしょうか。
 美容師さん視点の章があったら読んでみたいです。
 今後、美容師さんとの展開はあるのでしょうか。

 また暁というのは弟でしょうか。それとも親戚でしょうか。恋愛の対象になるのか、それとも家族の絆として展開してゆくのかも大いに気になるところです。

 続きを楽しみにしております。

 また、かとうさんの書いた他の作品も読んでみたいです。
某日は拙作にコメント下さりありがとうございました。とても励みになりました!

物語の筋についてはとてもよく寝られていて、幾人か的確に書かれているので、私から申し上げることはないように思われます。
私はあさひちゃんのこれからと、暁くんのまだ描かれていない人柄が気になるので、楽しみです( ´∀`)
>>[6]
ありがとうございます!ご感想励みになります。また頑張って書いて、アップさせていただきます!
>>[5]
ありがとうございます。なんともったいなきお言葉!
特に冒頭を褒めていただいたのが嬉しいです。
この作品は去年くらいからずっと考えていて、結構書き直し続けています。
一番最初に考えたのはロイヤーさんにイイネをいただいた「海へ」というものなのですが、これは話の展開がよくないということで(創作教室の先生から、作者のご都合主義すぎるとの評価)、また書き直し。
その後書き直したものは主人公のキャラがよくないということで、やっと今のかたちになりました。

主人公の中性的な雰囲気を伝えるのに、冒頭に美容室の描写を持ってこれば、外見の描写がしやすいとかそんな単純なひらめきでしたが、書いてみたらようやくしっくりくる冒頭が書けたかな、と自分でも満足です。

ちなみに美容師さんは今後は出てくる予定は一才なしで、モブキャラどころか背景くらいの扱いでしたあせあせ(飛び散る汗)
頑張って続き書いてアップしますので、また読んでいただければと思います。
ありがとうございました。
>>[8]
冒頭はすごく好きです。失恋と髪を切ることのリンクから、失恋をしたことがない、そもそも恋愛をちゃんとしたことが無いと、テンポよくつなげて読者をわずか2行で惹きつけていくのはすごいと思いました。
 恋愛話かと思わせて、そこから小さき命の話になり、「だから、あさひの髪はいつも短い」とつなげるあたりは思わず引き込まれます。
 作家は最初の1ページで本を買ってもらい、最後の1ページで次回作を買ってもらうとよく言われますが、手に取ったら思わず買って最後まで読みたくなる出だしだと思いました。
 ここまででの展開では、結構美容師さんのことが好きだったので、モブキャラと聞いて少し残念です。
 あさひそのものに感情移入してなりきるには自分の性別と年齢に少し無理があるので、美容師さんが、もしあさひになにかしらの変化や救いを与える存在なら、自分の居場所はそこだと思っていました。
 なので、背景程度と聞き、なんだか喪男キャラの高校生がトラックに轢かれて転生したら無理ゲーのモブキャラでしかも死亡フラグが立っていたような気分です(トホホホ)。

 何はともあれ、続きを期待しております。
>>[9]
おお〜そんなにお褒めいただくと調子に乗ってしまいそうですうれしい顔ありがとうございます。本当に書く励みになります!
美容師に全然思い入れなく書いていたので、ロイヤーさんに気に入っていただけるとは!転生のモブキャラの例えは笑ってしまいました。
基本女性が読むことを想定して書いていますが、男性目線で読んだときのことも意識してみようと、新たな気づきになりました!
何から何までありがとうございます。
ご無沙汰しています。
自分の作品へのコメント、ありがとうございました!

これ、覚えてます…!
大まかな流れは自分の記憶にあるものと同じですが、細かい点はかなり変えられているような…
(前はバーで主人公が常連のおじさんから航空券?をもらうようなシーンがあったような…勘違いでしたらすみませんあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)

書くのって忍耐要りますよね…
自分も未完で投げ出してばかりなので、同じ作品に時間をかけて根気強く格闘されている姿は見習わなければ…!と感服しました。

それにしても、毎回主人公に抱きついてばかりの暁くんのキャラが気になって仕方ありません(笑)
続きを楽しみに待っています〜
>>[11]
覚えてていただいて嬉しいです!
そうなんです、とにかく主人公が助産師で休職するというざっくりした流れは同じです。前のヴァージョンは、まさしくバーの常連おじさんから航空券をもらう感じでした。
そして今回は、そのおじさんが登場しなくなり、キャラの名前や設定など変えております。
前のやつは、創作教室の先生に見せたら、「沖縄とかありきたりだし」「この流れでいかないだろう、沖縄は」というツッコミを受けて没になりました。

本当に、書くのって地道ですよね……ざっくり展開は決めているようで、先が全然見えていません。
そして暁のキャラが自分でもよくわからなくなっています……。続きもアップしましたが、自分で書きながら「暁がよくわからない」と迷走しそうなので、また忌憚のない意見いただけると嬉しいです。
暁だけ外見のイメージが明確にあって、俳優の若葉竜也さんみたいなかんじのイメージですが、うまく表現できません〜。まぁみなさんでいろんな想像ができるような人物にしていきたいです。
>>[12]
やっぱり、そうなんですね!
航空券のおじさん、懐かしいです(笑)

>俳優の若葉竜也さんみたいなかんじのイメージ
なるほど!!顔を見て、「あ〜なんかすごいわかる!!」と思いました。
うまく言えないですが、女子に抱きついても許されそうな顔ですね(笑)
たとえ暁が20代とかで女子に抱きつくのはどうなんだ?という年齢であっても、若葉さん的外見なら、キャラで許容されそうな気がします(笑)
とてもキャラが立ってるので、実はかとうさんの中ではブレてはないのかも…と思いますが、どうでしょう

頭の中で展開を決めていても、結末まで書いてみないと、自分でもよくわからないですよね…
その状態で文芸部にアップしても、冒頭は本当にこれでいいのか…?と悩んでみたり…(笑)
ライター向けの指南書に、文章表現のチグハグや言い回し・接続詞のダブりはとりあえず脇に置いて、結末まで一気に書きなさい、全体像が見えないと何が書きたいのかは見えてこないから、みたいなことは書いてあって、結構的を得てるのかなと思ったりしています。



>>[13]
若葉さんの、なんというか、末っ子感がすごいですよね!
しゃべってるところも声が甘くて、ちょっと危うげな色気があっていいのですよ。

キャラ難しいです。自分の中ではそういう魅了を持ったキャラにしたいと思っても、それはまだ自分の思考の中にしか存在しない魅力だし、
やはり読者から「いきなり抱きついてきて気持ち悪い」「セクハラじゃん」「あさひもなんで拒否しないの?」「というかキャラの魅力が伝わってこない!」みたいな疑問を抱かせたら、物語として成立しなくなってしまうので。
やはり文字の世界でキャラの魅力や、キャラの行動&思考に対して説得力を持たせないといけないんだけど、自分の作品はまだそこまで至ってないかなぁという感じがします。

しかし、引用していただいた本の内容は勇気づけられます!
文芸部にアップしているものはまだまだ煮詰め足りない部分が大いにあるんですが、それでもいいからとりあえず書き切って、あとからどんどん手を加えて直していこうと思います。

実験的に作品をアップできるこの場は本当にありがたいです。
チャーリーさんもありがとうございます。感想をいただいて創作のヒントになる部分も大きいので、コメントは貴重です。

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